表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
163/170

遺跡からの帰路


 ノアは魔法陣を書き写した。


 正面の壁画も。


 文字も。


 出来る限り記録していく。


 テラも壁を調べていた。


 隠し通路。


 仕掛け。


 追加の文字。


 一通り確認する。


 だが。


 それ以上の発見はなかった。


 アクセルも首を振る。


「魔物の気配もない」


 静かすぎる遺跡だった。



「一旦戻るか」


 俺が言う。


 反対する者はいなかった。


 分からないものは分からない。


 資料は揃った。


 なら考えるのは後だ。



 上の階へ戻る。


 出口へ向かう。


 そして。


 最後尾の俺が出口へ足を掛けた瞬間だった。


 ゴゴゴゴゴ――


 低い音が響く。


 全員が振り返る。



 壁が動いていた。


 ゆっくりと。


 横へ。


 そして。


 地下へ続く階段を完全に塞ぐ。



「閉じたな」


 アクセルが言う。


「閉じたな」


 俺も言う。


 それ以上でも以下でもなかった。



「人が出ると閉じる仕組みか」


 テラが呟く。


「そんな感じだろうな」


 わざわざ開ける仕掛けがあった。


 閉じる仕掛けがあっても不思議ではない。


 今はそう考えるしかなかった。



「戻るか」


 誰も異論はない。


 白兎の庭は遺跡を後にした。



 帰路は静かだった。


 魔物は出た。


 だが強くない。


 問題にもならない。


 ただ。


 一人だけ違った。



 ノアだった。


 考え込んでいる。


 歩きながら。


 休憩中も。


 焚き火の前でも。


 ずっとだ。



「まだ考えてるのか」


 俺が聞く。


「ああ」


 ノアは頷く。


「分からない」


 それだけだった。


 だが。


 ノアがそこまで悩むのは珍しかった。



 翌日。


 夕刻。


 遠くに王都の門が見えた。


 ようやく戻ってきたらしい。


 ノアはまだ考えていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ