2-1.パンツ一色
6月20日。
若干の憂鬱を残しながら、僕はカッコいい服を身にまとい、七星と電車に乗る。
二駅を越え、みっつめの駅を降りてすぐ、スポーチョがある。
スポーチョとは、色んなスポーツが楽しめる複合施設だ。
10時集合なのだが、僕と七星は30分前についた。
スポーチョは4階建てで集合は1階だ。
一番乗りかと思いきや、既にクラスメートがちらほらと集まっていた。
「おっはよー!」
八巻さんだ。
八巻さんには、例の件は伝えていないが、トウマが参加する事になった旨は伝えていた。
殊更テンションが高い。それにしても八巻さん。
八巻さん!!!!
スポーツ大会にスカートで来るってどういう神経ですかぁあぁっ!!!!
また僕を惑わせるつもりなのか、八巻さん。
もうその手には乗りません。
そんなことを思っていると、入り口からまばゆい光が差し込む。
黒髪ロングが肩にかかりそうで、整った顔立ちの高嶺さん。クラスのマドンナ。やはり綺麗だ。
なになに、今日は私服か。
水色のジージャンのようなやつに、白いヒラヒラの長めのスカートをはいている。いやぁ、私服も可愛い。
スポーツ大会にスカートで来るってどういう神経ですかぁあぁっ!!!!
これはとんでもないことになる。
僕の頭はパンツ一色。
いやいや、いろんな色のパンツで埋め尽くされた。
5分前にもなると、全員が集合し、イケイケグループが会計を先に済ませ、イケイケグループに誘導されるように4F最上階へ向かう。
総勢20名が集まった、親睦会。
この親睦会で、僕たちは別れる。
天使と人間の恋は許されないのだ。
「それじゃあ早速、チームメンバーを発表します!」
美和子さんが仕切り始め、ついに始まる、親睦会!