止まらない才能
「映画主題歌おめでとう!」
俺が自分で歌うと思って作った曲『自信』がある有名監督、池田監督からオファーがきたそうだ。この監督は、コメディ映画やドラマで、監督をしていた人だ。詳しくない人でも名前は聞いた事ある人が多い。そんな人からオファーが来て、福本さんも機嫌良くしている。
「一応、確認はしましたよ!」
そう、俺は無いと思ったのでもし主題歌の話が来ても勝手に決めて良いという話をしていた。俺的にはそんな事は無いと思っていたからだ。バズるとしても大事にはならないとも思っている。テレビ出演はあっても、紅白みたいな事にはならないだろう。テレビ出演も流行りの時だけだろう。
「これで、有名人になりますね!」
「そうだな!この事務所も有名になるぞ」
元々有名な事務所が、何を言ってるんだか……
「亮くんは帰って親御さんに報告を、こっちで出来る限りのサポートはさせてもらう!」
そう言い福本さんと奥田さんは去った。俺も帰ろう。テレビか、母は良いとして父は何て言うんだろうか。反対されないと願っておこう。
「お兄ちゃんテレビ出るの!?」
「辞めとけ、どうせ1年後にはお前の事なんて皆忘れてるさ」
あこの驚きの後に父がそう言った。それは言われなくても分かってる。ずっと売れ続ける歌手はそんなにいない。それにどっかでつまずく。そんな事は分かって俺はこの話を受けた。
「それでもやりたい」
「あこ、宿題はやったの?」
「やったよ!」
俺の言葉に父は何か言おうとしたが母が普通の話に戻してくれた。あこには後で謝っておこう。
「明日、ここに来てください」
奥田さんからの連絡でそう言われた。明日は土曜日だ。そして、池田監督が俺と話したいと言ってくれたそうだ。なので俺は明日池田監督と話す事になった。『自信』を主題歌にしてくれたからな、どんな人か楽しみだな。
「来てくれてありがとう、感謝してるよ!」
1日が経ち、池田監督と会うといきなりそう言われたので少し驚いた。
「君のお陰で良い映画になりそうだ」
そうワクワクしている感じで言っている。映画が楽しみなのが凄く分かる。監督とは今回の曲の話や映画の内容について話した。面白い監督だった。お世辞だとは思うが、また新曲があれば使うとも言ってくれた。そしてこの日は終わった。
そして、映画の情報は隠して数日が経った。
「今回のゲストはこの方です!」
俺は今、初めてのテレビ仕事をしている。何故か、SNSのトレンドに配信日からずっと入っている。侑李さんは今落ち着いていて、特番の音楽番組に良く見るようになった。バラエティもあるが申し訳ないが余り面白くないからか少ない。言っている俺は侑李さんより少ないだろう。
「今回の曲はどんな思いで作られたんですか?」
「何事も自分を信じる事が大切だと思いながらこの曲を作りました」
特番の音楽番組で、MCの横にいるアナウンサーからの質問に俺は答えた。別にボケる事もない。普通の音楽番組でバラエティをするつもりはない。そこから仕事に繋がらなくても良い。1人でも俺の歌を聴いて元気が出ればそれで良い。
「全然お笑いしないね?」
「笑い取るのが仕事じゃないんで」
「爪痕残したいとか思わない?」
「別に思いません、それで仕事減るなら構いませんよ、僕は音楽を届けるのが仕事なんで」
おぉ〜!!
驚きの声と拍手が響いた。MCの方やアナウンサーとの話に普通に答えていたら、MCの方に質問されて今に至る。
「これ、カットいる?」
「何でですか?」
MCの方の疑問に俺は疑問で返した。
「見る人によっては燃える可能性あるよ?」
「別に構いません、それで炎上しても何も思いませんから、自分の為に出るんじゃなくて誰かの為に出てますから」
俺がそう言うとMCの方は手を口に抑えながら笑っている。何が可笑しいんだ?
「君みたいな子初めて見たよ、基本は自分が有名なりたいから面白くなくても爪痕を残そうとするでも君は、他人が元気になればそれで良しって感じたね面白い」
そう言われると、出演アーティストで芸人の1人が質問をした。
「あえてこう言った事で爪痕残そうとしてるんじゃないですか?俺は良い人ですよって」
「それなら、こんな良い目はしてないと思う」
そうMCの方が言ってくれた。ありがたいな。そういえば、この人芸歴が数十年の大ベテランと言われているの忘れてたな。
「では歌ってもらいましょう、オリコンランキング1位で大ヒット曲である『自信です』」
俺は驚いた。もちろん1位の事に関してだ。そう言えば最近福本さんから連絡なかったな。これが原因なのか?
「亮さんはそう言うの鈍いので知ったら変に意識すると思ったのでこちらでも動いてました」
ステージへの移動中に奥田さんがそう言った。確かに俺は自分のシングル発売も何も気にしてなかったな。気にしてたのは、あこと上村ぐらいだな。今の所、テレビ出演はこれしかない。オリコン1位だとしても簡単に売れないって事か。
「トークといい歌も流石だね、これから彼は爆発的に売れるだろうなぁ」
ベテランMCの方の言葉に俺は驚きを隠せなかった。その言葉はお世辞と思っているので、その人の言う通りになるのは今の俺は全く思ってもいなかった。




