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結界への干渉


地下管理機構が唸りを上げた。


低い振動が床を伝わる。


中央の装置の水晶が白く光っている。

床の回路も同じ光を返していた。


研究員の一人が器具を見る。


針が大きく振れる。


「出力上昇」


ルカが装置を見る。


「遮断を」


別の研究員が床の回路に手を置いた。


魔力が流れる。


だが。


光は弱まらない。


「応答なし」


研究員が顔を上げる。


「制御系が効きません」


アクセルが眉をひそめる。


「止められないのか」


ルカは装置の接続具を見る。


導管。


水晶。


刻印。


どれも外れていない。


「接続解除を」


研究員が接続具に手を掛ける。


引く。


動かない。


「固定されています」


ルカが低く言う。


「外せない」


短い判断。



レインは床を見る。


回路の光が中央へ寄っている。


流れが一方向だ。


ノアも同じ場所を見ていた。


「……偏る」


アクセルが聞く。


「何が」


ノアは答えない。


ただ床を見る。



研究員が器具を見た。


針がさらに振れる。


振り切る寸前で戻る。


また跳ねる。


「流入増加」


ルカが振り向く。


「どこから」


研究員が水晶板を操作する。


光の図が浮かぶ。


都市の回路図。


中央の一点が強く光る。


そこへ線が集まる。


「……」


ルカは図を見る。


何も言わない。



その瞬間。


別の研究員が声を上げた。


「結界出力低下」


ルカが振り向く。


「どこの」


研究員が図を指差す。


都市の北。


城壁の位置。


「北外壁」


レインはその図を見る。


アクセルが低く言う。


「防護結界か」


研究員が答える。


「都市結界です」


針がまた落ちる。


今度は戻らない。


「出力さらに低下」



床の振動が強くなる。


足元がはっきり揺れる。


回路の光がさらに濃くなる。


中央へ。


寄る。


集まる。


ノアはそれを見ている。


何も言わない。



研究員が叫ぶ。


「北外壁、維持限界」


警鐘が鳴り響いた。


金属音が地下施設に反響する。


連続音。


止まらない。


「結界警報」


ルカが装置を見る。


水晶の光はさらに強い。


止まらない。


「……干渉している」


短く言う。


地下管理機構の唸りが、さらに大きくなった。


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