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分からない才能

「新しい曲をお願いしたい!」


 テレビ撮影が終わり次の日に侑李さんから電話があった。放送はまだだが、初シングルが発売されて数日が経っているし作詞家兼作曲家なのに自分の曲を使って歌ってるからな。そう思うよな。


「分かったよ」

「もちろん亮くんも歌ってね、それにセルフカバーのシングルも出してね!」


 俺が了承すると侑李さんは追加でそう言った。気を遣ってくれてるのは優しいな。


「亮くんのシングルに侑李くんのカップリング曲とは別で君の曲を入れて欲しいんだ!」


 福本さんの話だと、俺のシングルは侑李さんのシングルに入れるカップリング曲を抜いて新しい曲を入れて欲しいみたいだ。面白いから頷いた。


 今、新しいシングルの曲を作るためにレコーディングスタジオに来ているそこで福本さんに会ったので話していた。その日は何もなく終わった。


「まだ、放送されてないですけど別の番組でのトークが良くて頼んで来てもらいました!」


 前にお世辞を言ってくれたベテランMCがそう言ってくれた。今、俺はとあるバラエティ番組のゲストとして出演している。まだ音楽番組から数日しか経っていないので影響が分からない。


「山野さん、本当に面白いんですか?」


 芸歴2年目の若手の芸人さんが、ベテランMCにそう言っている。山野さんか、有名だけど名前を忘れてたな。申し訳ない。


「だから呼んだんだけど?」


 この一言で現場がざわついた。他の出演者の皆さんが山野さんを落ち着かせている。


「ここで揉めても何もないから進みましょう!」


 そう言われて俺の登場になった。今出るの気まずいな。でも今って感じだから出ないとな。


「今日のゲストの影野亮さんです!」

「どうも」


 俺は一応頭を下げた。


「冷たくない?」

「普通ですよ、ボケる事もないので」

「バラエティだよ?」

「僕がボケる必要性がありません」

「ほら、面白くないじゃないですか!こんなんじゃ誰も見ないですよ!」

「なら、貴方がボケてください芸人なんですし音楽メインの僕より面白いですよね?」


 俺と山野さんの会話にさっきの若手芸人さんが言うので俺は返答したら、笑いが起きた。


「やっぱり面白いね!」


 山野さんが手を叩きながら笑っている。他のスタッフもそうだ。驚いている人もいるが大体の人が笑っている。そんなに面白いか?


「本人が分かってないのが更にいいよね」


 そう山野さんの言葉に出演者とスタッフの皆さんは笑っている。何が面白いのか俺には分からない。そして、番組進んだ。俺はコメント返しや、出た話題について話していった。


「今回はこれでおしまいです、最後に亮くん閉めて!」

「え、面白い事言えずすみませんでした、多分ないですけど、また会えればお願いします!」


 そう言い俺は、出演者の皆さんとスタッフさん達に頭を下げた。一応カメラにもだ。


「ないってもう呼ばれないと思ってますよ!」

「いや、それはないだろ!」


 俺の言葉に女性アイドルとまぁまぁベテランの芸人さんがそう突っ込んでいる。それに山野さんも頷いている。若手の芸人さんは納得いってなさそうだ。何か、悪い事したな……


「はい、オッケーです!」


 スタッフさんの一言に皆一息ついている。やっと終わったって感じだな。そして俺は山野さんにだけ挨拶して帰ろうとした。撮影前に挨拶したし俺とは仲良くしようとも思わないだろう。


「影野くん、ちょっと待って!」


 そうディレクターさんに呼び止められた。何を言われるんだ?まさか、若手芸人さんとの言い合い炎上するからカットとか?


「僕ら的には言い合いのシーンは使いたいんだけど良い?」

「全然良いですよ」


 俺は何でそんなこと聞くんだと思いながら書いた。何か俺が悪くなる様な事あるのか?


「人によれば君が悪くなる可能性があるし炎上するかもしれないよ?」

「僕の炎上1つで良くなるのなら是非使ってください」

「おぉ〜」


 何故か驚かれている。


「なら、楽しみにしといて!あと、これからもよろしく!」


 そう言いディレクターさんは去った。よろしくってどう言う事だ?


「忙しいからもう行くよ、またよろしくね?」


 山野さんは急いで現場を去った。忙しいんだな。俺もそのまま帰った。話せる人達もいなかったしな。


 俺が2人の「よろしく」の意味が分かるのは初出演の音楽番組の放送日に分かるのであった。しかし俺は何故かが分からないのだったそれもまた後日の話である。

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