神から与えられたもの
アクセルが腕を組む。
「待て」
「まだ頭が追いついてない」
「俺もだ」
レインは苦笑した。
「だから順番に話す」
皆も頷く。
正直。
レイン自身も整理しながら話していた。
「神と会った時」
「この世界で生きるために、いくつか力を与えられた」
テラが静かに聞いている。
「まず一つ目」
「無限収納」
沈黙。
数秒。
「収納魔法か?」
アクセルが聞く。
「ああ」
レインは頷く。
「前に話した魔法袋みたいに使ってるやつだ」
ノアが目を細める。
「容量は」
「知らん」
レインは即答した。
「気にしたことがない」
「無限収納だからな」
再び沈黙。
「……なるほど」
テラが小さく呟く。
「なるほどじゃないだろ」
アクセルが突っ込んだ。
「そうか?」
「そうだ」
即答だった。
少しだけ空気が緩む。
「二つ目」
「鑑定」
今度は全員が頷いた。
「鑑定を持ってるやつは結構いる」
アクセルも知っている。
レインは肩を竦めた。
「最初は本当に助かった」
「今でも使ってる」
「ただ」
少し笑う。
「レベルが上がっても茸類、食用可とかだぞ」
テラが吹き出した。
「そんなものか」
「そんなもんなんだよ」
レインも苦笑する。
「三つ目」
「無属性魔力」
今度はノアが反応した。
「それも神から与えられたものか」
「ああ」
レインは頷く。
「最初は本当に何も出来なかった」
「乾燥」
「魔力圧」
「その程度だ」
「固定を得たのも精霊大陸へ行ってからだ」
ノアは静かに頷いた。
それは皆も知っている。
実際に見てきた。
「だから」
レインは肩を竦める。
「俺も全部分かってるわけじゃない」
「むしろ分からないことの方が多い」
神のことも。
無属性魔力のことも。
そして。
「最後だ」
レインは少し頭を掻いた。
「なんていえばいいか…頭の中で話ができる奴がいる」
全員が首を傾げる。
「話ができる?」
テラが聞き返した。
「ああ」
レインは頷く。
「まぁ、色々サポートしてくれる能力だと思ってくれていい」
「鑑定とかもその一つだ」
アクセルが腕を組む。
「便利そうだな」
「そうでもない」
レインは即答した。
「ポンコツだ」
「役に立たない方が多い」
「分からんこと聞いたら分からんって返ってくる」
ノアが小さく頷く。
「なるほど」
「だから時々一人で変なことを言うのか」
レインが眉をひそめる。
「変なこと?」
「変なやつだと思っていた」
即答だった。
レインは額を押さえる。
「傷つくなそれ」
テラが吹き出す。
アクセルも肩を震わせていた。
ノアは不思議そうな顔をする。
「違うのか?」
「そこは否定してくれ」
「理解した」
何を理解したのかは聞かないことにした。
レインは小さく息を吐く。
少しだけ空気が和らいだ。
そして。
腕の中のここちゃんを見る。
胸ポケットから顔を出しているむぎを見る。
「そして最後」
その声で空気が変わる。
「ここちゃんとむぎのことだ」




