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第五話「夢見る子供たち」~3 ~

もうかれこれ、6時間はたっていた。


1度、食事を挟んだが……

パサパサの乾燥パンと干し肉、ドライフルーツを口にした。

僕らはぜんぜん、食べたが……1人を除いて、

「ネオン」

「ルナティカちゃん、我慢ね?」

「はーい」


スマホで現在位置を確認する。


「もう少しのはずなんだけど」

「うーん」

ライオスが唸る。


「今のところ、使いには4度会ってるが、そこまで強くねぇな」

他のやつはどこまで行ってるかな?とSNSをいじり始めた。


「後、30分位で侵食域のはずです」

「いくよ」


休息を辞め、また、歩き出した。


徐々に臭い汚い狭い所から、甘い綺麗広い、夢空間に早変わり、

ここが……


「侵食域……」


心無がもつ、現実を書き換える呪い。


「使いの野郎、わらわらときやがって!!」

「どんどん数が増えてます。」

僕は手帳から”楔”、”チェーン”、”鎖”などの言葉を掴んで投げると、使い達の足を止める。


「走るよ!」


最奥へ向かった。



ХХХХХХХХХХХХХХХХХХХХХХХХ


最奥は花畑になっていた。


そこに、1部踏み固められた広場が、


「子供達です!」

10数人の少年少女が乱雑に横たわっている。


「くっ!」

ここまで来ればわかる、その甘ったるい、融けそうな匂いは……、

「おぇ」

ルナティカが吐き戻す。

そして、鼻を摘む。


「あの花から臭いする」

よく見ると、大きな花弁がヒラヒラと風で揺れてる。

その茎や葉のように見えるものは人の身体だった。


「アナタ、タチ、ダレ?」

「心無!鎮まりたまえ!」


心無に語りかける。

「ワタシノ、ジャマヲスルノ?」

「僕たちは君を傷付けに来たんじゃない」


その言葉は彼女には届かない。

「タダ、アソビタイノ。ユメノナカデアソビシヨ?フフフ」


1層香りが強くなる、そして、

「いっいしきが……」

僕ら一行はその場に崩れ落ちた。



ХХХХХХХХХХХХХХХХХХХ


それは、公園だった。


ぽつんと1つのブランコに僕は座っていた。

「ねぇ、あそぼ?」

隣に少女がひとりだけ、

この2人しかその空間には存在せず、

そこまで聞けば違和感はなかった

その子の頭が花弁でなければ。


冷や汗が頬を伝う。


「あっ、バレた」

「”斬撃”の言霊」

名前の現象が実際に起きる単語を投げるが、それは発生しなかった。


「ここは、私の世界。アナタの原理はここでは使えない」

その子はブランコを漕いで、飛び跳ねて、前に20mくらい飛ぶ。


「私に勝てたら出してあげる」

「くっ、」

ブランコで幅跳びか……少し前の遊具じゃあ、危ないって言われた遊びだぞ。


そして、僕はこの異能の汎用性に感謝した。

「僕のこの理屈は”優しくないよ”」



心の中で1つの単語を選ぶ、

”鳥”ちがう。

”蛙”違う、

”跳”これと、

”振子”これ、

”翔”これ、


”韋駄天”これでは無い


”饒速日命”これだ!


「”インストール”」

僕が選んだのは外を飛ぶ船に乗って、天をかけた神の名前。



ブランコに立ち上がり勢いをつけ始める。

それを見ていた少女はその動作に伴い発生する風を感じた。

ゴクリ……少女は息を飲む。


「!」

引いた反動を利用し、空をかける。

それは堕ちることはなく、どんどんあがっていく、

そして、僕は彼女を視認できなくなった。


すると、彼女が

「それはないよ」

と言って、一瞬で枯れた、時だった。


世界が崩れた。


ХХХХХХХХХХХХХХХХХХ


はっと、目が覚める。


さっきの花畑、

まだ、他の人は横たわっている。


ムクりと僕は立ち上がり、心無に近付く。

「オニイサン、スゴイネ」

僕は照れくさそうに言いながら、申し訳はなく話した。



「ただ、最低最悪なだけだよ」


その言葉が彼女に伝わったかは定かではない。



ХХХХХХХХХХХХХХХХХ

ルナティカは夢を見ていた。

他の子供たちが追いかけっこして遊んでいる。

「行かないの?」

頭のない少女が語りかける。


「我、他の子と違う。獣人」


そこに居たのは全て人の子。

彼女は馴染めないと思った。

「そうなんだ……ごめんね」

そういって、少女や他の子が消えた。


ルナティカは泣いた。


ХХХХХХХХХХХХХХХХХ


ふと、目が覚める。

「あっ、あれ?」

彼女は夢を見てた気がするが思い出せない。

ふと、視界に彼の姿。


「ネオン……?」

手を合わせる彼の前には横たわる少女の姿形。

顔には黒い布がかけられている。


「その子、どうしたの?」

僕は説明しずらそうに話した。


「寝ているだけだよ」

確かに、胸の上下運動は確認できる。


「そっか……」


ほかのメンバーも起き始めた、そして、別働隊もその時到着した。


「また、一人勝ちかよ~」

「まぁ、使いが沢山いたからな」

「ちぇ、」

別働隊に少年少女の移動を任せた。


「では、私達も帰りましょう」

ソラが先導で来た道をもどる。


その時、ルナティカが倒れた。

「ルナティ!!大丈夫か?」

額に手を当てる。

酷い高熱。



「まさか……」

とりあえず、彼女を担いでギルドへ急いだ。





つづく


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