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タイムリープは1日1回5分まで  作者: 大野春
chapter.03 親睦会で僕たちは別れる
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2-3.控えめに左手


相手チームの神田くんがボールを取り、手でバウンドさせながら颯爽とこちら側へ向かってくる。


早速七星がダッシュし、ボールを奪いに行く。しかし、性差という根本的な違いにより、神田くんはぐいぐいと進み、七星を突破した。そのままトウマにパスを回し、トウマはその場でシュート。またたくまに点を取られた。


「余裕だな」


トウマが素直にカッコいいと思う僕だ。

なぜ、こう生まれてこなかったのか。神様を恨むにも年齢的に遅い。



「ん、気を取り直していこう」

吉田くんはポジティブだ。


「部が悪いな。。。」

ぼそりと呟く魚住。暗に僕のことを言いたいのだろう。


「まだまだでしょ!?」

勢いのある七星。無言の僕。


再びゲームが始まる。

魚住がボールを吉田くんに渡し、吉田くんがヘンテコな動きをしながら笑いを取る。ふざけている場合では無いのだが、盛り上がる。

吉田くんが七星にボールを渡す。



七星が僕を見る。



まさか、僕にパスをするのか!?



やめてくれ、七星!



七星は優しくボールを僕に向けて投げる。茶色く、重いバスケットボール。突き指しないか、僕は怖い。

それに、僕はボールを受け取ったらどうすればいいのだろうか。

誰かにパスを回せばいいのだろうか?


その思考も間も無く、ボールが向かってくる。両手と胸でキャッチする。不恰好だ。

僕みたいな人間をマークしている人はいなく、ガラ空きのゾーンに僕は立っている。


なにを、どうすれば良いんだろう?


「シュートしちゃえ!」

七星が言う。


僕は即座に、アメリカのバスケットプレーヤーを思い浮かべ、ジャンプし、両手でボールをネットに向けて投げる。


自分でも分かるぐらいの不恰好なシュート。


ネットの枠にぶつかり、跳ね返る。それを魚住がキャッチし、綺麗なシュート。するりとネットを揺らした。


「うぉー!!!」と盛り上がりギャラリー。




魚住が僕に近づく。




魚住の右手が上がる。



僕は控えめに左手を上げる。




パチン、と音が鳴る。

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