帰路〜ファインディング・グリーク号〜
ピオニス川に向けて移動中の一行、川を下るのはいいが、何を使って下るのか。
そんな話をするようです。
ピオニス川近くまで来た、一行はいかだを作るための算段、作戦会議を開きます。司令塔にパズ、材料運びに女子群勢、ライカがいるので問題ありません。木を切るのは男子の役目です。しかしながら、木を一本切っても有り余ってしまうので部分的に切ります。
※この時代の木は、現代の約5倍のサイズです。
「うーん、ジース兄さん、木を切ろうか?」パズがジースに指示を出します。木を切るのにはちょっとしたテクニックがあるのです。それは、パズが戦闘時に使用するものなのですが、魔法が使えるジースは不得手なものなのでパズに師事しているのです。「はい!頑張ります!」年下とは言え人に物を教わるのであればそれなりの言葉使いをするのが礼儀です。それを教えるのは年上のジースの役目、だからこんな言葉を使うのです。
まず精神を統一します。ここまでは魔法を使う時と同じ、ここから自然にアクセスします。空気の流れ〜大地まで自分が今触れているもの全てを感じ取ります。そして、自分の中にある『気』を媒介にして様々なものにアクセスします。今回は、手に持っている剣にアクセスして自分の気で強化します。具体的には手で岩を砕く、鉄を鉄で切るなど、現代でも使用されている技術です。これには慣れが必要なので、ジースはゆっくりと行います。
「はっ」ジースが気合いのもとに剣を振り、木を切断します。「おー!」ジースが木を切断できたのでライラが驚きの声を上げます。パズはスタスタと切った木のところへ行き「切り口」を見ます。「切り口がガタガタだね。やり直し!と言いたいとこだけど今日はいかだだから、問題ないよ。」と言います。「ちょっと、折角上手く切れたんだから褒めてもいいんじゃない?」とライラが少しご立腹の様子です。「ははっ、親父だったら『女が仕事に口出すんじゃねぇ!』って言うぞ?褒めてばかりだと本人の為にならねぇのよ。」とパズが近くの木のを切ります。「スズン」と音が鳴り木が倒れます。ジースの時と同じ様に切り口を見てジースを呼びます。「ますは、見た目に切り口が平らな事、その次は触ってツルツルしてる事、姉ちゃん!」とライラを呼び切り口を触らせます。「おー、父さんと同じくらいツルツルしてる〜」とライラは感嘆の声を上げまます。「目指すのはひとまずこの位かな?さて部材を切り出すぞ!」
いかだの水面に着く部分から作って行きます。木は五行で言うところの「木気」酸素を作り大気の循環を生み出します。故にイエローフーセキとは相性が良く、船などにも装着して水上に浮きやすくするのです。
木と木との接合部分は、ちょっと腕がいるのでパズがやり、大まかな切り出しはジースが担当します。
なんだかんだで、いかだというには少し立派ないかだが出来上がりました。
いかだを作っている間に、女子群勢が、食料を調達して来てくれたのでご飯はいかだの上で食べる事にしました。
「ファインディング・グリーク号発信!」とジースが景気付けて言います。「洒落た名前ね!」とライラが褒めます。ご飯もあるし、準備万端です。「準備万端、風向きよーし!いただきまーす!」とご飯を食べ始めます。最高の船出ですね。
ピオニス川を下りアリアクモン川へ出ます。ピオニス川は流れがわりかし早く…まぁ獣や妖精があまり出ないので安全だという事です。
ちなみに、昨日の様に怪物や妖精などが出てくるのは稀な事で、天界が近いオリンポス山だから沢山出たのです。ピオニス川とかメインの通りなどは、オリンポス山の夜に比べるとすごく安全なのです。
ファインディング・グリーク号は軽快に川を下りそろそろアリアクモン川へ合流するところまで来ました。流石に日が暮れて来たので、夜に備えます。
「夜に向けて、それなりの準備をしないといけないね〜、国が違うと勝手も違うから気をつけないといけないよ。ここら辺はどんな獣が住んでいるんだろうね?」ジースがみんなに尋ねます。「ここら辺は夜行性の動物が多いから夜は見張りがいるよ。」パズが答えます。「そしたら、火を燃やしておく必要があるね〜、船の上で火は使えるの?」ジースは続けて質問します。「そこに関しては大丈夫よ。暖炉じゃないけど適当な場所があるから。」ライラが答えます。そしてパズがダルそうに「囲炉裏な…大工の娘なんだからそんぐらい分かれよ…」「あたし現場に行かないもん。」ライラが答えます。言葉をなくしたパズは無視して「夜は順番で、見張りをたてるから順番を決めておこう。ちなみにうち等 (オリエント)は2人組で番をしてたよ?どっちか寝てしまわないように…まぁ話し相手がいないときついからね」
夜行性動物の多い領域に入った一行どんな獣が住んでいるのでしょうか、それは次回のお楽しみ。
夜は、夜の神さまが世界を巡っているので、夜の眷属が出てくるかも知れません。オリンポス山の夜は異常ですが、平地だから大丈夫ということはありません。なぜなら、みんな生きるための『糧』が必要だからです。




