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7—28 チームBその9


「———ちっ」


 イアは舌打ちをした。


 眼前に迫るヒメのハンマーを(かわ)すと、丁度そこにミカの攻撃が来てぶん殴られる。


 ヒメの身体でミカの動きが見えない。


 そしてイアは先ほどから空腹で力が落ちて来ている。


 

 血で剣を作り戦い続けどのくらい経過しただろうか。多少の娯楽として戦いを長引かせる事はするが、今日のは遊びすぎたかもしれない。


 ヒメの攻撃を無視して、ミカの攻撃に集中する余裕はなくヒメの攻撃を受け止めて止まるだけでもミカの攻撃の餌食(えじき)だ。



 イアが距離を取ってもヒメは距離を詰め、上空に飛べばミカの踏みつけ攻撃が来る。


「ははっ……ほんと楽しませてくれる」


 イアは後方に跳びながら2人の攻撃を正面から受け吹っ飛ぶと、建物の壁を突き破った。


 そこは、食糧庫。


 イアは手当たり次第にむしゃぶりつくすと身体中にエネルギーが(みなぎ)る。


「ここからは本気で行かせてもらうぞ!」


 食糧庫から外へ飛び出すと一瞬の内にミカの目の前に移動した。


 ミカはそれに反応して攻撃を繰り出すが、イアはそれを(かわ)し腹部へ蹴りを入れる。


 するとミカは地面を転がり、すぐに体勢を整えようとする前にイアは追撃をしようと跳び出そうとして———


 ドンッッ


 後方からヒメがハンマーを振り下ろすのを振り返りもせずに躱してみせた。


「このっ」


 追撃の振り上げ攻撃も躱したイアは、ヒメの横っ腹に衝撃波をくらわせる。


「ガッッ!?」


 ヒメは吐血しながら吹っ飛び、あまりの激痛に苦悶の表情をする。


 イアはそのままヒメへの元へ向かい、途中のミカからの攻撃を避けながら進む。


「ハァ……ハァ……急に…スピードアップ、するじゃないか……」


「これが本来の力だ。楽しかったぞ、姫」


「ハァ……そろそろ…終わりに…しよう、てか…?」


「そうだな、コイツも含めて」


「!?」


 イアの死角からアーニーが斬りかかったのに対し、イアはそれを躱し腕を掴んで取り押さえた。


「———なぜっ!?」


「殺気がダダ漏れだぞメイド?」


 言いながらイアはアーニーの首に噛みつこうとして


「アーニー!!?」


「なんてな」


「ガッ」


 止めようと駆け出したヒメに向かってアーニーの背中を蹴り飛ばしヒメ諸共地面に倒れた。


 イアは直ぐにミカの方へ向かう。


 途中の攻撃を全て躱し距離を詰める。


「お前はまだ、その力を使いこなせていないようだな」


「———だったら?」


「勝ち目は無いぞ」


「………そうかな?」


 ミカが頭を下げるとイアの顔面目掛けて攻撃が迫る。


「!」


 イアが左右どちらに跳んでも上空に飛ぼうとも、あらゆる方向からイアへの集中攻撃が飛んできていた。


 だからイアは最初の正面からの攻撃を顔面で受けた。


 その後、空中で衝撃音が響き渡り、避けていればコンボが決まっていた。


「時間差攻撃とは……中々にやるではないか」


 イアがミカの目の前に来てから、ミカは大きな動きは見せていた無い。


 来る前に攻撃を仕掛けていたのだ。


 正面の見える範囲に衝撃を飛ばしていた今までとは違い、自分の後頭部を狙って繰り出した攻撃をタイミングを見計らって避ければ、対面の敵に不意打ちで攻撃を当てられる。


 これにはしっかりと、空間把握能力が必要となる。


「確かに凄いが、今の(わらわ)には効かぬわ!」


 攻撃が当たらず、イアからの猛攻を捌ききれなくなったミカは次第に追い詰められていく。


 何故攻撃が当たらないのか、それはミカが認識しているイアの位置がズレているからなのだ。


 それに加え、イアはミカの動きを観察し僅かな足踏みや腕の動きなどで予測している。


「終いだな、最後に眷属にしてやろう」


「……吸血鬼なんて、ごめんだね」


 食糧庫のある建物、ドラキュラ城の壁に追い詰められ、首を掴まれて持ち上げられると足が地面から離れる。


 少しでも足を動かそうとすると血で作ったロープのような物で抑えられ、両腕は血の剣で貫かれて動かせない。


「楽しませてくれた礼だ。生かしてやるんだから感謝しろ」


 イアはミカの首筋に牙を突き立てて


 ボコォッ


 左頬を殴られた。続けて右頬。後頭部からの下からアッパー攻撃、イアが理解するよりも速く殴られ続ける。


「流石に噛む時は油断するんだね」


 その数は100発を超え、イアの意識が飛ぶ程。


 トドメの溝落ちへの一撃でイアは気を失った。


 すると口から何か黒い物が飛び出て来た。


「は?」


 予想外の出来事に、ミカはそれを眺めた。


 黒い物は宙に浮かび上がり高く飛んだところで


 パンッ


 巨人化した汐梨(しおり)がそれを両手で潰したのだった。



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