表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
妻子に裏切られ、会社をクビになったアラフォーおっさん、スコップ一本でダンジョン無双 〜配信したら何故かバズったのだが〜  作者: 紅瀬良


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

29/29

29話 碌でもない上層ボス

誰も前話の中村の「ジャッ!」に突っ込まない件。

 ボス部屋は表層と変わらない。やはり円形闘技場みたいな感じだ。観客席はないけど。

 部屋の中心に何かの山がある。それは。


「ああそういう事かよクソッタレ」


 暮内さんが悪態を吐く。他の面々も苦虫を噛み潰したような顔をしている。

 その山、よく見れば自分達が見知った物ばかりだ。

 テレビ、冷蔵庫、電子レンジ、ガスコンロ、ソファ、テーブル、椅子、パソコン、etc……

 つまりはゴミの山。


“なんでゴミの山?”

“迷宮に不法投棄したバカがいたって事?”

“あれ? それって普通に犯罪じゃ……”

“そ。普通の不法投棄と一緒。5年以下の懲役または1000万以下の罰金、もしくはその両方。法人だと3億以下の罰金”

“でもなんで迷宮内でも適応されんの? 別に問題なくね?”

“問題ありまくりだバカモノ……ああああああ! そういう事か!!”

“何が何が?”


 自分もよく解らないのだが。一応迷宮にゴミ捨てるなってのは知ってる。現に前のバグベア戦で壊れたスコップもちゃんと回収して持ち帰っている。けど理由は解らない。なんで違反……というか犯罪になるのか。


「迷宮内に投棄されたゴミは迷宮に吸収されます。少量なら然程問題ではないのですが……」

「大量に遺棄すると迷宮が狂う。勿論その可能性も考えていたが……」

「因みになんで狂うのか。それは捨てられたゴミは不純な魔素となって大量に迷宮内に循環されるとかなんとか。迷宮がおかしくなるのはそのせいだって」


“それマ!?”

強欲:“マジよ。かつて大量のゴミを捨てる場所に困った行政は迷宮が出現して暫くした頃、『土地が足りないなら迷宮に捨てればいいじゃないか』と、迷宮内への投棄は合法であると認めたの。業者もそれに従い迷宮内にゴミを投棄したのだけど……その迷宮が異常をきたしてね。変異種だらけの迷宮になったわ。しかも出現する魔物も層に関係なく滅茶苦茶。酷い時は表層なのに深層の魔物が出現したわ”

“成程……ん? 強欲さんがいる!?”

“え? 当人!?”

強欲:“いるけど何か? あと当人よ”

“おっさん! すげー有名人が観に来てる! おっさんと同じ適性SSの探索者!”


 へー、凄い人が観てるんだ。とか思っていたら。


強欲∶“先日はどうも。因みに今は白衣着てないわ”


 ……裸族の人だった。


“知り合い?”

“いや同じ適性SSだし、充分にありえるか”

“てか白衣着てないってどーゆー意味?”

“オフって事じゃね?”


 違うんだ。この人今全裸なんだ……

 とは言えず。


「しかしボス部屋にゴミの山って事は……」

「アレがボスだ」


 ゴミが人の形になっていく。まるでゴミでできたゴーレム。


「ここでコイツと戦うのか……」

「ダストゴーレム。キッツいなぁ」


 そうだろうか。なんか不格好で脆そうに見えるんだが。


“ワイこんなゴーレム初めて見た”

“こんなんおったんか……”

“けどそんなに厄介なんか?”

“所詮不法投棄されたゴミだろ。余裕じゃね?”


 コメントも概ね自分と同じ感想だ。


「中村さん、コイツが見た目以上に厄介なの、戦ってみれば解るさ」


 真剣な表情をし、ダストゴーレムから目を離さない浅木さんがそう言う。


「うっし。全員の装備品に付与オッケーだ。中村さん、承諾無しで悪いが『シャープネス』と『ハードアーマー』かけといた。これで攻撃力増すしダメージもそれなりに防ぐ筈だ」

「いつの間に。いえ、ありがとうございます」

「いいってことよ」


 本当に助かる、けどここまでしなければいけない敵なのか?


「そんじゃいっちょやりますか。先制の合図は俺がやるぜ! 『ライトニング』!」


 ダストゴーレムに雷が落ちる。同時に自分と浅木さんが駆け、ダストゴーレムを斬りつけると、ダストゴーレムはあっさりと崩れる。


「やはり見た目通り脆いですね」

「いいや。こいつが厄介なのはその脆さだ。見てくれ」


 崩れたと思ったダストゴーレムだが、まるでダメージが無かったかのように組み上がる。


「こいつは確かに脆い。だがその脆さこそ、奴の最大の武器なんだ」


 ゴーレムはストーンゴーレムやアイアンゴーレムの様な硬いゴーレムだけではない。中にはサンドゴーレムやマッドマンといった別ベクトルでダメージを与えにくいゴーレムもいる。そしてこのダストゴーレムもそっち系の様だ。


「それにな、こいつの攻撃手段も厄介だ」


 ダストゴーレムが殴りかかって……いや違うな。右手を突き出し、その右手を左手で支えて……なんかアニメやゲームとかで見たことある攻撃体勢だぞ。


 ……まさか。


 そのまさかだった。

 右手が肘のあたりから分離して後衛……暮内さん達の方へ飛んでいった。


「ロケットパンチ!?」


“なんじゃそりゃあ!?”

“え? ゴーレムって腕飛ばせるの?”

“んな訳あるかぁ!”


 だがロケットパンチは直接当てる攻撃じゃなかった。後衛の少し手前で着弾。腕を模してたゴミがまるで散弾のように散らばり、彼らを襲う。


「俺の後ろに!」


 村崎さんが他の皆を庇うように前面に出て。


「『プロテクション』!」


 暮内さんが『プロテクション』で防護フィールドを展開する。

 ダメージはなさそうだが、かなりヒヤッとした。何しろゴミの中にはナイフとかフォークといった、危険な物も混ざっているのだ。

 まぁお菓子の袋なんてのも混ざってるが。


「後ろばっか気にする余裕はないぞ!」

「は? うわぁ!? 爆散したぁ!」


 本体? の方も爆散し、自分達を襲う。大小様々なゴミが押し寄せる。冷蔵庫とかソファとか質量のある物は避け、小さい物はガードする。


 ゴミの散弾が後衛に降り注ぎ、全て弾かれると意思を持ったかのようにゴミは元の位置に戻り、元の人型を形成する。


“自爆してもノーダメージかよ”

“どっちが?”

“どっちも”

“やばかった。もし俺だったら大怪我だったね”

“「俺じゃなかったら」じゃないのね……”


「アレがダストゴーレムの基本戦術だ」

「これ、普通の方法では倒せませんよね?」

「ああ。ゴーレムを倒す方法は大体3つに分けられる。1つは完膚無きまでに砕いて壊すこと」

「残り2つは?」

「ゴーレムのどこかにあるキーワードを削ること。残り1つはコアを見つけて壊すこと」


“キーワード……有名なアレだな”

“Emeth(命)とMeth(死)だな”

“Eを削ると崩れるんだっけ?”

“けどどこにあるんだよ……”

“ゴミ一つ一つ確かめるのか? 気が遠くなるぞ”

“コアを探し出すのも大変だよな”


 壊すのは厳しいだろう。キーワードを見つけ出すのも厳しい。ならコアを探し出すのが一番無難だ。それもなかなか大変ではあるのだが。


「それとな、中村さん。ダストゴーレムは攻撃方法はどんなゴミが使われてるかによって大きく変わるぞ」


 ダストゴーレムの左肩にある扇風機が回転し、強風を通り越して暴風を起こす。ダメージはないものの自分も浅木さんも後方へと飛ばされてしまった。

 そして今度は冷蔵庫が開き、冷たい空気……というか吹雪が押し寄せてくる。


「後ろに!」


 村崎さんがカバーに入る。大盾で防ぎ、自分達に冷気は来るものの直接的なダメージはない。

 吹雪が止み、今度はガスコンロから宛ら火炎放射器の様に炎が吹き荒れ、自分達を襲う。しかしこれも村崎さんが全て防いでくれた。

 そして再度冷蔵庫が開き、猛吹雪。耐えきれない訳じゃないが……寒いな。


 吹雪も収まり、再び自分と浅木さんが接敵、と同時にダストゴーレムがロケットパンチを繰り出す。今度は手前で着弾とかせず、村崎さんに直撃。大盾で防いで……


「ぬああっ!?」


 大楯が砕かれ、そのまま直撃し鎧も粉砕された。


ダストゴーレムの攻撃、どこかで見た事があると思ったあなた! 正解です。

戦闘はまだ続きます。






「僕と契約して魔法少女になって(評価ptを入れて)よ」(孵卵器)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
ドラまたのトラップ岩処理法だぁ… インキュベーターとの契約は断る(ズバキューン)
ダイモスやんけ! しかも烈風正拳突き改に至ってるんじゃ、そりゃ防御は砕かれるわな
医療廃棄物や放射性物質なら兎も角、家電粗大ゴミかよ。 安全性と運搬コストを考えたら、素直に廃棄費用を払った方が安いような・・
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ