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タイムリープは1日1回5分まで  作者: 大野春
chapter.04 ルール違反
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1-3.御二方


「今日は一段と元気がないな?」

目の前の茂木がテーブルのカードを指差す。


僕と茂木、そして暇だからとついてきた七星の3人でカードショップにいる。


僕と茂木がテーブルを挟んでカードバトルを行い、その中心で七星が腕を組みながら、ルールなど知らないくせに出されたカードに対してリアクションを取っている。




「確かに。どうしたのよアンタ」七星が僕を突っつく。

お付き合いが終わったのに、馴れ馴れしい奴め!でもちょっと嬉しい。



僕はちょっと胸が痛い。藍田加代子という名前が、僕の知る加代子さんなら、どうすれば良いか分からない。



「今日、来なかった、転校生、僕の中学の同級生かもしれないんだ」


「へぇー。ってなんでアンタが元気無くなるのよ。女の子だから緊張してるの?」

ニヤニヤ笑いながら七星が返す。



「そんな簡単な事じゃないんだ」




何かを察した茂木が話題を変える。

「もうひとりの転校生も、不思議な感じだよな〜」


絵留くんの話だった。


「だよね〜。言葉遣いも綺麗だし、不思議クンって感じ」

七星が喋る。不思議ちゃんが何を言うのだ、と僕は思う。



時間をテキトーに潰し、店を出ると、絵留くんと美和子さんに出会った。



「こんにちは、御三方」

絵留くんの丁寧な言葉遣いは不自然さしか感じられない。


「七星ちゃん、まだコイツらと、“こんなとこ”で遊んでるわけ?ちょっとヤバくない?」

美和子さんは七星に喧嘩腰だ。


「え?ダメなの?」

七星は理解していないようだ。




やはり、僕や茂木のような人種と七星とでは、違いがある。美和子さんの言いたい事も分かるが、わざわざ口に出す必要は無いように思える。



「え、だってキモいじゃん」半笑いで美和子さんが語る。何をこんなに苛立っているのだろうか。



「何がキモいの?」

七星が素直に質問する。黙る僕と茂木。絵留くんは表情を変えずに2人の口論を見ている。



「そんなのも分かんないの?やっぱ七星って頭オカシイよね」




「喧嘩は止しましょう。御二方。俗に言う、非常に気まずい空気ですね」

絵留くんが急に制止に入る。




「そ、そうだよ!ねぇ!みんなで仲良くしよう!」

思いもしなかった言葉が僕の口から発せられた。

「七星ちゃんを無理に誘ったのは俺なんだー!ごめんごめんー!」

茂木も急に声高にフォローを入れる。



少しの間を開け、美和子さんが喋る。


「だよねー!ごめんごめん!!!そういうノリなだけだよね?七星?」


「そうだよー!みんなを驚かせたらダメだよミーコ!」


絵留くん以外は顔をくしゃくしゃにして笑った。



その後、それぞれの家の方向に向かって帰る。僕と七星は2人になる。


「な、なんで美和子さんと仲が悪いの?」

「ミーコはトウマが好きだからね」

それで七星が嫌われるのか?僕には意味が分からない。女心は複雑だ。


「なんで美和子さんと絵留くんが一緒にいたんだろう?」

「知らなーい。トウマから絵留に乗り換えたんじゃない?」


そのまま自宅前に着いた。


「また明日」


七星は斜め前の加津代食堂に入っていく。




やはり、七星が帰宅する前から、加津代食堂の2階の明かりがついている。


僕は知らないふりをして、自宅に戻る。


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