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銀を喰らう竜


銀の巨体が、踏み出す。


ドン。


地面が沈む。


速い。


見た目より速い。


「散開!」


俺が叫ぶ。


アクセルが正面へ。


ノアが左へ流れる。


巨体が突進。


岩壁が爆ぜる。


キィィィィン!!


アクセルの剣が鱗に叩きつけられる。


火花。


嫌な音。


弾かれる。


「硬いな」


アクセルが低く言う。


リザードの尾が振られる。


空気が裂ける。


《右、回避推奨》


「右!」


アクセルが跳ぶ。


尾が地面を叩く。


衝撃波。


足場が崩れる。


ノアが風で体勢を支える。


「魔法耐性も高い……!」


氷槍が直撃。


弾かれる。


銀の鱗が、鈍く光る。


リザードが吠える。


空間が震える。


俺は踏ん張る。


《鱗密度:極高》

《腹部下方、比較的薄》


「下が薄い!」


「了解だ」


アクセルが踏み込む。


連撃。


だが浅い。


刃が滑る。


リザードが牙を剥く。


突進。


速い。


「アクセル!」


ノアが風圧で軌道を逸らす。


巨体が壁を抉る。


岩が降る。


視界が揺れる。


俺は息を整える。


無属性。


色のない魔力。


圧縮。


一点。


放つ。


ドンッ!!


腹部へ直撃。


鱗が軋む。


わずかに。


本当に、わずかに。


「効いてる!」


アクセルが滑り込む。


刃を差し込む。


だが浅い。


リザードが暴れる。


尾がアクセルを弾き飛ばす。


壁に叩きつけられる。


「……っ!」


嫌な音。


動きが止まる。


その瞬間。


ここちゃんが、強く鳴いた。


きゅるっ。


白い光。


柔らかい。


だが濃い。


光がアクセルの体を包む。


傷が塞がる。


呼吸が戻る。


「……は?」


ノアが目を見開く。


一瞬。


本当に一瞬だけ、戦場を忘れた顔。


だがすぐに魔力を整え直す。


「……後で説明してもらう」


低い。


冷静だが、完全に動揺している。


アクセルが立ち上がる。


「助かった」


ここちゃんは、何事もなかったかのように俺の足元へ戻る。


ぴょんっと石の欠片を避ける。


リザードがこちらを向く。


瞳が細まる。


今度は、俺を見る。


《敵対認識、増大》


「俺かよ」


突進。


速い。


逃げきれない。


咄嗟に両手を前へ。


無属性。


今度は放出じゃない。


押し出す。


面で。


透明な圧が広がる。


ドンッ!!


衝撃。


腕が軋む。


足が沈む。


押される。


ミスリルリザードが止まる。


ほんの一瞬、止まる。


「今だ!」


アクセルが滑り込む。


腹部へ。


刃が深く入る。


傷口からノアの雷が内部で弾ける。


リザードが絶叫する。


坑道が揺れる。


銀の巨体が後退する。


血が滴る。


だが、倒れない。


瞳がまだ光っている。


重い呼吸。


空間が震える。


俺は息を吐く。


手が痺れている。


指先の感覚が、半分消えている。


《出力上昇中》

《制御維持可能》


「……やれるな」


銀の怪物が、再び構える。


今度は明確に。


怒りを宿して。


アクセルが口元を上げる。


「ようやく本気か」


ノアの魔力が膨れ上がる。


俺は深く息を吸う。


無色の魔力を、さらに圧縮する。


第二波が、来る。



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