表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異端のLegitima   作者: 瑞希
番外編
100/100

二人の指輪

間違いなく、タイガが指輪を買おうとしている。

異変に気づいたのは2週間ほど前のことだ。

私の手…主に薬指を凝視していたのだ。

最初は汚れか何かでも付いているのかと心配になったけど、今なら言える。


凝視したって指はサイズを教えてくれないよ!


それから2週間。じーっと見つめてみたり、事あるごとにサイズを測ろうとしてくるが…面白いので気付かない振りをして避けている。

ちなみに、その過程で私の方がタイガの指のサイズを手に入れた。


16号だった。


…うん。全然関係ないんだけど、結構大きかったね。私と比べてだけど。

私は8号だから…まあ、数だけで言えば倍。

いや、そんなのはどうでも良い。そんなところでトキメいたりなんてしない。

…しない。


…………よーし。怒ったぞ(?)

タイガくんに目にもの見せてやる。













その翌日の夕食の時間。

今日も今日とて、タイガは薬指のサイズを測ろうとしている。


「どうしたの?」

まあ、解ってますけど


「お…、おお。

 ちょっと手貸して」

…意外だった。

もう回りくどいのは止めたらしい。

私は微笑んでタイガに片手を差し出した。


「一足遅かったね」

そんな不穏な言葉を口にして


「えっ………?」

最近シリアスモードが多かったタイガからは希に聞く間抜けな声だった。

まあ、私はよく聞いてるけど。


にっこりと微笑んだまま、何も言わない私。

今のタイガの頭のなかでは、あらゆる可能性が考えられていることだろう。

顔を見れば、何を考えているか手に取るよう解る。


最初は突拍子もない疑惑だったが、それが悪い方向に変わっていこうとしたところで、私はタイガの手を掴んだ。

まあ、そう仕向けたのは私ではあるのだけど、本当に別の人ができたのか…とか考えられるのは不愉快だ。

そんなの有り得ないのに。


「…エミヤ?」

そんな気持ちは不安気な顔で見上げるように私を見るタイガの顔で消え失せた。

あざとい。可愛い。可愛すぎる。もうそれしかない。


それが表に出るのを必死に押さえて、私はそれをタイガの指へ嵌めた。

「えっ………」

本日、二度目の間抜けな顔だ。

でも今度は、さっき以上に愛しく感じる。


「………え??え?うそ、え?なんで?まじで?」

やっとそれを指輪と認識できたタイガの瞳は大きく見開かれ、そしてもう片手はタイガの額を押さえた。


「うん。まじで」

私が満面の笑みでタイガの言葉を繰り返すと、タイガは机に崩れ落ちた。

「まじかぁ……」

悔しがるような、残念がるような声を発していたが、視線は指輪から離れることはなかった。


「…嫌だった?」

割りと、ついさっきまで自信満々だったのだが…、渡した途端に急に不安になってしまった。

やっぱり、タイガにとって女である私から送られるのは…なんというか、プライドが傷つけられるようなものだったろうか……と。


するとタイガは、初めて指輪から目を離して私の方を見た。

そして、何度か瞬きすると急に吹き出した。

「嫌なわけないだろ?

 凄く驚いたし、ちょっと残念だけどさ」


「残念……?」

やっばり嫌だった…?

あ、でも、嫌じゃないん…だよね?


「やっぱり、こういうのは俺から…さ

 俺が、お前と一緒に居たいんだって、形として伝えたいな…って」

…何でそういうこと言えるんだろう。


「…ねぇ、タイガ」

「ん?」


私は顔を伏せて手で顔を隠しながら口を開いた

「あのね、実は…その、私の指輪は買い忘れちゃって」

「……………へー」

タイガはかなりの間を開けて言ったから、解ってるのか解ってないのか判断つかなかった。


「ちなみに8号」

「……………何が?」

ちょっと声が笑ってるわよタイガ!!!


わざとね!わざとでしょう!

「よし!指輪返しなさい!!!!」

思わず顔をあげてタイガに手のひらを出した


「嘘々、ごめんごめん!

 あんまりにも嬉しくってさ」

「人を弄るのが…?!」

さすがにそれはどうかと思うわ!身がもたない!!


「俺にしか向けられないものって知ってるからなぁ」

………!!!!

だから何でそういうことが言えるかなぁ!!!!


「……バカ。」

「ありがとう」

ちぐはぐな会話に、私とタイガは二人して笑っていた。




至極、穏やかに、カーテンと風は踊る。

そんなダンスを眺める二人には誰の声も聞こえず、そして互いに言葉も交わさない。

それは日常のようで、奇跡のようで、道化の戯れ言でしかなかった。

ただ、二人のしわしわの指には輝くリングがいつまでも飾られている。

蛇足まで読んでくださった物好きな貴方!

本当にありがとうございます( ノ_ _)ノ


さて、ここからは愛雅達の子供の世代へ引き継がれます。

ひとつの物語で全てが語れるわけではないので、疑問に応じて推奨できる物語は変わってきます…

が、私は子供世代のものを主体に書いていきます。

他のはボチボチ。


愛雅達のその後や子供達の話、終わりの神とか始まりの神について

➡アルカナの戦慄


愛雅のお祖母ちゃん神夜について、あとラムセスについて

➡純血のかぐや姫


愛雅が帰国後の夜に聞いた話、アルカナの戦慄のネタバレ、

➡魔王の娘


戦災にて赤い月が収まった理由、ももなについて

➡305号室の世界


アルカナのネタバレ、ももなについて

➡ジュリエットは力持ち!


ラムセス(ルキフェル)と輝夜?について

➡銀の黎明



たぶん!(免罪符)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ