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7—32 チームCその3


「その角なに?」


 マホは会った時から気になっていた事を凛々(りり)に聞いた。


 先頭を歩く凛々は振り返ると、両手で頭の両脇から生えている2本の角を触りながら答えた。


「アクマの証なんだって長老に言われました」


「アクマの!?」


 沙智(さち)が心配そうに頭を撫でようと手を伸ばしたが凛々は一歩退がってニカッと笑った。


「カッコいいでしょこれ!」


「うんカッコいい!」


 風香(ふうか)が目を輝かせながら凛々《りり》に近づくと


「うおーい! 何かゾクッとしたぞお前!」


「風香ちゃん、光のオーラ出てんじゃない?」


 琥博(こはく)に指摘された風香は、「あ」と一歩退がった。


「抑えられないんだよなー出してるつもり無いんだけど」



 そのやり取りを後方で見ていた莉衣奈(りいな)椿芽(つばめ)は小声でやり取りしていた。


「そもそも、魂が封印されている凛々が何故ここに居るのかって疑問はおかしいですかね…?」


「それは私も思ったけど、実体が無いんじゃないかなって」


「どういう事ですか?」


「さっきから触らせないし、影ないし、何より……私に抱き付いて来ない」


「そ———え?」


「いつも私に抱き付いてくる凛々ちゃんが全く来ないの」


「そんな事してんですかアイツ」


 莉衣奈は力強く頷いた。


「妹みたいに甘えて来て可愛いの」


「へえー……そうなんですか…私らの前では、そんな事無いんですけど…実体じゃないという理由になるんですか?」


「さっきゲート通過した時に肩を触れなかったんだよね」


「理由それだけでよかったですよね?」


 ゲートの先は洞窟の中で、現在一本道で進んでいる。


 等間隔にランプが設置されていて、魔物も居らず静かなものだった。


 次第に両開きの扉の前に辿り着くと、先頭の凛々が振り返って言った。


「この先、試練の間らしくて…そこのボスを倒さないと進めないらしいです」


「試練とは…望むところだ!」


 嬉々として風香は扉に手を掛け勢いよく開け放つ。


「失格!」


「———へ?」


 部屋に一歩踏み込んだ風香の頭上に×マークがデカデカと表示された。


「え? どどどーいうこと???!」


「いきなり扉を開け放つヒトがありますか! 恥を知りなさい」


 部屋の中央に立っているのは尖ったメガネを掛けたおばさん風の鬼だった。


「何なのあのおばさん…」


「はいそこ! 敷居を踏むとは何事ですか! 失格!!」


「うぇええぇええええぇぇええ!!?」


 今度は沙智(さち)の頭上に×マークが表示された。


「何これ、マナー講座?」


 琥博(こはく)に続いて椿芽、マホと莉衣奈が無事に中へ入れた。


「よろしい、ではそちらの4人、こちらへ」


 莉衣奈たちは、そっと扉を閉めて「お邪魔します」とお辞儀をしてから部屋の中央へ移動する。


 ×マークが表示されている風香と沙智は扉の横に並んで立つよう言われた。その横に凛々の身体を置いて。


「(わぁ…マホちゃんの歩き方って綺麗だなぁ)」


 マホの後ろを歩く莉衣奈は思わず見惚れていた。


「(ふふん! マナーなら自信あるわ! どんときなさい!)」


 マナは自信満々な表情は心の中でして、実にエレガントな所作であった。


「(試練って、闘いじゃないの…?)」


「(知識問題なら自信あるけど…他の可能性は…?)」


 莉衣奈と琥博、それぞれ身構える。


 おばさん鬼の前まで来て横並びになると、おばさん鬼はそれぞれの顔を見て頷いた。


「そこの貴女、中々エレガントでしたね。卒業です」


 マホの事を正面から見てそう言った鬼は、マホの頭上に″卒業″の文字を浮かび上がらせた。


「″卒業″? ″合格″じゃなくて…?」


 莉衣奈がそう口にすると、おばさん鬼は不気味に笑って答えた。


「ええ、そしてあなた方2人は余計な思考を働かせていましたね。進級です」


 進級と卒業、その意味とは?


 莉衣奈が考えるよりも先に、おばさん鬼はマホの前まで歩いて行き立ち止まると。


「卒業、おめでとうございます———ッ?!」


 おばさん鬼が手を伸ばした瞬間、琥博がその手を蹴り上げた。


 すると手のひらが真上に向いた所で、ビームらしきモノが発射され天井を貫いた。


 おばさん鬼は琥博をジロリと睨む。


「何をするのですか? 落第にしますよ?」


「いきなりコロそうなんて、マナー以前に犯罪ですよオバさん?」


「———ふふ、よくわかりましたね。留年です」



 


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