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「まもなく、13番線に1:00発普通水戸行きが到着します。この電車は水戸行きの最終です」
アナウンスのあとで、最終列車が来てくれた。ドアが開いたので、中へ入ると、ふと意外なことに気が付いた。
「そういえば、改札口で切符を買った覚えがない……」
数人のくたびれたサラリーマンが、座席で寝ている以外は人気がない。
そこで、水戸駅の改札口を出る際に困るし、切符を買い忘れでもしたら大変なので、ズボンのポケットや鞄の中、財布の中を探す。けれども、切符はどこにもなかった。
仕方がないので、水戸駅の改札口では、駅員さんに頭を下げたりして、切符代を支払ったりすれば、なんとかなるだろうと思うことにした。
電車は、無情にも快適に走っている。車窓からの景色は、どれも知らない街並みばかりだが、これで家へ帰れるんだという安心感だけが、今の自分を支えていた。
水戸駅まで、一時間以上もあるので、手近な座席にすわる。
壁面にある車内案内表示器で、停車駅一覧を覗くと旧博物館動物園駅だけが載っていなかった。その、旧博物館動物園駅から乗車したはずだというのに……。
きっと、見間違いなのだろう。
だが、どうしても嫌な気持ちがして、車内案内表示器から目を離して、スマホで旧博物館動物園駅を検索してみることにした。
すると、スマホに映し出された文字は驚愕と恐怖さえ感じさせるものだった。
旧博物館動物園駅。
1933年(昭和8年)の京成本線開通に合わせ、東京帝室博物館などの最寄り駅として開業した。
老朽化や乗降客数の減少が響いたため1997年(平成9年)に営業休止。
2004年(平成16年)には廃止されている……。
「なんだって! 廃駅だったのか……?! ……」
すると、連日の疲れで、頭の回転も鈍くなりだして、その場で泥のように寝入ってしまった……。
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