3-2.捜索願
授業も終わり、その日の放課後
事件は起きた。
七星が騒いでいる。
「カヨちゃんのキーホルダーが無い!」
七星と加代子さんのお揃いのキーホルダーが無くなっているらしい。
加代子さんに代わって、七星がクラスメートに捜索願いを出していた。
「これの色違いのキーホルダー知らない?」
「今朝まではあったんだよ」
「どこかに落ちてないかな?」
七星が色んな人に話を聞いている中で、仲の悪い美和子さんにも尋ねる。
「こんな感じのキーホルダー知らない?」
「知らない。え?七星ちゃん、もしかして私のこと疑ってんの?」
美和子さんは急に怒り出した。
女性が怒る瞬間ほど怖いものはない。僕はそう思った。
静まり返るクラス。
「み、ミーコ、そんなんじゃないよ。ごめんね」
「だいたい、失くしたのは加代子さんの方でしょ?なんで七星ちゃんが口挟むのよ?」
「お揃いのキーホルダーだったから」
「知らないわよ。加代子さんが喋ればいいじゃない。つーか加代子さん声小さいから何言ってるか分かんないけどね」
俯く加代子さん。
ダメだ、この感じ
誰かが加代子さんを批判する空気
何かしなくちゃ、僕が守らなくちゃ
依然として静かなクラス。
あれ、さっき、、、、
移動教室の時、、、
美和子さんはひとりで教室にいた、、、
カバンから何かを取り出したり、、、
カバンに何かを入れていた、、、
七星と美和子さんは仲が悪い。
七星と加代子さんは仲が良い。
じゃあ、美和子さんは、加代子さんを良くは思わない。。。
カバンの中に、キーホルダーがある?
あるに違いない。
僕は思った。
でも、カバンから出せ、なんて言って、本当に勘違いでキーホルダーが見つからなかったら。。。
いや、僕にはタイムリープがある。
美和子さんのカバンを今、強引に開けて、中身を確認して、タイムリープをして、確証を得てから問い詰めれば。。。
加代子さんを助けなきゃ。
今度こそ、僕と、僕と七星で!
僕は立ち上がり、美和子さんの机にかけてあるカバンを取り出し、カバンを開けた。
「何すんのよ!!!!」
怒り狂う美和子さん。この反応を見れば、一目瞭然だ!
カバンをひっくり返し、中身を全て床に落とす。僕にしては荒々しい。僕も相当怒っていた。
床に広がる様々な物の中に、
加代子さんのキーホルダーが出てきた。
「確証を得た!七星!ハイタッチだ!」
一瞬戸惑う七星だが、僕の行動を理解したようだ。
ハイタッチ。
景色が歪む。
タイムリープが行われ、5分前に戻ろうとする。
「ルール違反ですよね。それ」
僕の真横に顔が。
歪んだ景色の中、隣に絵留くんが立っている。
【chapter.04 ルール違反】




