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タイムリープは1日1回5分まで  作者: 大野春
chapter.05 あなたに近づく夏
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3-2.七星がペンギン



斜め前には加津代食堂。加代子さんがいる。


僕と七星は時間差で家を出て、駅に集合する。


2人で電車に乗る。


僕と七星の時間だった。



久しぶりの感覚である。



七星と、ウソだけど付き合っていたんだ。



こうやって2人で、帰ったりしていた。

僕はそれを思い出していた。



電車に揺られながら、僕は高嶺さんの別荘の話だとか、高嶺さんの庭の話だとか、加代子さんの話題を避けながら話をしていた。



こうしてたどり着く、水族館!




僕らの住む街の隣の水族館は、最近改築されており、とてもお洒落で綺麗だった。

チケットを購入し、中に入る。

水族館の料金がこんなにも高いだなんて、僕は知らなかった。

やはり、七星といると、知らなかった事に出会える。そんな、感じがした。




小さなお魚の水槽が並んでいる。

群れをなして泳ぐ魚、水槽にひとりぼっちの魚、神様がどんな基準で着色したのか分からない、奇抜な色の魚もいる。


口をパクパクしている魚が、七星とにらめっこしていた。


「魚の正面の顔って、案外マヌケで可愛いね」


僕も水槽を覗いてみた。


確かに、魚の正面の顔はどこかおかしい。

僕たちは普段、左向きの魚を横から見る事や、そういったイラストが多いから、その顔に慣れてしまっていたのだ。



そんな七星のおっぱいは逆に、正面から見るより、横から見るとその大きさをより堪能できる。


いや、今はおっぱいではない!!!



「む、向きによって、見る角度によって、印象が異なるのは、人間みたいだね」

「そう?」

「うん。見た目だけじゃなくてさ」

「ふ〜ん」


七星が水槽に人差し指を押し当てると、魚が寄ってきた。指を動かせば、その方向に向かってくる。


「ふふ、かわいい」


そんな、七星が可愛いと思う僕だ。




水槽が並ぶコーナーを抜けると、ペンギンさんたちがあざとく存在している。

岩場と深めの水槽が、何処かの岸壁を再現しているらしい。岩場には白い何かがベチャっと垂れていた。


あるペンギンはぼーっとしたり、毛繕いをしたり、泳いだり、檻の中で、皆が自由に過ごしている。


「昔、飛べたんでしょ? ペンギンて」


七星がペンギンを見ながら言う。

よく聞く話である。退化なのか進化なのか、ペンギンの先祖は昔飛ぶことが出来て、知らぬ間に飛べなくなって、今は海を飛ぶように羽根を動かして泳いでるのだ。



「うん。でも僕は今の姿の方が好きだな」

「わたしも。こんなの飛んでたらびっくりする」


僕は、ふと思いついたことを七星に聞いてみる。


「天使って飛べるの?」


「羽があるだけ。そんで、重力が無いだけだよ」

「重力がない?」

「天界は重力がないの。だから羽を使って、推力にしてるんだよ」


「へぇ〜。じゃあ、七星もパタパタと飛べるんだ」

「飛べるけど、私は片方しか無いから上手く飛べない」




ふ〜ん。




って、え?片方だけ?

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