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SPACE PEACS  作者: 夢之ゆめぜっと
ジェイノ/ティフィカロ
25/42

024 永劫の未来 改稿前

 スターーン!


「…よし、大分良くなった。少し調整は必要だが、しかし、一発で仕留めるまでには腕が上がったらしい…」


 辺境の惑星…

 父とあどけない娘…

 山へ狩猟に向かうと必ず、ナイフの腕磨きを訓練された。

 ここは片鱗の…狩猟民の集落…野生動物や盗賊など…国家治安の安定した地域とは違った…

 ともすれば幼き娘であっても、自分の身は自分で守らねばならない危機が、いつ訪れてもおかしくはない、難しい地域であった。


「さあ…帰るぞ…」


 娘は連れられて家を目指す…

 父は強かった。そしてその父へと娘は憧れと安心を抱いていた…

 

 父はとことん厳しかった。

 凶暴な野生動物に襲われて…息子を亡くしたあの日から…

 母のしつこい抑制を押し切ってまで…父はひとり娘にサバイバルの術を叩き込んだ…

 隅から…隅まで……


 女性らしく…覚えは何もかも早かった…

 今では父を支えるほどに…

 しかし、どうしてもナイフだけは…

 その手始めに至っては、鋭いナイフを手に取ることすら恐怖でままならない…


 それでも、少しづつ…

 そして、その上達は、かなりのレベルにまで達し、腰のホルダーに装備することを進んで行うまでになった。


 リリィ…

 女の子らしく…ナイフに名前まで付けていた。

 

「!」


 父の警戒レベルは沸点にまで…

 異変。

 家に殺気が漲っている!

 

「ジェイノ!ジェイノ!気を張っていろ、何かがおかしい」  

 

 娘は表情を引き締めた。


「!」


 しかしその光景を見た瞬間、一気に血の気が引いてしまった…足腰が…ぶるぶると震えてしまっている…


 惨殺!

 愛しい母の体はボロボロに引き裂かれ…床は血や内蔵でおどろおどろしく染まってしまっているのだった…


 父は発狂した!

 猟銃を辺り一面にぶっ放す… 


Gyaaaaaaaaaaa!!


 物陰から大群の小型猛獣が無秩序に動き散らした…

 

Dowwwwwwwww!

Dowwwwwwwww!

Dowwwwwwwww!


 猛獣は死んでいく…

 床が埋まるほどに…

 それほど命中率は完璧に近かった…


 しかし。


Katyuuuu!


 弾切れ!


「うあああああああああああああ」


Dsyuuu!

Dsyuuu!

Dsyuuu!


 銃の尻で猛獣の頭蓋骨を叩き割っている!

 

Gatyuuu…Gatyuuu…Gatyuuu…


 しかし…

 父は囲い込みを受け、にじり寄られ…

 胴体の…一箇所一箇所を少しずつ執拗に責め込まれて…

 もう機能する筋肉はなかった…

 このままでは…食われてしまう……


 娘は…というと…

 父と既に目が合っていた…

 

 父が弾切れする手前から、目と目のコンタクトでサインを交わし、これはもう何度も何度も修練を行っていた事であった。間違いはなかった…

 つまり、ずっと物陰へと隠れ続けていたのだ。


 娘はやはり父に較べれば獣臭の少ない乙女だ。

 これを買われて戦場へ重宝される女性兵士も少なくはない世界…

 こういった危機にあって、隅に隠れるだけで、十分な護身となり得ることが、女性兵士の最大の武器だった。


 父が食われている今際……

 最後の会話が目と目で交わされ…娘は涙で前が見えなくなった…

 

 そして投げつけようとしていた唯一の武器、ナイフのリリィをホルダーに締まった。

 飛び出した!

 小型猛獣の群れは娘に気付いて踵を返し飛び掛ろうと……


Gatyiiiiiinnnn!!


Dwaaaaaaaaaannnnnnn!!!!!!!!!


 咄嗟に跳躍!

 …ちょうど木陰に入り込むことができて…瓦礫の豪雨から、運良く鎧が払ってくれたのだった……


 「父!!!」


・・・・・・


 通りかかった兵士は、まったく村とは関わりのない遠征軍の若い兵だったという…

 それからこの可憐で逞しい娘を、新しい父として…兄として…

 いずれは…花嫁として……


 ディノ軍!

 重量戦車を主軸とする宇宙に名を轟かす軍隊!

 惑星と惑星を渡り歩いて遠征する宇宙を股にかけた戦闘種族…

 そう、彼らは爬虫類を祖先とする知性体であった。


 気を失った可憐な少女を一目惚れした、軍のエース、ティフィカロは、以降命を賭けて守ってゆくことを心に誓った。

 一方、徐々に歳を重ねて成熟していく彼女の方は、すでに女として十分な魅力を完成した…こちらは、爆薬の原材料として或いは高性能燃料として宇宙で広く利用され続けている植物、カクタムをルーツとする知性体であった。


 遥か太古からの歴史の堆積として…

 爬虫類とカクタムは…天敵であり続け…

 それらが互いに進化して…高度な知性体となった現在においても…彼らは本能どうしで嫌い合っていた……


 しかし…娘を一目惚れし、その後娘も愛し返した…


 これは互の歴史史上類を見ない……

 

 歴史を覆すほどに…

 ふたつの生命体は美しかったのである…


・・・・・・


 ティフィカロは…それ以前にディノ軍は、未曾有の危機の淵に立たされていた。

 軍、崩壊の危機!

 ティフィカロは、これまで数百年も生きながらえ今なお戦場に立ち続ける最強の…「戦闘王」の側近にまで躍進していた、そして大遠征の数々を、手助けし、尚且つ彼の戦闘力によって成功させ続けたのだ。

 しかし…

 それがシャドーカクタム軍の襲来!

 

 いかにもカクタムより戦闘能力に特化することで驚異的なスピードにて進化を遂げ、ディノ軍を追い込めるほどの戦闘軍に飛躍を遂げた。

 その精髄は…なんといっても自爆!

 

 シャドーカクタムは、なんといっても自己複製能力を持っていたから、増殖させた分身を惜しみなく爆薬として利用するために…

 執念と…コントロールに長け…それが宇宙の爆薬の代表とされるルーツ…カクタムの遺伝子を大いに受け継いだのであるから……


 「戦闘王」とティフィカロは軍と種族の存続を賭けて大遠征という賭けに出る!

 彼らの故郷を去ることで…


 男女の別離…

 男は帰還と共に婚約を誓った…

 

 惑星、軍の拠点に残されたジェイノは…

 その美しさにより…かつての天敵を一纏めに掌握していた。

 彼女はもう…彼らにとっての、戦う女王で間違いなかった。

 美貌と戦略と戦闘力!

 臨戦する軍事国家にとって…この上ない逸材であり、王とエースを欠いた軍にとってみれば…象徴でありそれは戦う理由なのだった。


 遠征軍はきっとシャドーカクタムを破るための最終兵器を持ち帰るだろう!堅く信じてやまぬ!

 そして、彼らの女王と、彼らの若き王へ…

 二人が結ばれるであろう栄光の永劫の未来へ向けて…国、逞しく結束の奇跡へと国民の皆は今立ち上がっているのだった!!  

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