30話 ボスの撃破と依頼の変更
ここまで書いててなんだけど、中村の敵味方関係なくマトモな女性がいないのはどーゆー事だ?
屑嫁、托卵娘、三馬鹿のうちの2人、裸族、元対◯忍コス……
村崎さんの鎧と盾が粉々に砕ける。なんかこれと同じシーンマンガで見た事あるぞ。
それよりも村崎さんだ。ゴミの飛礫は鎧と盾を砕くだけでなく、村崎さんの身体も深く傷つけた。
「回復します!」
不知火さんがすかさず村崎さんに『ヒール』をかける。
「くっそ。アレは反則だろうがよ……」
暮内さんが舌打ち。
「村崎さん、さっきの『プロテクション』は……」
「クールタイムがいる。あと3分は使えん。こんな事なら真っ先に使うんじゃなかったぜ」
「いや、仮に最初に使わなかったら俺らにもダメージ入ってた。あのゴミ、ホーミングかかってたのか後ろの俺らにも飛んで来てたしな」
悔やむ村崎さんを佐倉さんが慰める。確かにゴミ一つ一つが意思を持って動いていたような感じだ。
しかしこれで村崎さんがタンクの役割を果たせなくなってしまった。武器は無事だから攻撃に加わる事は出来るが……
「すまん」
「いや仕方ないよ。防具なけりゃ死ぬよ」
いくらタンクと言えど、死ぬ迄カバーしろなんて言えない。残念ながら村崎さんはここでリタイアだ。
さてそうなると自分か浅木さんのどちらかがダストゴーレムの目を引かなくてはいけない。となるとやはりここは。
「自分にヘイト向けさせましょう」
「いや、私がやろう。恐らく、いや確実に中村さんの方が攻撃力は高い。それに、絶対に後衛に目を向けさせてはいけない。うちのアタックホルダーが控えているんでね」
由綺風さんの事だ。確かゴーレムは物理攻撃には強いけど魔法攻撃にはそれほどでもない。ならば。
「なら互いにヘイト向けさせましょう。その方が安全ですし」
「……そうだな。頼む、中村さん」
さてさて急ではあるが自分と浅木さんがタンクをする事になった。しかしあの冷蔵庫は厄介だな。壊しておくか。
浅木さんも同じ考えだったらしく、浅木さんはコンロに刃を入れる。
自分は冷蔵庫を壊すべく、扉に思い切りスコップを叩きつけ、強引に扉を壊し、室内を突きまくる。流石に自分達を煩わしく思ったのか、ダストゴーレムは小蝿を払うかのように巨大な腕で払おうとする。しかしそれ程俊敏な動きではなく、大振りな為、避けるのは容易く、再度攻撃する。
しかし爆散攻撃してこないな。アレにもクールタイムとかあるのだろうか?
「2人とも、離れて!」
由綺風さんが合図すると同時に。
「俺が出せる最大級の魔法だ! 『サンダーフォール』!」
幾重もの雷がダストゴーレムに轟音と共に落ちる。これなら流石に……
“フラグは言わんぞ”
“言ったら負け”
“やったか?”
“バカヤロー!”
“言うんじゃねー!”
崩れ、組み上がる。
“お前がフラグなんか立てるから!”
“俺が悪いんか!?”
“誰も言おうとしなかったのに、なんで言っちゃうかな”
“ぎるてぃ”
“ギルティ”
“有罪”
“なんでー!?”
コメントの方はさておき。
「ダメージはあると思うんだが……」
「あ、配線が」
「地面にブッ刺さったテレビのアンテナに絡んでる。アースの代わりかよ……」
電撃を地中に逃した形か。それでもノーダメージという訳でもないようで、至る所から煙が噴き出ている。
「由綺風、もう一発だ!」
「了解! ……てまたアレかよ!」
由綺風さんが先程の魔法を繰り出そうとしたところでダストゴーレムが爆散。数多のゴミが破片となって降り注ぐ。
「『プロテクション』!」
暮内さんの半球型のドーム状の半透明の壁が村崎さん達を覆い、破片から守る。離れていた自分達はモロに受ける形だ。スコップで受け、叩き落とし、避け、それでも幾つかの破片は当たる。
そんな中、自分達と離れた所に佐倉さんがいた。隠密状態だからなのか、ダストゴーレムの爆散攻撃から外れている。まあ自分には見えているのだが。
佐倉さんがクロスボウを構える。吹き荒れる破片に目もくれず、とある一点に照準を合わせ、撃った。
放たれた矢は何かに当たったのか、カンと音を立てる。同時に破片の動きが止まる。
「中村さん、アレだ! アレがコアだ!」
見ると青い八面体のコアが浮かんでいた。佐倉さんは目ざとくコアを探り、見つけたのだ。生憎と市販のクロスボウでは傷付けるのがやっとだが、少しの間動きが止まった。それで充分。
一気にコアまで駆け、スコップで思い切りぶん殴り。
コアは見事に砕け散った。
***
「で、ダストゴーレムのドロップ品は魔石のみ、と。泣けるぜ」
佐倉さんが落ちていた拳ほどの大きさの魔石を拾う、結構、いやかなり大きいな。今までの魔石が大きくてウズラの卵だからかなりのサイズだ。
しかしそれ以外落ちている物はない。散乱していたゴミも消えてしまった。宝箱はあるが。
“魔石のみ……”
“全然旨みがねえ”
“アレだけヤバいのに魔石1個とか……”
“ホント泣けるぜ(森○ボイス)”
“てかこれ赤字じゃね? 鎧の人、装備壊れたし”
そうなんだよなぁ。村崎さん、鎧と盾が破壊されてしまった。一応予備の鎧と盾があるらしいのだが。
「性能が落ちる」
との事だ。
上層なら兎も角、中層となると……しかもこの迷宮は色々とヤバい。
「せめて宝箱から良い防具が出れば良いんだが」
パーティの代表として浅木さんが開けると……
「ああクソ! 外れもいいとこだ! ポーションとか巫山戯んな!」
“うわぁ……”
“割り合わねえ……”
“迷宮の悪意を感じる”
“ドンマイ”
“需要があるだけまだマシじゃんね?”
“ゲームで苦労して倒したボスが落としたアイテムが下級の回復薬だったらどう思う?”
“……泣きてえ”
“それは凹む”
コメントの例えが解りやすくて泣ける。
しかしどうしたものか。自分にはまだ余力はあるが、チームTMNの面々はそうもいかない。調査だけならこれで充分果たせたし、ここで切り上げるのも手だろう。
だが、そうはならなかった。
協会:“中村さん、依頼の内容を変更したい。今回の調査から迷宮に問題ありと判断。迷宮を破壊してほしい。なる早で”
“ファッ!?”
“迷宮破壊依頼!?”
“自発的にしてるのもおるけど依頼で来るとは”
“てか迷宮の破壊は協会が推奨しとるやん”
“政府がうるさいんだよ。迷宮=金のなる木だから”
“あー……”
“けどゲートブレイクしたら被害がとんでもないからな”
“政府はその事なんも考えてねーし。俺ら一般人がどーなろうと知ったこっちゃないんだろ”
“あと一部の企業もな”
まあ一部与党と野党が破壊を反対してるんだけどね。ただその声が大きい。現政権はなるべく破壊の方向で話が進んでるようだが、財政ガー、とか言ってる一部党員が反対してる。気持ちは解らなくもないが……
これは関係ない事だが、某フェミ党は探索者そのものを底辺職とか犯罪者予備軍とか見下している。流石に問題になってその党の支持率は急速に下落したが。
それはさておき。
「あの依頼の変更が来て、なる早で迷宮を破壊するよう言われたんですが」
「それは……今の我々では無理だな」
「恐らく中層をまともに探索する事は出来ないだろうね」
「そうですね。私達の力不足ですね」
「悪い。俺たちはここまでだ」
彼らの実力と損耗率を見ての判断だろう。こればかりは仕方ない。どこかの三馬鹿はそれでも潜ろうとしたかもしれないが……いや流石にそれはないか?
「協力して得た素材や魔石はしっかりと分けるから安心してくれ。寧ろそっちの取り分を多めにしたいくらいだ」
「いやいや、ちゃんと等分してくださって結構ですよ」
新しい鎧とか防具とかの代金が結構かかるだろうし。
「その代わりと言っちゃなんだが、こっちが用意しといたポーションとか幾つか回すよ。あとここで出たポーションもな」
「それは……ありがとうございます」
回復薬とかあまりないから本当にありがたい。ポーションは傷を治すだけでなく疲労も回復させる効果あるそうだし。
他にも解毒剤やら聖水やらを渡された。聖水はアンデッド系の魔物に有効なアイテムだ。武器にかけると一時的にアンデッド、特に霊体系への特効武器になる。まあ使わない可能性もあるが。
「それじゃ中村さんご武運を」
ここからはまた1人だ。
ここからまたソロ。
因みに依頼の変更で成功報酬額は更に上がってます。どれくらいかと言うと中村が会社にいた頃の年収とほぼ同じくらい(前金別で)
「お前はもう(評価ptを)入れている」(神○ボイス)
「ブクマ! ★ーーーっ!」(千○ボイス)




