帰路〜夜の準備〜
いかだで夜を過ごすために、囲炉裏と、防寒着 (獣の毛皮)を用意して、火をつけました。夜には、獣や物の怪の類が出るかもしれません。それなりの準備ができた様です。
いかだで夜を迎える準備が出来ました。「囲炉裏よーし!あ、夜は冷えないだろうか?なんか防寒具はないか?」「名前知らないんだけど、牙獣の毛皮剥いだやつあるから…それを使おうか?」ライラが言います。「流石僕の奥さん、素晴らしい!」ジースが相槌を入れます。「これで、夜の準備はいいかな?あー、獣とかに襲われたらどうしようか、というかどう戦おうか?今回はいかだの上での戦闘になるから、重い物は振り回せないな…」パズが言います。「だから、魔法の練習しときなって言ったでしょ?魔法なら発動するのにいかだを揺らさなくても良いからね。」ライラがこれ見よがしに言います。「なめんなよ?」パズが大剣を抜き、手を離し、宙に浮かべます。次に大剣を回転させいかだを一周させます。「おー、成長したわねー。魔法じゃないの?」ちょっと得意そうにパズは「姉ちゃんと兄さんんが結婚してからこの技を練習していたんだよ。昔
水を引くための水路を作っただろ?あん時に水精のウェンディに色々と教わったんだよ。そう言えばあいつ等みんな元気にしてる?」以前、ライラが結婚するる前に住んでいた場所は、彼らの両親が一緒に連れていた精霊、つまり、ライカ、ウェンディ、アーシェス、イゴルの4匹 (人?)の精霊達と生活している時期がありました。今は、前に住んでいた場所に彼等が住んでいます。一応ですが、パズ達の両親は仕事で各地へ移動しています。それは以前にお話しした通りです。
「とまぁこんな感じだ。問題は確実に獲物を獲得できないところだな…」パスはちょっと無念そうに言います。「他の動物がだべるから問題ないでしょ?」ライラが答えます。となると残るアルドラはどのように戦うのか?ということが疑問(ぎもn)です。一同がアルドラを見つめると「私は、回復担当かな?あとちょっと危ないけど毒気が使えるかな?ああ、いかだを変形させても良ければ、木を使って何かできるけど…」というわけで回復担当になりました。
そして、いよいよアリアクモン川へ突入します。アリアクモン川は流れが、ピオニス川に比べてゆっくりなので動物が沢山生息している地域になります。故に危険も倍増するというわけです。既にあたりは暗くなりました。今日は、みんなが朝イチで眠りについたので夜更かししてもあまり眠くならないのですが、生活リズムが狂うのはあまりよろしくないですね。
さて、夜中の番をどの順番で行うかみんなで決めます。
なんだかんだで年齢順にする事になりました。人間組と精霊組に分けライカ、アルドラの順にジース、ライラ、パズの順をペアにします。初めはジースとライカ、ライラとアルドラ、パズとライカ…の様な順序になります。みんなで雑談などしてから1組ずつ見張りをして、他のメンツは眠ります。幸いにもまだ獣などは出てきていません。
始めの見張り番、ジースとライカが見張りをしています。気温も下がり、涼しい風が吹いています。月明かりの中を、ザブザブと音を立てて川を下り進んで行きます。
「ライカとは、こんな感じで話すのは初めてだね、ちょっと興味本位で聞くんだけどお義父さん達とはどんな経緯で知り合ったの?」とジースがライカに尋ねます。そうするとライカが毛皮をよこせと身振りをするので毛皮をライカにかけます。すると、ライカの体が燃え始め、正確には燃えている様に見えた、その火が小さくなり人間モードのライカになりました。「お前は、人間語でないと話が通じないからな。」ライカの気遣いでしょうか、話をする準備ができた様です。
「そうだな、ちょっと昔話をしてやろう…パン、エリーと出会った時の事だな…」と珍しくライカが喋る様です。
タイミングが悪いけど、次回のお楽しみ。
いままで、誰も聞かなかったライカとパズ達が家族になった経緯についてジースが尋ねました。ちょっと変わった出会いだったので、印象に残っています。次回にお話ししますね。




