7—35 チームCその6
魂の抜けた凛々の身体を中央に運び、開けられた箱に近付けた。
中からビー玉サイズの玉が現れて、青白く光り輝いていた。
それが凛々の身体に吸い寄せられるように移動していき
「おおっ」
肉体と魂が融合して、凛々は復活した。その流れで、今まで共に行動していた凛々も同化した。
「おっかえりー!」
沙智が凛々に抱き付き、琥博も続いた。
「ぐっぐるじぃ」
2人に抱きしめられ、ギブとばかりに何とか動かせる右手で沙智の背中をバンバン叩いた。
「ふっふっふ」
風香が両手をワキワキさせながら凛々に近付いて行き、ツンと触った。
「ふおぉぉおおおおぉぉおおおおぉお!!?」
凛々は悲鳴を上げ、その顔を見た沙智たちは爆笑した。
「………ぅ」
莉衣奈は額に手を当てて気分が落ち着くのを待った。
「気分はいかがですか? リーダー」
「風香ちゃん……」
「洞窟入ってからリーダー、私の近くに居なかったので…アクマのオーラにあてられたんだと思いますよ。離れて見たましたけど、私…何かしましたかね?」
「ううん……気を悪くしたならごめん、同期と一緒の風香ちゃんが新鮮だったから」
「あはは、学校に居る時と家に居る時の差、ですかね」
「それじゃあ、私は授業参観に来たお母さんみたいな気分かな」
その後、莉衣奈は琥博に呼ばれて向かった。
風香は近くを通りかかった椿芽にも話しかけた。
「椿姉もやっとく? お祓い」
「いや、私は別に……」
「いいからいいから、椿姉もリーダーと一緒で私から離れてたんだから……何話してたの?」
「………普段のお前の様子について、かな。ただの雑談だよ」
「ふーん………終わったよ」
「ありがとう、呼んでるし戻ろう」
椿芽が歩き出すのを立ち止まったまま風香は見て、その背中に話しかけた。
「本当は気になってるんじゃないの…? あの時、確かに仕留めたのに何故か生きてるって。ホンモノかニセモノか」
「! ………確かに、気にならないと言えば嘘になる。だがそれ以上に、生きていて良かったと…心からそう思ってる」
「………ニセモノかもしれないのに…?」
椿芽は振り返って、風香の目を見て答えた。
「お前はホンモノだよ。仕草や接し方、私の知る風香そのままだ。違うとすればテンションが高い事かな」
「…………」
2人はその後、何も語らず。
莉衣奈たちと合流して、来た道を戻るのだった。
ゲートを抜けて門の前に出ると、マホのポケットから音と振動が鳴り、マホはポケットから通信機を取り出した。
うさぎの妖精に作ってもらった、この世界での通信手段である。
「もしもーし、あ、ニトちゃん! どったのー」
『今、通話大丈夫でしょうか?』
通話の相手はリアだった。
「うん! へーきへーき」
『実は、音楽ライブをやろうと思いまして、先輩たちにも参加してもらいたいなと』
「ライブ!? わー久しぶり! やりたいやりたい!!」
『村の広場でやる簡易的なもの何ですけど。これから合流出来ます? 場所は———』
マホひとりで話が進み、通話を終えると内容を伝えて来た。
「反対する理由はないけど、一応聞こうよ」
莉衣奈の指摘にマホは笑って誤魔化した。
「合流って、どうやって行きます?」
椿芽の質問に、人数を確認する。
飛べるのは、マホと椿芽。
「箒に3人、吊るされ2人、みゃーちゃんが誰かを抱えて飛べば良いかな!」
「箒の方、重量オーバーでは? あ、人数オーバー」
椿芽に他全員の視線が集中したので、言い直した。
「問題ないよー! パワーアップしてるから!」
小柄な凛々と沙智が、凛々の身体を運んでいた繭に座って吊るされ、箒に跨るのが運転手のマホに莉衣奈と風香。そして椿芽が琥博を抱き抱えて飛ぶ事になった。
「そんじゃ、レッツゴー!!」
マホはそう叫び猛スピードで発進した。
「はやっもう見えない」
「タカミー、安全飛行でお願いね?」
「もちろんだとも」
椿芽も気持ち速めに発進するのだった。




