第三十三話 三速激走その2
前回のあらすじ
ドーム内の戦闘が本格的に始まった木戸翔と谷賢は互いに言葉と刃を交えて交流しそれぞれの目的を知る。互いに似た者同士完全閉鎖のドームで戦闘を始める。だが谷は戦闘を始める直前、武器を変えその一撃で木戸は負けた。最後の言葉を聞く前に谷賢の弟である谷相が邪魔をし、首の皮が一枚繋がった。
「お前を殺すのは、俺だ」
!!! 相は、勘で高く飛び距離をおいた。
「チッ、避けられたか」舌打ちをしてナイフを持っている木戸がいた。すでに重症ながらも耐えて立っている。
(恐らく袖あたりに隠していたか)距離を置き考える。
(袖専用のナイフで隠していたが、あの速さで避けられるとは………)そう思い、無意識にナイフの持つ逆の手で心臓辺りに手を置いていた。
(この傷で、よう立ってるよなジブン)脇腹から胸にかけて大きく裂けられ普通なら重症にも関わらず動けている。
「おい、何してるこの馬鹿野郎!」谷がそう言いがれき類の中から、姿を現す。ドームの完全なる封鎖に伴い、壁を含めて全体的に、厚く空間が小さくなっているためあまり距離が伸びていなかった。
「悪いが、これはこいつとの戦いだ。兄さんは邪魔をしないでくれ」「バカかお前の為にやってるんだ。何で分からない?」がみがみ2人は、言い争う。
(これは、喧嘩か?)2人は、自分の存在を忘れているように兄弟げんかをしている。
(ならこれは、チャンスか)すぐに自分の飛ばされたナイフを探す。(あった!)あまり遠い場所では、なく多少気づかれず回収して彼らに奇襲をすることが出来る。一度、2人を確認してから落ちているナイフめがけていく。着実に近づく。(あともう少し)手が届くその瞬間だった。
パパン!!突如として一発、銃声がした。木戸は物陰に素早く隠れる。その場にあったナイフがいつの間にかその場から消えていた。
(誰だ?)銃声が聞こえたほうを見ると、ふたりがこちらに銃を向けていた。床に空の薬莢が落ちているため撃ってきたのはこの2人なのが分かった。
「兄さん………撃たないでよ」
「………お前が撃つこと想定して撃ったんだ…」無表情無関心からなる声色で2人は、話している。
(こいつらやっぱり、!さっきの銃声の時、妙に一発とは思えないほどナイフが飛んだと思ったらこいつらタイミングずらして撃ったのか、)ナイフを取れず連携が上手い包囲網でどうにかして二人を相手にしなければならない。
(特に谷のやつ、弟に合わせるのが上手い!)一応、左右の袖には小型ナイフを入れている。武器には困らないが、その武器で敵を倒せる決定打に欠ける。
「きどくーん。出ておいで」谷の声が聞こえる
「続きをしよう。」その声は先の声色とは違う。なぜそう感じたか分からなかったが体はそれを勝手に理解して前に出る。兄弟二人は距離を空けてお互いにそして自分をにらみつけた。谷が言う
「今この場に、『速さ、スピード』そして『木戸の能力』これら世界に散らばるleftの中で似たものが集まった」
(何かと思えば、これか)(何故、俺のleftを敵にしゃべる)大々的に世界に宣言でもしているかのように聞こえた。誰か見ている存在がいるんだろうか?谷は続ける。
「前置きは長くなるからこれくらいに。さて始めよう。言いたいことは分かるよなぁ^。相、木戸。第三ラウンドを!!」全ての発言で2人は、理解して構えをとる。最短ルートでの決着。つまり………
『『『能力解放』』』
第三が始まった。賢と相が真っ先にぶつかりにいく。木戸は一歩遅れでの合流する形でぶつかる。それぞれ武器を前に衝突した。
ナイフ、刀、ナイフ
木戸と相は、谷の武器の有利差を一対二の構図で、止めている。もちろん、お互いに敵同士。敵の敵は味方の理論で一時的な共闘ではあるが、共闘とは二人共思っていない。この構図からの次の一手は木戸の攻撃であった。ナイフでの数段の突きによる攻撃を刀、全体に受け止め隙を見つけようとする。
バン!………………………バン!!攻撃を緩めず左横から相による銃声。谷はそれを見逃さず、瞬時に意識する。刀を収める鞘とは逆の部分の腰に装着しているガンホルスターから銃をとり木戸に向けて撃つ。木戸は正面の一発は、避けたがもう一発気づいておらず第二ラウンドの傷箇所にさらに深くめり込む。
(コートじゃないのか………)一応さっきの時に鞘をコートから出しているのは知っていたが、コートで隠れているガンホルスターは見えていなかった。てっきり、コートにあると予想していたのが理由である。木戸は大きく後ろに距離を空けた。
(木戸は恐らく、自分の速さを変えることができるんだろう。先の傷で暫く時間は稼いだが潰すのは後になりそうだな………)左手に放たれた銃弾を回避しつつ2人を目視する。
(やはりダメか。)(お前の能力は兄としてずっと見ているからな、相………)銃弾を撃ち終え相は次の攻勢に移行する。一気に加速を始めたがそれと同時に谷は大きく相との距離を縮めて平行線に並ぶ。
!!、刀を下から上に上げる。
(…来る………)すぐさま両手のガードを使って受け止めようとした。ここで、相は一歩遅れた。
(しまった。リロードが………)本来なら攻撃を止めることができたが相は攻撃を受ける。木戸と同じように受け、更に手を切断したこともあり既に限界だった。
(やっぱりそうせざるおえないか)谷はこの事を読んでいた。
沈みゆく相を見届けながら、1人ドームに立っている。




