師弟対決の始まりだ!
ここは人知れずの森の・・・ど真ん中!!
すすで黒ずんだ超古代遺跡が立ち並ぶ中・・・目新しい新築の宿屋が ものすごい違和感を放ちながら存在していた。
その違和感ありすぎの宿屋は・・・越後屋(サラの命名)である。
その越後屋にある食堂・紅葉の間(急遽、名前を付けました)で、
聖女・セルーカ同盟首脳とアフ・ラ―ナ騎士国首脳との初会談!?がひらかれようとしていた。
・・・・・三か国の最高指導者が ひょんなことから顔合わせした以上・・・なんらかの会合が必要かな・・・という程度、
首脳会談と名付けるほどではないのだが・・・サラのノリによって とりあえずのセッティングである。
"首脳会談"と手書きで書かれたプレートがテーブルに貼られている。
ちょっと・・・・おもちゃみたいで安物感!
そんなテーブルに露天風呂から出てきたばかりで 全身から湯気が出ているミレイユとエルノスティ国王が座っていた。
そして、その対面には・・・おいしく兎角料理をいただき 口元に食べかすをつけているリュミィルも同じく腰をおろしている。
・・・・・・最高指導者の初会合とは思えない状況であった。
微妙な雰囲気の中・・・・とりあえずは挨拶。
「はじめまして・・・」
なぜか三人とも同時に発言して声がかぶった。
みごとな合唱・・・ハモリっぷりである。
微妙な雰囲気が・・・より微妙になる!!
「・・・・・これは失礼」
そして・・・三名は またまた発言がかぶった。
絶妙なタイミングで・・・ハモる!!!
ちょっとはずかしい。
「私はリュミィル。アフ・ラーナ騎士国・騎士団長。あなた方の国の役職でいえば首相にあたる地位です」
「私はミレイユ。聖女帝国聖女皇帝・・・・らしい」
「俺はセルーカ王国国王のエルノスティだ」
三人が同時に自己紹介をした。
発言の同調率100%
またまた・・・発言が かぶってしまっている。
ハモってはいないだけに・・・じつに聞き取りにくい。 ただの雑音である。
なんとなく・・・気まずい雰囲気となってしまった。
すこし、間を開けて 三人は再び挨拶!!
「本日は・・・・」
しかし、発言の同調率100%のため 発言がまたまたハモった!!
続いて・・・発言したが、またもやハモる。
ハモリまくるため 発言をしにくい雰囲気となり・・・
・・・・・そして、なんとなく三人は無言となってしまった。
どうしてこうなった!?
なにかの呪いか!?
ハモリの呪い・・・・・
思わず解呪魔法を唱えてしまった。
でも・・・元から呪われていないので解呪の意味がなかったのである。
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そんなトラブっている首脳会談を横目に・・・
・・・・隣のテーブルでは、和気あいあいの雰囲気が 溢れまくっていたのである。
サラやルナーリア王妃(仮)、エレオノーラ王女、パウネリア侍女大臣、そして リュミィルがつれてきた騎士たちを囲み
兎角料理やらデザートを食べながら 会話が弾みまくっていたのである。
ハモったあげくに 雰囲気が悪くなったどこかの三人とは 偉い違いであった。
今、この食堂で出された兎角料理は・・・試食的意味合いのある特別製の料理である。
もちろん おいしさは補償付き!!
この料理のメインディッシュである兎角肉の上には わたあめのように膨れ上がったクリームが乗せられ・・・口当たりの良い甘さを演出していた。
この甘さは・・・この世界では味わえないおいしさ・・・・病みつきになること間違いなし!!
その他には、謎の生物から絞り出したソースをふんだんに使い・・より肉の味を引き立てている。
出所不明な謎の香辛料もつかっていたり・・・・などなど
「おいしい!」
「美味しい!」
美味しいの大合唱である!!
「僕の店の・・・自慢の料理ですよ!!
それに・・・この店には露天風呂もあるのです!! 食後にでも入りに行くといいですよ~」
サラは騎士たちに露天風呂を お勧めしてみると・・・騎士たちは何やら興味津々となった。
「これはこれは、ぜひとも ひと風呂・・入りたいですね」
首脳会談!?をしているミレイユたちとは違い、サラたちのテーブルでは 実にフレンドリ―な雰囲気につつまれていたのであった。
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そんな和気あいあいなサラたちを横目に・・・・
・・・・なんとなく沈黙しているミレイユとリュミィル・・・そしてエルノスティ国王。
ハモるという不可思議なトラブルのため・・・言葉を発していないのだが、原因はハモるだけではなかった。
ミレイユとリュミィル・・・両者はお互い見つめ合い・・・・何かを感じ取っていたのである。
何か・・・・
どこかで会ったような気がするのだが・・・二人とも思い出せないでいる。
ある意味・・・二人は鈍感であった!!
ミレイユが幼かった頃 メイドとして世話をしてもらい・・そして、魔術の手ほどきをしてもらったミルヤ。
魔術の師匠でもあるミルヤこと・・・リュミィルが目の前にいるというのに まったく気づかないミレイユである。
あの頃と違い・・・今のミルヤ、すなわちリュミィルは トレードマーク的な眼鏡をかけておらず、
印象もガラリと変わってしまっていたからであった。
ミレイユの心の中では ミルヤに会いたいと思っていたが・・・まさか 目の前にそのミルヤがいるなんて考えもしなかったのである。
しかし・・・ミレイユとは違い、リュミィルは目前の少女を見て・・・わずかにセシリアンナお嬢様と同じ匂いを感じ取った。
かつて メイドとしてユスティネス公爵家に仕えていたころ お世話をしていたお嬢様・・・
魔術の手ほどきを教えたお嬢様・・・
あのお嬢様と同じ匂いがする・・・のたが!!
目前の少女があの聖女皇帝・・・表の顔は聖女だとされているが 騎士国諜報部の調べによると・・・
裏では傍若無人に暴れまわる悪逆非道な聖女・・・いや!! 悪人であることは判明している。
そんな非道な女が・・・あのやさしくおとなしいお嬢様と同一人物だなんてありえない!! 絶対ない!! あるわけない!
リュミィルは深層心理的に あの聖女皇帝は お嬢様ではないと心に刻み込んだのであった。
そして・・・テーブルで対峙する両者・・・
二人は・・・互いの正体を知らないのだが・・・何かを感じ取っていた。
その何かは・・・何かの懐かしさ・・・いや違う!!
懐かしさと思わせ・・・洗脳させようとしているに違いない。
・・・とてつもなく 危険な予感がするのだ!!
二人は互いに・・・相手を危険な人物だと結論したのだった。
そして・・・互いに相手の動きをうかがっていた。
険悪なムードになっていく・・・
無言の戦い!! にらみ合いがつづく。
「・・・・・・・」
ミレイユとリュミィル、二人の睨み合いを見たエルノスティ国王は・・・完全に暇となって そんな険悪なテーブルから離れていった。
国王が無言で席を離れたというのに ミレイユ、リュミィルはまったく気にしていない!!
「俺・・・・無視されているのか!? いいけどなぁ」
この会談が破綻して・・・戦争になったら・・それはそれでよいという好戦的な思考をするエルノスティ国王。
・・・・というか戦争を望んでいるという危険思想の持ち主でもある。
そういうわけで!?・・・・エルノスティ国王はサラたちのテーブルに移動し、
ルナーリア王妃(仮)とイチャツキながら リュミィルの連れてきた騎士たちと和気あいあいとなって食事を始めた。
騎士たちとは 完全に平和ムードである。
そして・・・なんとなく みんなで露天風呂へと向かうのであった。
ミレイユとリュミィルの二人を置いて・・・・
現在・・・食堂にはミレイユとリュミィルの二人しかいない。
かつての師匠と弟子ということを知らないまま カエルと蛇のように睨み合っていた。
無言の対決である!!
首脳会談によって友好を深める!?つもりかどうかは不明なのだが・・・・
・・・とりあえず 今の状況は宣戦布告前夜の様相となっていた。
勝敗を決める! 雌雄を決するしかない!!
だからといって・・・・・国をまたぐような戦争はしない! やらない!
ということで、一騎打ちが最善の策となった。
「もはや対決しかありませんね!」
両者は同時に発言し・・・・同時にうなずいた。
あいかわらずハモってます!!
二人はテーブルから立ち上がり、外へと向かった。
どうやら 魔術対決をするつもりである。
二人は互いに相手の膨大な魔力を感じ取っていた。
深層心理的にライバルとして意識してたのかもしれない・・・・
・・・・両者は無意識的に魔術対決をするつもりとなっていたのであった。
宿屋前の広場・・・・メアたちが急いで整備したので・・・ちょっとした庭のようになっている。
その広場で リュミィルは空に向かって指さす。
ミレイユはうなずく。
空に向かって得意の魔法を放ち その威力を競おうというわけである。
簡単に言うと 魔術の威力合戦というわけであった。
模擬対人戦なんてミレイユには無理だし・・・やったとしたら たいへんなことが起きるはずなので・・・
魔術威力合戦は危険のない対決となるはずである・・・・
リュミィルは 対戦相手となる聖女皇帝の顔を まじかに見た時・・・おもわずつぶやいてしまった。
「セシリアンナ・・・・・似ている」
小さい声だったが ミレイユの耳にはっきりと聞こえてしまった。
セシリアンナ!?
いったい誰の名前なのかと思って、ミレイユはリュミィルの顔を凝視して・・・なにかに気付いた。
セシリアンナ! セシリアンナ!
それは・・・ 忘れかけていたミレイユ自身の本名であった。
そして 困惑した。
どうして 私の本名を知っているの!? もしかして・・・・!!
ミレイユは振り返ると・・・リュミィルと目線があう。
「・・・・・・」
すこし沈黙が入る。
そして・・・
互いにあいづちをうち、魔法対戦を始めるのであった。
ズドドドトドドトドォォォ~
炎が空高く燃え上がる。
-------------------- To Be Continued ヾ(^Д^ヾ) 次回は燃え上がるぞ~




