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車窓からは相変わらず知らない街並みが見えるが、それらが急にどこか非現実的なものとなってきた。電車の走る音が、パタリと無くなったのだ。皮肉にも、電車はそれでも快適に走っている。
「うん? あれ?」
気がつくと、外からの音というものが聞こえなくなっていた。
代わりに、俺自身が何か特別なとても不気味な音を聴いているような感じがしてきて、怖くなってきた。心臓の鼓動がこのままだと危険だと早鐘のようにけたたましく鳴った。
電車が停車すると、すぐに下車して駅の名を探す。「森閑駅」と書かれた駅名標がある。
知らない駅だ。
そして、誰もいない。
得体の知らない緊張の中で、息苦しさを覚える心臓の鼓動が聞こえてくる唯一の音だった。
無音なホームで改札口を探すことにして、出口へ通じる階段を見つけて上っていく。それから、改札口を見つける。だが、そこで切符を持っていないことを思い出した。
しばらく、駅員すらいない改札口で、どうしようかなと立ち往生していると……。
改札口の向こうから、歩いてくる複数の音がした。
その音の主たちは、スーツ姿の三人の女性だった。
「あら? やっと、人がいた」
「如月さん。この街って、とても変だったですよね。早く帰りましょうよ」
「そうですよね。あら? 男の人?」




