ツヴァイ
改稿
メイからの発表を聞いた五人は、それぞれ必要な準備をしていた。
「十六夜」
「なんだ流星」
十六夜と流星は二人で準備をしていた。容静もいたが、準備はすでに終わっているらしく、テント内にある自分の部屋で、変幻をアニメみたく使えないか研究している。この研究、実は十六夜も容静が呼んで協力させている。容静が言うには、俺っちには十六夜っちみたいに変幻を長時間使えないっす。だから協力するっす。といい、十六夜も容静のアニメ能力(浪漫)の実現に協力していた。容静は、普段の傍観者的な立場を投げ捨て、浪漫の実現に闘士を燃やしていた。実際に、容静は変幻を長時間使用出来ない。元からある形を変化させたりして、節約しながら使っても一時間が限界だ。前に使った、レーザーのような使い方をすると体感数十分程の力を使うと容静は言っていた。容静によると、変幻は使うと少しづつ力がとられ続け、更にレーザーのような使い方をすると、使い方にもよるが、一定量力が吸い取られると容静が語っていた。
「十六夜は偽名をいつまで使うの」
「…さあな、だが全部じゃないだろ。それに流星だって名字は」
「それはそうだけど、この名字は」
「気にすんな、そろそろ準備終わるがお前は」
「え、うん。僕ももう終わるよ」
流星は複雑な顔をしていたが、思い直し、気にせずに最後の準備に取りかかった。
準備が終わり、二人で引きこもり研究中の容静を無理矢理引きずり出し、テントをしまった後、三人でワイバーンの所に向かった。フェルとエルは、意外にも十六夜達男子より早く終わり、先にワイバーンへ向かっていた。
「五人共揃ったようだな。早速ツヴァイに向かうぞ」
ワイバーンにメイと五人は乗り、問題なくツヴァイに向かって飛んでいった。
因みにこのワイバーンはメイ曰く、おとなしいが強いワイバーンの変異種と言っていた。何でも、物静かな飛竜と、手元にあった強いワイバーンの子が、この子らしい。名前はドラ(雄)だとか、五人は揃ってメイのネーミングセンスに絶句していた。十六夜もコイツ(ドラ)は無いだろと思ったが、決まってしまっている以上五人共になにも言えなかった。十六夜は何か言おうとしていたが、メイがあまりにも自信満々だった事もあり、まぁいいかと納得してしまった。
「中々の乗り心地だな」
ドラの乗り心地は十六夜だけでなく、流星達四人も感じていた。見た目は硬そうな鱗に包まれていたが、いざ乗ってみると鱗は硬さと柔らかさが一体になっていて、丁度いいソファのような感じだった。
「当然だ。ドラは私達冒険者がテイマーしている魔物の中でも最高クラスの一角なんだぞ?」挑発するような声音だったが、十六夜は素直に感心した。これ程の魔物を冒険者達が保有しているとは夢にも思わなかったからだ。しかも一角と言う、他にもコイツ(ドラ)クラスが冒険者にいるのが分かり、(問題を起こす気満々の)好奇心が心底湧いてくる十六夜だった。
因みに、四人はそれぞれ違う事をしたり考えていた。流星はメイの話しを興味深く聞き、容静は、ドラから妖〇の〇尾などの漫画を思い出し、新たな変幻の事を考えていた。フェルはエルと、ドラの事などを筆頭に会話を楽しんでいた。
ドラに乗ること数時間、ツヴァイについた。なぜこんなに早く着いたのか、それは十六夜、流星、容静、男子三人が思いつきで考えていた事を実行したからだ。男子三人はドラに乗っている時、一つの考えが浮かんだ。容静の能力で早く着けないかだ、容静の能力は範囲という、これだけでは意味がない能力だが、違う能力と組み合わせると段違いの性能を誇る。
範囲・全ての事象、或いは自分が認識した事に関して(能力)の効果範囲を広げる事が出来る。
十六夜が流星と容静を一緒に行動させた理由の一つでもある。
範囲は何回でも使えるが、範囲を広げても、効果は下がらす同時に上がらない。(範囲は指定可能)
使えないように思えるが、流星の選別と使うととんでもない価値を誇る。
これでドラの羽ばたきによる風の有効範囲を広げ、当初の半分の時間でツヴァイに着いたのだ。(早くならなかったり、乗っている自分達にも)細かいトラブルはあったが、全て十六夜が何とかした。
「お前達、予定よりも早く着いたがもう暗い、今夜は休んで明日、色々話したいと思う。私は冒険者本部にいくが、お前達は私と違い、ツヴァイにある別の場所にコネを使い予約を取ってある。地図は渡しておくから、勝手に向かっていい、ドラと言えば向こう側に伝わるからな」
「オーケー了解した」
メイはいい終わると、途端にドラと一緒に冒険者本部に飛んでいった。因みに、これまでサリネはドラと一緒に戯れていた。ドラとサリネは互いに気が合ったらしい。それ以外は十六夜の頭か肩に居るが(或いは空白世界)。
「俺達はちょっと用事があるから、先に泊まる場所にフェルシアとエルで向かってくれ」
「はい」 「私もいいです」
二人共了承すると、お喋りしながらも地図通り歩いていった。
ツヴァイの景観は壮観だった。空から見ただけでも賑わって入るのが目に見えた。
ツヴァイは国を統治する城が中心よりも後ろにあり、中心部にはツヴァイのシンボルと言われる、二つの塔が立っている(この二つの塔は初代国王と冒険者に関連している、とメイ情報)。冒険者本部は二つのうち一つの塔だ。もう一つの塔はメイ曰く、様々な事が行われているらしい、商業から仕事、雇用、行事や試合などのイベントと階層事に分けて行っているとか。それ以外にもまだまだあるらしいが、全部は見た方がいいと言われた。十六夜はこの光景を見た瞬間に面白いと歓喜していた。流星達も驚きの声などを上げて様々な事を考えていた。
十六夜、流星、容静の三人は早速行動を起こした。
「良し、流星、容静頼んだ」
「うん」 「了解っす」
十六夜は流星と容静にあることを実行させる。それは夜会のメンバー探しだ。本来ならかなりの年月を必要とするメンバー探しだが、流星と容静、二人の能力を使えば事情は兎に角、十六夜達が求める人材を探し出せるのだ。
流星の選別は一日五回という制限がある、それに加え範囲はそれ程広くはない、精々小さい村一個程度だが、容静の範囲と組み合わせると、ツヴァイと冒険者がある範囲は全て効果範囲に出来る。そこで、十六夜はツヴァイに着いたら夜会のメンバー探しを最初と決めていた。
「十六夜、何人か反応が合ったけど、僕達が探している人材の条件に全て会うのは今のところ一人だけだよ」
「どうするっすか十六夜っち」
「ヤハハハ、決まってるだろ、会いに行くぞ、夜会メンバー、一人目に」
十六夜達は夜会のメンバーを集める為、反応が合った場所に向かう事にした。
反応が合った場所には、深い青と灰色の服を着て、短いが、鮮やかな赤い髪が印象的な一人の女性が居た。
「ハァ~」
十六夜達が夜会のメンバーに会いに向かっている頃、メイは深い溜め息混じりに冒険者本部の扉を開け、入っていった。秘書の小言を想像しながら。




