ケレン町観光案内 :出
サラは古代遺跡と思われる情報を入手した。
入手元は古本屋の店長からの話や その古本屋から買ってきた書物からである。
当初の話では、遺跡はケレン砂丘のどこか!?
おそらくは砂に埋もれているだろうと考えていたが、それは間違いだったようだ。
通称で人知れずの森といわれる森林地帯の奥に遺跡らしきものがあるらしい。
ただし、名前通り、この森は大変危険であり、狂暴な魔物が多く生息し、人間の侵入を阻んでいる。
それでも・・・・・ときおり命知らずの冒険者が 森の奥地に入り込み、不可思議な遺跡の周囲から
これまた不可思議な光る鉱石を拾ってくることがあった。
かなり希少なものであり、珍しいものであることから その鉱石は割と高く売れるのである。
「おそらく・・・その鉱石はピカリ石に間違いないだろう!!」
サラは確信した。
あの呪われた女神像の目の部分に使った石に違いない。
この遺跡に 女神像の謎を解く鍵があるだろう。
さっそく 次の日に遺跡調査に向かうことを、ミレイユたち一同に発表するのであった。
「あら、古代遺跡の場所が見つかったの!? おめでとう」
ミレイユは手を叩き拍手をした。
エルノスティ国王は 目をランランと光らせながらサラを見つめている。
「人知れずの森とやらには 魔物がうじゃうじゃいるのだろ!!!」
完全に なにかを期待してる目である!!
魔物相手に大暴れする気なのだろうか!?
「きゃ~怖い!!」
嬉しそうな声で叫んで国王に抱き着くルナーリア王妃(仮)。
「俺が守ってやる!」
「エルノスティ様はたのもし~い」
いつものようにイチャイチャする二人である!!
ちょっと、うらやましい!?
そんなバカップルを アイスを食べながら ジト目で眺めるエレオノーラ王女とパウネリア侍女大臣。
・・・羨ましいとか 思ってないんだからね!! ツンデレか!?
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次の日の早朝・・・宿の会計を済ませ、ミレイユ一行は巨大馬車に乗り込む。
生物ではないのに厩舎に預けていたゴーレム馬も 忘れず巨大馬車に繋いでます。
サラがゴーレム馬の存在を忘れ 馬なしで馬車を走らせようとしたところでミレイユに止められたのは 内緒です!!
ゴーレム馬は飾りであって、馬車の動力に何の関係もないが・・・馬車に見せかけるためには必要であった。
宿を後にした5台の巨大馬車はゴーレム馬に引かれているように見せかけながら、ケレンの町の大通りを進む。
やはりというか・・・・その巨大さで、住民の目を引いてしまう。目立ってしまう。
そして、ケレンの町の西方に広がる 通称・人知れずの森へと向かうのであった。
そこは・・昼間でも薄暗く、地元の人間さえも森奥深くに入り込む者はいない。
森の奥には森の守護者と呼ばれる魔物が多く住み ときおり腕自慢の冒険者がはいりこむぐらいで 一般人は決して踏み込まない森である。
しかし ミレイユ一行は・・・・
馬車に偽装したレオティーガー5台という どこかの国と戦争でもするかのような戦力を持って なんの躊躇もなく森に入るのであった。
もちろん、もしもの場合にそなえ、ケレンの沖合・海中にて待機中のミ・カアサにも準備させている。
ミ・カアサ搭載の飛空船ハヤブサがいつでも離陸可能の状態となっているのであった。
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ケレンの町の中央通りを ゆっくりとした速度で通過していく5台の巨大馬車。
その馬車を 古びた屋敷の窓から眺めている二人の人影。
一人は見るからに裕福そうな人物、そして、もう一人は堅気に見えない姿であった。
「<< 暁の来光亭 >>の厩係の従業員からの話によれば・・あの女たちの馬車の馬は馬ではないらしいですぜ!!」
「何を言っているのだ!?」
裕福そうな男は怪訝そうな顔をした。
「すまねぇ 説明不足でした! あの女たちの馬はゴーレム馬らしい! それもかなり高価な品らしい!! それも5体」
「ゴーレムか!! 馬のゴーレムだと!? まさか・・・そんなものがこんなとこに!? いやいや、それが本当なら かなりの金になる。
俺の計画を実行するためにもゴーレム馬は頂きたい! そうだなぁ 女どもや他の荷はお前たちのものにしていいぞ!」
「はっ 子爵様!」
「おい! 何度言ったら分かるのだ!! お頭と呼べと言っとるだろうが!!」
「へい すみません お頭!」
「うむ」
このケレン町を中心とした領域を納めている領主の名はデスア子爵・・・
鋭い目をしている青年貴族。
見た目だけなら ご婦人方に人気のある人物である。
しかし、その中身は・・・・盗賊団シーフのお頭となり周辺一帯の旅人や商人を襲う悪逆な人物!! 非道な人物!!
領主と盗賊団がつるむという・・・まさに盗賊団にとって理想な組み合わせ・・・やりたい放題であった。
余談であるが・・・・
ケレンの町でミレイユたちを襲った盗賊団は このデスア子爵率いる盗賊団シーフの末端グループ。
もちろん・・・デスア子爵の指示で動いたのではなく、勝手に動いた下っ端の連中であった。
デスア子爵は・・・かつて、アウステーヌ連合帝国傘下の地方領主であったが、
近年、急速に領土を拡大するアフ・ラ―ナ騎士国の武力に屈し騎士国の傘下に属している。
デスア子爵には頼れる同盟勢力もなく、動員兵力が500人足らずであったため
騎士国の力に対抗できず・・・一戦もせずに騎士国の軍門に下ったのであった。
デスア子爵領はアウステーヌ連合帝国からアフ・ラ―ナ騎士国に所属を鞍替えしたのはいいが・・・
騎士国と名づけているだけに 騎士道にきびしく・・・・一般住民への税率を厳しく管理されてしまっている。
そのため・・・デスア子爵領の年間予算が激減してしまった。
騎士国の法律では 税率を自由に変えることも出来ず、子爵領の会計も厳しく監視されてしまっている。
アウステーヌ連合帝国時代に無茶な重税をやらかしていたため、住民たちの多くは騎士国への傘下加入をたいへん感謝していたが・・・
デスア子爵本人にとってはお怒りプンプンである。
「こんなに監視されていたのでは 俺の大好きなサソリたちのために予算を割けないではないか!!」
このデスア子爵は・・・たいへん狂気的なほどのサソリマニアであった。
ケレンの町をサソリだらけにした張本人でもある。
サソリを こよなく愛し・・前世はサソリだったと豪語するほどのサソリ好きであった。
ちなみに・・・毎日サソリ料理とサソリワインを飲んでいる!! 前世がサソリとか言うわりには・・・・共食い!?
いやいや!! 食べたいほど愛しているのであった!!
サソリ!! サソリ!! サソリに囲まれて暮らしたい!
より充実したサソリな生活をするために デスア子爵には壮大な計画があった。
それは このケレンの町を大改造する計画
サソリの町化計画である。 これは果て無きサソリ男のロマンである!!
ケレンの町のあちらこちらにサソリのオブジェクトを設置し、建物は全てサソリの形、サソリの水道、サソリの露天風呂、
サソリ学校、サソリ養成所などなど・・・サソリの町化計画に必要な予算はいくらあっても足らないのである!!
そうです!! 愛するサソリのため デスア子爵はやらねばならない!!
騎士国によって制限された予算と会計を打破し計画に邁進するのだ。
そのため 貴族としてやってはならない違法行為・・・・盗賊たちを集め 襲撃と強盗をくりかえしてたのであった。
そして そのターゲットがミレイユの巨大馬車に定められたww
余談であるが・・・・
ケレンの町をサソリ観光地として発展させれば、観光収入の増大も図れるのかもしれないが・・・デスア子爵にその発想はなかった!!
あくまで愛でるという発想のみである!!
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そんな謀議も露知らず・・・・ミレイユたち一行は 古本屋の店長おやじから聞いた通称・・人知れずの森へと入って行く。
ミレイユたち一行に恐れる者はいない・・・というかお気楽である!
馬車の内部のラウンジ風に装飾された部屋で機嫌よくティータイムをしている面々。
実に快適な空間であり 馬車に乗っているという感覚さえもない!!
それは・・・とんでも魔法サスペンションの謎の技術により 馬車内には ほとんど揺れがないからである。
唯一、窓から見る風景が動いていることで 馬車が動いていると確認できるほどなのである!!!
サラは目当てのピカリ石を探すために 探知レーダーを作動させ、馬車に搭載しているノートパソコンとにらめっこ。
エルノスティ国王はルナーリア王妃(仮)とイチャツキつつ 魔獣の登場に舌なめずりをしていた。もはや戦闘民族である。
その他、ミレイユ、エレオノーラ王女、パウネリア侍女大臣はテーブルを囲んで楽しくカードゲームをしているようだった。
ミレイユたち5台の馬車は 人知れずの森林地帯の道なき道を走る!!
普通の馬車なら 絶対無理な森林地帯なのだが 元がレオティーガーなので 邪魔な木を押しつぶしていく。
もはや 馬車というよりブルドーザー状態である。
絶賛 森林破壊活動中!!
そして 森林を破壊しながら突き進む馬車の後から 身を隠しつつ追跡する多数の黒い人影
ミレイユたちの馬車が とてつもなく早くて・・・追尾するのが大変そうである。
「な・・・なんだ! あいつら こんな森深くを馬車で進めるのか!? あんな速度で・・・」
「違う!! 馬車 いや あのゴーレム馬が木々を押しつぶしながら進んでいるのだ」
「あいつら・・・ただの商人じゃなかったのか!? どうして・・こんな人知らずの森などに・・・」
「仕方がない!!・・・これ以上 森に入られるとやっかいだ!! ここで仕掛けるぞ!!!」
「へい! 子爵様」
「おい! 何度言ったら分かるのだ!! 仕事中はお頭と呼べと言っとるだろうが!!」
「へい すみません お頭!」
そんなデスア子爵と盗賊の・・・いつものやり取りをしてる間に・・・
子爵の思いが天に届いたのか!? 走っていた5台の馬車が急に停車した。
「お頭!! 奴らが急に馬車を停止したようだ 今なら・・やれるぜ!!」
「待て! 焦るな! 頭を下げて、伏せるのだ!! 相手の様子を見る」
デスア子爵は 盗賊たちに指図をして 地面に伏せさせた。
子爵の目線は 遠方の馬車5台に注がれる。
しばらく動きはなく、馬車は時間が止まったように動かない!!
「おっと!! 追跡を感づかれたのか!?」
デスア子爵の額に汗が流れる。
-------------------- To Be Continued ヾ(^Д^ヾ)次回は盗賊の襲撃だ!!!




