2-2.首を回し
「ええと、それと、七星ちゃん!」
美和子さんがそう言うと、周りが盛り上がる。チームBにカップルが揃ったのだから。
僕と七星、残る2人も続けて発表される。
「ヨシダイ!」
「魚住くん!」
なっ!なにぃー!!!
僕のチームBは、僕と七星と吉田くんと魚住だ。
吉田くんとは一度も喋った事は無い。彼はクラスの人気者であるが、イケイケな感じではない。坊主のお笑い芸人のような感じの人間である。
それはさておき、魚住だ。
なんて嫌な奴と同じチームになってしまったのだ。
「よお」
「や、やぁ、同じチームだね」
「お前かよ」
魚住は不機嫌そうである。
「アンタたち!やるからには本気よ!」
七星が張り切っている。首を回し、ポキポキと音を立てたいのだろうか?まるで何も音は鳴らない。
「ん、チーム名を決めよ」
吉田くんが提案した。吉田くんは喋る時にいつも、ん、と枕詞がつく。
「チームリーダーは紅一点の私なんだから。私が決めるわよ」
いつの間にか七星がチームリーダーになっていた。
「センスあるやつで頼むよ」
魚住が言う。
「よし!決めたわ!」
「チーム仲良し!」
どこが仲良しなのだ七星!
僕は魚住と仲が悪いし、七星、君とは本日喧嘩別れの予定なのだ!
「はいはーい、それじゃあ、ルールを説明するわよー」
美和子さんのルールによると、5種目の競技でそれぞれトーナメント戦を行うそうだ。
各種目の順位に応じて、勝ち点が与えられる方式らしい。
「それじゃあ早速、第1種目のミニバスケをやりましょー」
わー、わー、と盛り上がる。
早速バスケか。
ミニコートに集合する。
コートは2つあるようだ。
進行役が語り始める。
「では、チームA対B、チームC対チームD、チームEはシードです」
5種目、それぞれのチームにはシード権が与えられるのだ。しかも、シード権を持ったチームは決勝からスタート出来るのである!
そんなこんなでコートに入るチームBあらため、チーム仲良し。
対するはチームA
相手チームのメンバーは、神田くん、吉田くんの僕の関わりのない2人に加えて、トウマと美和子さんがいた。
両チーム向かい合い、代表の2人が敵チーム側の真ん中に立つ。ジャンプボールが始まるのだ。
こちらの代表は魚住。相手はトウマ。
トウマが僕と七星に近づく。
「約束の件、分かってるよな?」
「もちろんよ!負けないわ!」七星が張り切る。僕もこくりと頷く。
向かい合うトウマと魚住。
審判がボールを垂直に投げる。
宙を舞うボール。
魚住とトウマはジャンプをし、腕を天に伸ばす。
鈍い音、トウマの右手がボールを捉え、相手チームへと跳ねた。
幸先の悪いスタート!
第1回戦だ!




