15.決断
勿論、エルフィが赦してくれたからといって、ファーザーは許さない。
私はどうするべきか、考えた。
結論はひとつだった。
「ねえ、私を完全な人間にすることって、本当に出来るの?」
私はファーザーの所へ戻り、訊いてみた。
いつぞや、ファーザーは言っていた。
『……ああ、それとこれは蛇足かも知れないが、君が望むならば『完全に』人間になることも出来るのだよ。これは、憶えておいてくれ』
もしそれが叶うのであれば、今のような暴走を起こさずにいられるのかも知れない。
「……可能ではある。しかし、その為に君が支払う代償については、あの時に一切話していなかったね」
「代償が何であれ、飲むわよ。私が人間になれるなら、エルフィと共にいられるなら、何だって支払ってあげる」
私は即答した。
「そうか。ならば説明しよう」
ファーザーは、端的に言った。
「君が、『完全に』人間になるには、全ての記憶とその姿を捨てる必要がある」
私は耳を疑った。
「……つまり?」
「赤ん坊からやり直すことになる」
……ははっ。
なるほど。
そういうカラクリか。
「魂を完全に浄化し、魔族でも人間でもない中途半端な現在の状態から、人間にするのだ。現世のカルマは全て捨て去る必要がある」
「そりゃそーね……そんな、都合よく行かないか」
私は、決断を迫られる。
このまま、退治されるか。
赤ん坊になって、人間としての生を改めて獲得するのか。
「……どうするね?」
ファーザーは尋ねた。
私は即答した。
「決まってんでしょ」
私は―――
サキュバス・イントゥ・ザ・シスター、15話です。
心はとっくに決まっていた。という回。
『完全な人間になれる』ってネタは、実はコレを書いている最中に急遽思いついたので、伏線を後から6話に挟みました。(6話投稿前にはギリギリ気付けたので、挟み込みが間に合ってよかった……w)
次回、ラストです!
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