7—31 チームCその2
人里から離れた山岳地帯。
深い霧と複雑な道順で、決して辿り着くのは容易では無い場所にそれはある。
魔物の村。
人間嫌いの魔物が集まるここには間違っても人間の立ち入りを許さない。
そんな村の中から凛々が顔を出したのだ。
「遅いよー早くご飯を作ってくれ」
凛々の嬉しそうな声に場の空気が止まる。
今まさに攻撃しようと振り上げた魔物の手が止まり、呆れ顔で凛々の方を見た。
「あのなぁ、今取り込み中だからアンタは引っ込んでてくれや」
「? 何してんの」
「見ての通り敵の排除な」
「敵ってどこにも居ないじゃん! 目ん玉ついてる?」
「目の前に居んだろーが! アンタこそちゃんと見ろや!!」
「椿芽たちの事言ってんなら違ーよ! わたしの友達と先輩だから!」
「2人ともそこまでにしなさい…他の者がざわつき始めとるわい」
凛々の後ろから、見た目からしてお爺さんの緑色の魔物が現れた。
「爺さん! 何とか言ってくれや知り合いだろーが関係ねーってよ」
「まあ察するに、光の先に行きたいんじゃろ? ゲートを繋げてやろう」
莉衣奈たちが口を挟む余地もなく話が進んで、門の手前に黒く渦を巻いたモノが現れた。
大きさは丁度人ひとりが通れるくらい。少なくとも、あの門番は通れないだろう。
「ありがとうございます…」
「礼はいらんから、さっさと行って帰ってくれ! ワシらは人間と関わりたく無いんじゃ」
ギロリと莉衣奈たちを睨みつけ、もの凄い殺意が伝わって来た。
「じゃー行きましょ皆さん!」
凛々が真っ先にゲートを潜って行く。
椿芽たちは互いを見合って、1人ずつ通過し始めた。
最後に風香が行こうとした所で呼び止められる。
「光の者よ、それは挑発のつもりか?」
「…………何の事ですか?」
「しらばっくれるでない、ダダ漏れじゃぞ光が」
クスッ
「ごめんなさい、未熟者で抑えきれてないみたいです。気をつけますね」
そう言って風香はゲートを潜った。




