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蒼銀の観察者の視点(閑話②:ノア視点)
中央大陸の森は、静かだった。
精霊大陸とは違う。
魔力の流れが素直で、濁りが少ない。
ノアは目を閉じ、転移の残滓を辿る。
本来、転移罠は迷宮内で完結する。
だが今回は、大陸を跨いだ。
術式規模が一致しない。
異常だ。
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小型個体――あのハムスターが、最初に反応したそうだ。
魔力濃度の上昇。
迷宮発生の兆候。
さらに、群体発生の予兆。
精霊の補助はない。
契約の痕跡もない。
それでも何かを感知している。
偶然では説明がつかない。
だが、個体そのものに強い魔力は感じない。
何を基準に感知したのか。
転移発動の歪みか。
迷宮コアの振動か。
判断材料は不足している。
結論は出さない。
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あの青年。
レイン。
魔力量は標準的。
術式の構造も特筆すべき点はない。
だが、その個体を伴っている。
無関係とは言い切れない。
観察対象としては十分だ。
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転移迷宮は崩壊した。
コアも破壊済み。
暴走は止まった。
だが。
大陸を跨ぐ座標跳躍。
この一点だけが説明できない。
中央大陸側に未知の要因があるのか。
それとも精霊大陸側の問題か。
ノアは目を開ける。
森は静かだ。
静かすぎる。
今は介入しない。
まずは観察。
それが最優先だ。
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