63話 賢所再び
翌日。
「どうもこんにちは。スコおじこと中村浩士です。約束通り今日はここ、潮嶽神社ダンジョンです」
正確にはその入口、かしのっこにある迷宮門前である。
:待ってた。
:スコおじ配信キターーーーーー!
:( ゜∀゜)o彡°スコおじ! ( ゜∀゜)o彡°スコおじ!
:スコおじ最強! スコおじ最強!
:てか多くね?
:そこのチャイナ服着た変態は良いとして、3人増えとるんだが。
:変態は良いんだ……
:マンドラちゃんいない!?
:マンドラちゃんいないなら観るのやめます。
:いやいや待て待て、一緒にいるのめっちゃ有名人だから!
:ロリ巨乳……だと……
「あー、前回龍さんが呪いを解くアテがあるという事で、そのアテに来てもらいました」
「来栖莉愛です。今日はよろしくね」
「やっふーーーー! 莉愛チャーン!」
:聖女だ!
:聖女様キターーーーーー!
:( ゜∀゜)o彡°ロリ巨乳! ( ゜∀゜)o彡°ロリ巨乳!
:まさかスコおじのチャンネルで聖女様を拝める事が出来るとは……
:見ろ、あの変態の満面の笑みを。気持ち悪いw
:乳神様ぁ!
:埋まりたい、その谷間に。
:はさまれたい、その双丘に。
:何を?
:ナニを。
シモなコメント5割り増し。セクハラで訴えられても知らんぞー。
あと龍さんのテンションが高い。使い物になるのかな、コレ……
「中村さん、気にしなくて良いよ。いつもの事だから」
「いつもの事なんですか?」
「うん、いつもの事。そう見られても仕方ないかなー、て諦めてる。けど観てくれてる人が嬉しいなら、ちょっとくらいサービスしても良いかな。えい」
と、来栖さんが自慢の胸を両手で寄せる。一昔前に流行ったあのポーズである。
:うっ……
:あっ……
:_(:3 」∠)_
:お父さん、お母さん、今日ワイは天国へ召されます……
:パ○ラッシュ、今日はなんだかとっても眠いんだ……(血の海)
:大丈夫! 傷は深いぞ、ただの致命傷だ!
:男って……
:ちょっと男子ぃ〜
:¥50000
眼福ですありがとうございます。
:¥50000
今までスコおじの配信を観てて今日ほど嬉しい事はない。
:¥50000
本日のお布施払う所ははここですか?
:¥50000
私もこれくらいあればスコおじ様を誘惑出来ますのに……
:¥50000
性女様、ばんざーい!
:性女じゃなくて聖女だろ
:けど強ち間違ってはいない。
:通り名『色欲』だしなぁ。
「り、莉愛、チャン……ワタシ、もう駄目ネ……」
龍さんが鼻血出して倒れている。刺激が強すぎたらしい。
「全くこの変態女は……来栖さんも煽るな」
「てへ♪」
「まあまあ勇人。莉愛も好きでやってる事だから。だからって莉愛もちょっとやりすぎだぞ」
「あはは、ごめんごめん」
そんな来栖さんの装備だが、本人曰く護身用のメイス、それと白の修道服だ。ただ、その修道服、普通ではなく、まず袖が無い。それだけならまだ良いが、大きくスリットが入っており、更にはシースルーのレース。肝心な所は見えない様になっているが胸の谷間や腰回りなんかほぼ見えている。あとスリットから白い紐らしきものが見えているのだが……まさか、ね。因みに頭部はウィンプルとヴェールではなくナースキャップみたいな帽子を被っている。何というかコスプレ感が強い。
:おい、聖女様の存在感が強すぎてすっかり忘れてたが、残りの2人もとんでもない有名人だぞ!
:勇者じゃないか!?
:勇者様!? このチャンネルで見られるなんて!
:それに七津見志郎。『D.B』のリーダーまでいるのか……
:うわ、日本最強パーティのうちの3人がいるのか。
:豪華すぎるやろ!!
:スコおじ影薄くて草
:けど七津見ってそんなに有名人か?
:勇者と聖女に比べれば影薄いよな。
:探索者界隈で『万能』七津見志郎を知らんのはモグリやで。この人マジでなんでも出来るからな。
:勇者と聖女のネームバリューが凄いだけで七津見も大概オカシイからな(褒め言葉)
影薄くて悪かったな。と言っても今回は仕方がない。
日本最強パーティ『D.B』が参戦してるのだ。しかも格好も目立つ。
神野君の装備は勇者宜しく白の全身鎧に片手剣と盾。片手剣は洋風ではなく和風の、所謂十束剣だ。盾は俗に言うカイトシールド。なんか剣だけが凄い違和感ある。
一方で七津見さんの装備はまだ普通に見える。白銀の胸当てに背中には大剣、腰にも剣を差している。尤も、腰の剣は普通の直剣ではなく蛇腹剣だ。よくもまあそんな使い勝手の悪い剣を持っているものだ。
それにひきかえ自分は青いツナギにスコップ。そりゃ地味だ。
尚、鼻血を出して死んでいる龍さんのチャイナ服は特殊な絹糸で編まれているそうだ。
「これ以上僕達が目立つのは不味いね。中村さん、後は宜しくお願いします」
「急に振られても困るんだが!?」
:草
:草
:そりゃそうだw
「コホン。それでは中に入りましょう。ほら龍さんも。いつまでも死んでないで行きますよ」
***
相変わらず迷宮内の魔素が濃ゆい。
ついさっきまで役立たずかと思っていた龍さんも一瞬で復帰である。
「これはなかなか……うん、ほのかを連れて来なくて良かった」
七津見さんが深刻な顔でそう言った
今回マンドラちゃんは成海さんと一緒に留守番だ。先日はかなり無理してたしな。
「そだね。けど魔素だけじゃないよ。いやーな空気だよ。恐らく中村さんが言ってた釣り針にかけられた呪いの余波が及んでるんじゃないかな」
「釣り針にかけられた呪いって伝承じゃどんな呪いなのだ? 話自体は知ってるが、俺はあまり詳しくないからな……」
「一言で言えば持ち主を不幸にする呪いですね。釣り針を返してもらった後、海幸彦……火照命の治める領地は、土地がやせ細り、まともに作物が育たなくなった、と」
この呪い、人死にが出ないだけマシとか思ってる人もいるかもしれないが、そこに住む人々は飢えに苦しんでいたのだから恐らく普通に死人が出たと思うぞ。
しかしやはりと言うか魔物が襲ってこない。呪いの影響だ。
それにしても。
「皆さん一緒に入れましたね。龍さんは兎も角他の方はひょっとしたら入れないのではと思ったのですが」
「多分パーティを組んだ状態だからじゃないかな? この辺迷宮もアバウトだね」
と、七津見さんが苦笑する。
「それで来栖さんは兎も角七津見さんと神野君まで来た理由は?」
「それは単純。莉愛の護衛だよ。恐らく……戦闘になる」
戦闘? この無気力魔物とだろうか。それとも別の……?
そうこうしてるうちに目的地に着いた。待っていたのは見窄らしい格好をした半神半人、火遠理命の兄、海幸彦こと火照命。
「おう、待ってたぜ。この釣り針にかけられた呪い、解けれるもんなら解いてくれ」
キャラクター紹介
神野勇人
長身で、伸ばした髪を後ろで束ねている。目つきが鋭く身長も相まって威圧感を与える。
年齢は七津見の1つ下。夏リスチャンネルの佐々木夏実とは同級生。一人称は俺。
迷宮適性SS、スキルは『逆境』で相手が強ければ強い程、自分が不利な状況程能力が上昇するが、無理だと諦めたりすると効果が切れてしまう。
正義感が強いが、独善な節がある。迷宮は確かに恩恵を齎すがそれ以上に危険なものだと思っており、迷宮を破壊する事を是としている。その性格から七津見からスカウトされた。スキルと戦いっぷりから『勇者』の通り名を持つ。
声のイメージは中村悠一。
声についてはツッコミ待ちw
「オンドゥルリ(評価ptを)イレチャッタンディスカー!」(最早説明不要)




