31話 中層?
ちょっと間が空きすぎました……
1人になりいざ中層へ! と、その前に。
「すみません。腹拵えをするので一旦切りますね」
“ほいほーい”
“考えてみりゃワイも飯食っとらん”
“ダンジョンアタックが10時、今は14時。その間何も食べてないや”
“トイレも行ってなかった”
“さっさと行け。俺も行く”
“ア○ロ、イきまーす!”
“どこにだよw“
そんな訳で配信は一時ストップ。この手の配信系でよくある停止忘れの事故は起きないよう、ちゃんと配信停止を確認している。放送事故とかそうそう起きてたまるか。
ただし協会関係者は別で、色々とやりとりがある為、直接電話回線で話し中。遅い食事を摂りながら陳さんと依頼の件で話し合う。
『まず成功報酬だけど更に300万を上乗せ』
「また偉く上げましたね」
『それだけ重要って事だよ』
まあこんな迷宮放置してたら死人が出てもおかしくない。基本この迷宮は適性C以下の探索者が潜る、言わば初心者から中級者向けの迷宮だ。けど今は中級者どころか上級者……適性A位ないと厳しくなっている。
協会から依頼を受けたチームTMNだが、念の為ワンランク上の適性をという事で選ばれたのだが、まさかここまで厄介な事になってるとは、ちと想定外だった、とは陳さんの弁。
尚、チームTMNへの報酬は異常の原因が判明した時点で成功との事で、確りと成功報酬が支払われるとの事だ。
『中村さん、序でにダンジョンコアの回収もお願いしていいかしら? 狂ったダンジョンコアは貴重なのよ。研究の為に持って帰ってくれると助かるわ』
これは裸族……じゃなかった、泡手さんからの要請だ。迷宮を破壊するにはコアを破壊するか回収すれば良い。因みに回収されたコアは研究に用いられたり、魔素発電施設に送られたりする。今回は研究用だ。と言うか発電施設用に使うのは危険との事。何が起きるか解らないからね。
それとチームTMNは入口に残ってるとの事。やはり無許可で入ろうとする者がいないとも限らないので見張っておくそうだ。
とまあそんなこんなで、腹拵えも用足しも済んで配信の再開だ。
***
「お待たせしました。配信を再開します」
“ういーっす”
“待ってた”
“飯ちゃんと食った”
“トイレも行った”
“全裸で待機してた”
“風邪ひくからヤメレ”
“みんな! 丸太……じゃなくて食いもんと飲みもんは持ったか?”
“彼○島w”
同接は減ってない模様。若干増えたかな?
「さて、これから中層攻略する訳ですが」
“色々おかしいんだよな”
“しかも原因は不法投棄”
“てかなんで迷宮の破壊の依頼が飛んできたん?”
“おかしくなったからって別に今まで通りでいいんじゃね?”
疑問に思うのも当然だろう。確かに依頼は受ける形だけど破壊する理由が解らない。
強欲:“理由は幾つかあるわ。まず普通に危険という事。迷宮が狂ったまま固定されちゃうの。特にダストゴーレムは固定ボスね”
“うへえ……”
“割り合わねえ”
強欲:“それだけならまだ問題ないのだけどね。狂った迷宮は迷宮門崩壊を起こしやすいの。今回は早い段階で発覚したからいいものの、もし発覚が遅かったら迷宮門崩壊してその辺一帯が封鎖されてたでしょうね”
“ひえっ……”
“笑えねえ……”
そりゃ依頼を出す訳だ。因みにだが、隣の大国が壊滅した理由の一つが迷宮に廃棄物を投棄したからだ。しかも核廃棄物を投棄したものだからダストゴーレムも相応に危険なゴーレムになってしまった。放射線ばら撒くボスとか普通にヤバい。当然並の探索者どころか高適性探索者も手が出せず、迷宮門崩壊が起きた。しかも出てきた魔物が放射線に汚染された変異種どころか奇形の魔物で異様に強かったそうだ。しかも都市部の迷宮に捨ててたものだから都市はあっと言う間に壊滅、しかも行政区もあった為、主だった政治家が軒並み殺され、国営が麻痺。国が成り立たなくなった。現在は元英国領が首都となっている。序でに共産系の政治家がほぼいなくなって、現在は民主主義に舵を切っている。
まあ完全にいなくなった訳じゃないのだけど。時々日本に中傷めいた発言をする某さんとかいるのだが……まあそれはさておき。
階段を降り、中層に辿り着く。
上層と比べると暗く感じる。あと線香くさい。
「なんか上層と比べて暗いですね。というか陰気臭い。線香の匂いもしますね」
“んん?”
“おかしくね?”
“中層って上層とそう変わらないよな”
“なんかさあ、ワイ他の探索者の配信で見た事あるんだが”
“奇遇だな、俺もだ”
“これってさあ……中層じゃなくて、下層じゃね?”
“はは、いやいやまさか……え? マジで?”
……はい?
“中村さん、マップと照らし合わせてみる。少し歩いてくれ”
これは佐倉さんか?
確かにここに留まっていても仕方がない。念の為に買っておいたヘッドライトをヘルメットに取り付け、中層? を探索する。暫くすると。
“あー、やっぱりだ。中村さん、マップ役に立たんぞ。変遷してる”
“ふぁっ!?”
“どゆこと?”
“通路が変わってる。あと罠の配置も変わってるか?”
“マジかー……”
つまりマッピングされてない迷宮を歩かないといけないという事か。これは思ったよりも精神に来そうだ。
慎重に歩く。気のせいか罠がないような気がする。実際にどうなのか解らないが。けど少なくとも罠に引っかかったりしてない。
中層の罠の代表格は槍衾だ。通路の壁から槍が飛び出すアレだ。他にも映画でもお馴染み、大岩が転がってきたりする。落とし穴も健在だ。しかも今度は底に竹槍とか針山とかあったりして殺意マシマシだ。因みにこういう罠は中層までで下層になると罠がほぼなくなる。何故かテレポーターはあるが……
“おっさん、さっき線香の匂いがするって言わなかったか?”
“言ったな”
“それがどしたん?”
“日本固有の迷宮の特徴としてな、下層には線香の匂いがする迷宮があるらしい”
“それってつまり”
通路の先、ヘッドライトに照らされた魔物の姿が確認出来る。土気色の肌をした、青銅の鎧を着た弥生時代か古墳時代の兵士みたいな姿をしている。手には槍。
“黄泉軍……”
“つまりここは……”
“中層じゃなくて下層なんだよっ!”
“な、なんだってー!?”
どうやら中層が消えて下層になったらしい。
尚、隣の大国は放射能ばら撒くダストゴーレムが地上に湧いてる為、旧首都は人が住めなくなってます。他の都市部も似たり寄ったり。露も同じ事やらかしてます。そして隣国の某さんはこれを日本のせいにしてます。
次回は戦闘。
「評価ptなんぞ入れてんじゃねえ!」(若○ボイス……TOD2のトラウマボス)




