1.トウマ
3月の終わり頃。
俺はよく分からない女に話しかけられた。
自分で言うのも可笑しな話だけど、俺はモテる。けど、いまいち女ってのは五月蝿い存在って認識しかない。
モテるが故に、ハエの様に女が群がる。
これは誇張してるけど、俺にとっては女はそんなものだ。
だからこそ、よく分からない女に声をかけられた時、最初は無視しようとした。
「君は恋愛に興味が無いの?」
女は最初にそう言った。
こんな質問、聞かれたら、気になるよな。
そうして話を聞いていったら、ラブアシスト制度だとか、天使だとか祝福だとか、そんな話になった。
面白そうだから、分厚い冊子を読み飛ばして、同意書にサインをしたよ。
ラブアシストってのは、色んなサポートがあるみたいだけど、俺に与えられたのは、〝告白を必ず失敗させる〟力だった。
色々制約はあるみたいだけど、面白そうだし、その力を貰った。
最初に使ったのは、うん。
幼馴染が教室で、突然告白した時だったな。
あれは驚いたよ。
ってゆーか、告白はおろか、女っ気なんて全く無いやつだったし。
小学生の時は仲よかったけど、中学になってから、アイツはヲタい趣味に走っちゃったから、疎遠になったんだ。
どうでもいいヤツ、に成り下がってた。
だから、力を使ってみたんだ。
まぁ、使わなくてもフラれるかもしれないけど、使ってみた。
そしたら、赤い糸を死神みたいなやつがプツンと切るわけだ。幻覚を見たよ。
最初は信じられなかったけど。。、
幼馴染は、フラれて、クラスは祭りだったなあ。
そこでさ、ちょっと罪悪感が目覚めたりして。
そこからさ、色々、色々あったけど、俺の推理は当たったんだよね。名探偵だな、俺。
七星ちゃんが天使でさ、アイツは俺と同じ被験者だったんだってさ。
まぁ、そうじゃなきゃあんな場所で告白なんかしないよな。
ま、謝ってさ、許してもらえたよ。
そこからのカバーは頑張ったんだぜ、俺。
アイツが七星ちゃんと別れて、俺が七星ちゃんと付き合って、すぐ別れた。
そういうシナリオを描いて、クラスに噂を広めた。ひと苦労したよ。
そしたら七星ちゃん、ミーコと険悪ムードになってやんの。
ま、ミーコは裏で嫌われてるから、皆七星ちゃんの味方だと思うけどね。
なんか分かんねー転校生とか、カヨコがすげーイメチェンしてるし
ほんとよく分かんない半年間だったな。
まぁ、なんかラブアシストもあと半年で終わるみたいだけど、俺、力使うこと今後あるのかな。
つーか、ラブアシスト制度って、俺らの人生利用してるよな?




