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タイムリープは1日1回5分まで  作者: 大野春
chapter.05 あなたに近づく夏
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3-3.七星が人間


僕の知りうる知識では、というかカードゲームやテレビゲームで得た情報では、天使の羽が無いだとか、片方しかないだとか、こういうのって、よく無かったと僕は思う。


七星は、自分は片方しか羽根がないと言った。


「か、片方って、もう片方はどうしたの?」

僕は問う。



「ちょっとね。昔ルール違反をしちゃって、取られちゃったのさ」



「ルール違反?」

「ま、アンタには関係ない事。だから、タイムリープなんかも悪用しちゃダメだよ?もう片方もがれたら、アウトだし」

「アウト?」

「そそ、アウト。天界強制連行で、羽根が無くなったら大天使になれないし」

「大天使?」




七星の事は、聞けば聞くほど訳がわからない。いや、僕は今まで七星の天使に関する事は聞かないでいたのだ。


なぜなら、七星が人間じゃない事を確認してしまうからだ。



それにしても、聞けば聞くほど分からない。



「そう。大天使。まぁ、役職付きの天使ってとこかな?」

「ヤクショクツキ?」

「まぁ、偉くなるわけ。それで大天使は与えられた使命を全うすれば、願いが叶う」

「願いが叶う!?」

「そう。凄いでしょ?でも、大天使になって使命を果たすのは一握り」


今日の七星は、よく喋るな、と思う僕。


「使命って?」

「ミッションって感じ?」


なんとなく僕は理解する。


「七星は願い事とかあるの?」

自由奔放で、祝福が使える天使に、願い事などあるのだろうか?






「人間になりたい」






ここは水族館で、目の前にはあざとく存在するペンギンがいて、僕と七星が立っていて、そして、七星は静かに泣いていた。



初めて見る、七星の涙。

なぜ、泣くのか、この時の僕は理解できなかったけど、加代子さんの涙も見たし、僕は女泣かせの男のような気分だった。



「どうして、泣いてるの?」



その問いかけに、七星は答えない。

そのまま少しの時が経ち、七星が口を開いた。


「ごめん。嘘ついた」

「え?」


「ほら、シケっぽくなったし、あっちのイルカショーを見に行こうよ!」


七星、湿っぽい、だ。



僕は言及をやめて、イルカショーのあるステージへと歩き出した。







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