帰路〜ピオニス川へ行く〜
オリンポス山からなんとかリトホロにたどり着いた一行、ゆっくり寝て起きたらまぁくさい!
怪物や獣の返り血と、ヨダレなどで異臭を放っています。町に着いた時はヘロヘロだったから、気が付きませんでしたが、寝て起きたらどうでしょうか?
朝イチで宿を見つけ、ゆっくり休んだ一行は、改めてグリークランドに向けて出発する準備をしていました。すると、異変に気がついたかの様に「あー!パズ、臭い!ちょっと水浴びして来なさいよ!」ライラがパズを叱ります。「んだよ、姉ちゃんだってかわんねぇだろ?」とパズが言い返します。他のメンバーも自分の臭いを確認します。「まーまー、帰りはヴィストニダ湖を回って帰るし、近くにピオニス川もあるし、出発しようか。」とジースがまとめます。
かくして、汗を流すため近所の川へ向かう事にした汗臭い一行は異臭を放ちながら、近くのピオニス川へ向かいます。「本当に、臭いわね…本当に汗の臭い?」山を降りる時に、汗もかきましたが、それ以上に獣のヨダレや返り血を浴びています。この時代の獣はとても大きく、現代の動植物や自然石など全て5倍のサイズをイメージして頂くと良いと思います。因みにライカはメスライオンに翼を付けて尻尾の先にトゲがある感じです。もちろん現代のメスライオンの5倍くらいのサイズです。なので宿屋の中には入れません。
と、そんなサイズの獣達を、ぶん殴れば飛び散るヨダレも凄いのです。
そうこうしてる間に、近場の川に着きました。男女に分かれて水浴びを済ませます。ライカは女子側に行きました。ちゃっちゃと水浴びを済ませ服も洗濯してパズとジースは、ビチョビチョですが元どおりになりました。女子群勢は
ドライヤーをかけた様にピカピカになり戻って来ました。「はーい、ジースとパズ並んで〜」とライラが言い、その通りに動く2人。ライラの丸焼き魔法のドライヤーバージョンです。なるほど、それで女子群勢はピカピカなんですね。ジース達もピカピカになりました。気を取り直しピオニス川へ向かいます。今回、メイン通りではなく川経由で帰るのは単純に川を下り帰ろうと思ったからです。ちょっと遠回りになりますが、川を下った先にはアリアクモン川へ繋がっていてそこから一気にグリークランドまで行けるのです。
船はどうするのかって?それは見てのお楽しみです。
トボトボとピオニス川へ向かう一行、ライラが口を開きます。「うーん、平地は平和ね。次から次へと怪物が出たりしないもの。そこらの牙獣が可愛く見えるわ。」機嫌がよろしい様子。「あー、夜の山はもう登りたく無いな、軽くトラウマだよ。」ジースが少しゲンナリしながら答えます。そこでアルドラがジースに質問をします。「人間は、どうやって魔法を使っているの?私達、妖精は神々の子孫だから生まれた時から『力』が備わっているんだけど、人間は違うよね?」勉強家のライラが答えます。「そうね、人間は生まれ持って直接火を起こしたり出来ないわね。そのかわりに、力を借りる事は出来るのよね、普段から神々のお陰で、楽しい事があったり、つまんない事があるんだけど、信仰を寄せている神々からは『力』を貸してもらえる方法があるのよ。それを人間は『儀式』と呼んでいるの。そして、『儀式』の後に修行を積んで一端の使い手になるのよ」ライラが丁寧に説明します。「ふーん、パズも『儀式』したの?」アルドラが続けます。「あー、やったよ…魔法は使えないけどな…」パズが答えます。パズは父親に似てしまい魔法が使えないのです。普通の人は儀式を行った後には各神々が司る力へアクセス出来る様になり、様々な方法で具現化するのです。ちなみにライラは火、大気、水、大地の四元素へアクセスすることが出来ます。信仰する神はヘスティア、炉の神にして、家庭生活の守護神です。アクセスする手段としては、シンボリズムを使います。各元素のシンボルを宙に絵描き力を引き出します。
「ふーん、昨日パズが怪物と戦った時の木を飛ばしたりするのは魔法じゃないんだ?」アルドラの疑問は止まりません。「あれは、魔法に似てるけど違うんだ、『神通力』と呼んでいるんだ。親父が付けた名前さ。魔法と違って自分が強くならないとまともに使えないんだ。」パズが日々行なっているトレーニングはこの様な理由があったのです。パズの術は自分力量の分だけ触れたものを動かすものです。例として、前回木を飛ばしたのは、木の落ちる方向を変えるほどの腕力があるから木を飛ばす事が出来たのです。利点としては、呪文も、シンボルもいらないというところです。しかし、魔法を使えるとこの様な術は使えなくなってしまいます。何故ならこの術は『自然』自体にアクセスするものなので神々にアクセスする魔法とは系統が違うのです。つまり、古い神々 (自然神)にアクセスするか、新しい神々 (オリンポス12神以降の神々)にアクセスするかの違いになります。
「ふーん、私達は頑張って成長とか考え無いからなぁ…人間って偉いよね。」と言い、なんとか腑に落ちた様です。「さー、そろそろ川に着くぞ〜」とジースが周りに呼びかけます。「いかだを作るよ〜」とライラが続けます。こういう事は『若頭』パズの出番です。
次回は、ピオニス川の冒険になります。
アルドラの素朴な疑問に答えてるうちに、ピオニス川にたどり着いた着いた一行。今度は、いかだを作り、川を下る準備です。パズの出番です。




