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7—30 チームCその1


風香(ふうか)ちゃんの様子がおかしい?」


「はい…なんか、アレ以降テンションが明るくて…元々周りを見て気配りな所はあるんですけど」


 登山途中、後方に居る莉衣奈(りいな)の横に椿芽(つばめ)が来て相談を始めた。


 言われて莉衣奈は前方で琥博(こはく)沙智(さち)と談笑している風香を見る。


 この世界に来てから一緒に居る時間が長い分、確かに元気になったとは思う。


 多分それは、先輩たちと居る時と同期と一緒という違いからだと莉衣奈は考える。


「7期生だけの時の風香ちゃんを知らないんだけど、違うの?」


「敬語とかタメ口の違いはあっても、あそこまで笑っているというのは記憶にないですね」


「しばらく離れていたから、嬉しいんじゃないかな…? 楽しそうなのが一番だよ」


「………それなら、いいんですけど……」


「うん、じゃあ私も気にしてみるよ」


「ありがとうございます。リーダー」


 椿芽は軽く会釈をすると、琥博たちの方へ合流しに行った。


「何の話?」


 箒で飛んでいるマホが莉衣奈の側まで降下して来た。先端にはセミノの虫たちの糸で編み上げた繭のような物の中に凛々(りり)の身体がある。


 先日の闘いで、風香の光の力によってアクマが凛々の体内から追い出す事に成功したが、凛々の魂は別の場所に封印されてしまっているとの事なので、現在このメンバーでそこへ向かっている訳だ。


「風香ちゃんが明るくなったねって話だよ」


「んーそうだね。別の何かが混ざってる感じかも」


「どう言う事?」


「上手く説明できないや、別人ってわけじゃ無いから気にしなくても大丈夫だと思う」


 山頂に近づくに連れ、霧が深くなり視界が悪くなってきたところで莉衣奈が呼びかける。


「距離を空けないで! 一旦ストップ!」


「私がしっかり見えているので、風香と沙智がちょっと先行してますね。リーダー達はもう少し前へ」


 椿芽の指示の元、全員が手を繋げる距離まで合流出来た。


「椿姉の眼って凄いね!」


「まあ、これもスキルだからね」


「そっかぁ、どうりで私の煙玉意味無かったんだね」


「…………」


「見て、凛々ちゃんの身体が光ってない?」


 琥博の指摘に全員が繭を見る。青白い光が凛々を包み細い線が前方へと伸びて行く。


「魂と肉体が共鳴して、場所へ誘導してるって事なのかな…?」


「そうだと思います。行きましょう」


 椿芽を先頭に手を繋いで歩き出す。


 途中道を外れ、獣道のような所を進んで行ったり曲がったりと、何も見えない分迷子になりそうだった。


 そして辿り着いたのは、大きめの門の目の前。


 光はその門の先を示している。


 莉衣奈たちが近づいて行くと、何者かが現れた。


「そこで止まれ」


 ドスの効いた声が聞こえて立ち止まる。


 霧が少し晴れて現れたのは、およそ3メートルを超えたガタイの良い魔物だった。


 莉衣奈たちは一斉に武器に手を置く。


「お前たち人間だな。何をしに来た」


「………仲間の魂が眠る場所を目指してます」


 莉衣奈が一歩前に出て答える。


 光には魔物も気付いたようだが、特に気にした様子もなく。


「ここは人間立ち入り禁止だ。入ったら敵とみなしコロスぞ」


「じゃあ、迂回して行くしかないか……」


「いえ、この中にある洞窟に光は続いているので、通してもらうしかないですね」


 上空から光の行き先を見て来た椿芽が報告する。


「ほう、ならば———」


「おー! 椿芽たちではないか! やっと来てくれた!!」


「! り、凛々!?」


 門から顔を出したのは、凛々だった。



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