7—27 チームBその8
晴に乗って汐梨の所へ戻ろうとした所、一緒に行こうとしたアーニーが消えた。
「何故居たのかもわからず、消えたのもわからない……何だったのだ?」
「さぁ……もと居た場所に戻ったんじゃない?」
或いは幻だったのか……。
「連携がどうとか言っていたが、出来ないではないか!」
「まーだ出発しないのかい?」
イズナが振り返って首を傾げる。ヒメは何を言おうか考えている間に晴が答えた。
「一緒に行く人が居なくなっちゃって……えー、誰か戦闘出来る人ひとり来てくれません?」
「晴ちゃん先輩は、誰をご所望ですかにゃー?」
猫が白鳥の頭の上に乗る。
「おい頭に乗るなー!」
「狐だったら自分も行けるよー?」
「だったら、アタシが虎になって」
「このクダリ前もやったけど虎は無理だからな!? そもそも空いてるスペースを埋めても重量オーバーで飛べないから!!」
「ひ、羊は大丈夫でしょうか…?」
「メリイ!? いや羊もそこそこ幅取るし重いだろ!!?」
「ぅぅ…ですよね……」
「おいセンパイ、メリイ泣かしたら撃ちますよ?」
「銃口を突き付けないでもらえるかな鏡花?! コワイんですけど!」
「むむむむむ」
ヒメはずっと腕を組んで悩む。
「ヒメ、早く決めてくれ! 誰がいい?」
「いや、戦闘スタイル分からなくて選びようがない! 連携取らなきゃ意味ないし」
「あー……じゃあ、どういうタイプがいい? 武器とか」
「んー……遠距離攻撃が出来る人、かな」
すると、イズナたちは移動を始め、何人かが前に並んだ。
「1番、長縄アミ! トラップを仕掛けます!」
「それ遠距離攻撃…か?」
ヒメは疑問符を頭に浮かべる。
「2番、紺野イズナ! 九尾で炎が出せます」
「おお!」
「ただし無差別攻撃です!」
「ダメやん」
「3番、神山ミカ! 拳を遠くの標的に当てられます」
ミカは少し離れた大きめの岩に向かって正拳突きをし、破壊した。
「凄いミカ先輩!」
「4番、三浦鏡花! レーザーガンを使います。鏡などの反射出来るものならレーザーを反射させられます」
「それは凄そうですなぁ」
「5番、氷室吹雪! 氷の魔法を出せます」
「魔法は魅力的だなぁ……」
以上の5名が名乗りをあげた。
「マズい、決められないぞ晴先輩! オススメの人は居ないか!?」
「オススメっつっても…トラップとレーザーガンと九尾は分かんないし……ヤバいのはミカ、かな」
「じゃあ、ミカ先輩! お願いします」
「了解、何一つ分かってないけどりょうか〜い」
「道中説明しますので」
「それではしゅっぱ〜つ!」
「いやだから降りろってネコネ!」
「え〜乗りたいのにぃ」
「あーじゃあ、上の階で大怪我して寝てる羽海の治療をしてくれないか」
「怪我してんの? 早く言ってよ」
ネコネはピョンと飛び降りると、城の入口へと向かった。
「人手が足りなかったら、増員お願いするかもなんで、お願いしまーす!」
晴はそう言って飛び立っていった。
所変わって、イアに飛ばされたエルが落下した場所。
勢い余ってゾンビの群れに突っ込み地面を転がり、ようやく止まったのは柑奈の足元だった。
「……あり?」
「何かと思ったらエルちゃん! 助太刀に来てくれたんだ!」
「いや、吸血鬼のイア先輩とやってて……うわゾンビ!!?」
「こいつら数減らなくて困ってんだよねー協力してくれるよね、エル?」
響のニコッとした笑顔に背筋が凍る感覚を覚えるエルだった。
そして、吸血鬼と闘っている汐梨。
「これだけの攻撃を耐えるとは、さすが巨人族、面白いぞ」
汐梨の攻撃は掠りはしても致命傷を与えられず、イアに背後に回り込まれ背中に衝撃波などの攻撃を喰らわされる。
汐梨は一旦巨人化を解除して元に戻る。
「なんだ? もうお終いか?」
「私にはこっちの方が合ってるみたい」
攻撃の瞬間だけ巨大化させるスタイル。
「確かに強力だが、肉体への負荷が凄そうだの」
回し蹴りをした時、右足を巨大化させるが軸の左足はそのままで、バランスを崩しやすい。肉体がスピードに追いつかない。
狙いが外れるのだ。
「先程までの動きでは無いな、疲れたか?」
「いいのよ……時間稼ぎが出来たんだし」
「!」
イアが上空を見ると、ヒメたちが猛スピードで突っ込んできた。
「なんだ、帰って来———ぐはっ?!」
イアは殴り飛ばされたように、数メートル転がった。
「鬼ヶ島で暴れられなかった分、ここで暴れるぞー!!」
「先輩! 連携は!?」
「適当に合わせるから大丈夫大丈夫!」
「———なるほど…? 他の助っ人を連れて来たか……くく」
イアは口から血を吐き捨てながら戻って来た。
「さあ……楽しませてくれよ…?」




