パンダ―借面の逆襲
あきらかに・・・あの少女は不自然すぎる!!
なにか違うのだ!! 普通とは違いすぎる!!
・・・・・なんであるかと問われても 答えられないが とにかく違和感がある。
ミレイユは手鏡を持ち、化粧をしているように見せかけつつ、少女の姿を鏡に映して様子を見た。
だいたい年齢は10歳ぐらいの 赤みがかったおさげ髪の少女である。
それも、どうやら一人で喫茶店に来てるあたりが不自然すぎる。
町娘とは違い、すこし高価そうな服装・・・わりと裕福な家の娘なのだろうか!?
パンダぬいぐるみを抱きかかえながら テーブルで・・・・・おいしそうにジュースを飲んでいる。
ぬいぐるみ!?・・・・・抱き着きがいがありそうな大きさだね!! 私もほしい!!
・・・・じゃなくて~
それよりも パンダぬいぐるみの色がピンクというのは・・・
「まさかね~!?」
ミレイユは護衛として側にひかえているメアたちに命じた。
「気付かれないように・・自然なかたちで あの少女を包囲するように」
『 はっ 』
一般住民に溶け込むような服装をしているメアたちが 自然に振る舞いをしつつ・・・
・・・その少女を取り囲むようにテーブル席に腰を掛け店員に飲み物の注文をしていく。
店内は広く客数はまばらなのに なぜかその少女付近の人口密度だけが異常に高い。
冷静にみれば不自然すぎるのである。
しかし・・・少女には気付かれていないようだ。
ご機嫌よくジュースを飲み 縫いぐるみのパンダとじゃれていた。
ミレイユは 引き続き手鏡に映る少女を観察しつづける。
そして・・・勘違いに気づいた。
「違う!! 異様な魔力は少女から発していない!! あのパンダからだ!!」
おもわずミレイユは振り向き・・・・そのパンダを見た!!
そして不思議なことに・・・その縫いぐるみをしたパンダと目があってしまったのだ!?
「!!! まさか!!」
ミレイユは思わず息を飲む。
そして・・・・
ガタン!!
という鈍い音がした。
テーブルから少女がずり落ち・・・地面に倒れてしまったのだ!!
気を失ったのか・・・動かない少女。
そして・・・ミレイユは信じられないものを目にした。
その少女は なんと!! ドロドロに溶けだし、ただの砂の塊に変わったのだ!!
まるでなにかのホラーのようだ!!
「ぐにゃぁぁぁぁぁぁ」
ミレイユは思わず変な声で叫んだ!!
その叫び声を聞き、店内にいる人達の注目をあびる。
少女が砂となって消え去った後・・・そこに残されたのは ピンクのパンダぬいぐるみ・・・
そのぬいぐるみは 風船のごとく・・膨れ上がっていき 某おじさんほどの大きさ・・・というか某おじさんになっていたww
そうです!! ミレイユが天守の間のディスプレイで目撃したあの物体です!
あんなに可愛かったぬいぐるみパンダの腹が飛び出し、ピンク色したシルクハットとタキシードに身を包んだ生々しいあれなおっさんが、目の前に現れたのだ!!
パンダの仮面を装着しており、素顔がわからないのだが・・・・・おそらくあの体系から判断しておっさんである。
「ぐぅぁぁぁぁぁぁ あんなに可愛かったぬいぐるみが~ ひどい ひどすぎる!! ただのおっさんなんて!!」
ミレイユは 指を差し名指しをしながら嘆く!!
そして・・・名指しされたおっさんは不機嫌。
「おい! おっさんとは失礼な・・ねーちゃんだな!!
ま~いい!! ねーちゃんから感じる大量の魔力量から ただのねーちゃんではないことは分かっていた」
そのおっさんは片手を上げ、なにやら演技のようなことをしだした。
ちょっと息が荒く、しんどそうだが・・・とりあえずなにかのヒーローポーズらしい。
パンダの仮面をしているが・・・顔はキメ顔である・・・・とおもう!!
本人はかっこよく見参してるつもりであろう!!
「パンダ―借面参上!!
少女は召喚物であり ぬいぐるみこそ本体だったのだ!! 驚いたか!!
だいたいのところ、ねーちゃんの正体も予想できるが・・・・名乗ってもらおうか!!」
するとミレイユは立ちあがり、腕をあげる!!
パンダの仮面に対抗して・・なにかのヒーローポーズをする!!
いよいよミレイユもサラの中二病が感染してきたのか!?
「えっと・・・・・私は・・・・通りすがりの町娘よ!!」
「そんなわけあるか~」
パンダ―借面はつっこむ!!
「町娘よ!! 」
ミレイユは 平然と答える。
「吾輩が名乗ったというのに 名乗る気がないのか!?」
「本当に町娘よ」
「名前は!?」
「町娘」
「名前が町娘なのか!? それなら・・・好きな食べ物は?」
「町娘」
「あう!! 食人でもする気か!?」
「町娘が好きだ! 町娘が大好きだ! よろしい! 私が町娘だ!!」
「・・・・・・おい、やめろ!! 演説などするなぁ」
こんなやり取りをしてる間に メアはサラに連絡をいれ援軍を要請していた。
その要請に応じて サラはすぐに緊急出動を命じる。
そして・・・現在
この喫茶店上空には 多数の小型飛空船ハヤブサが展開し、
メイド姿の完全武装したメア隊が喫茶店を完全包囲していた。
パンダ―借面はミレイユと対峙し・・・・
・・・・つまらない言い合いをしていたため 周囲の状況確認を怠ってしまっていた。
そして・・・気付いた時には、店内には店員もお客さんもおらず(メアによって避難済み)
周囲はメア隊に完全包囲され、勝利したかのようにキメ顔になっているミレイユが目の前にいた。
「謀ったなぁ ねーちゃん」
「・・・・というか あなたが間抜けすぎ!!」
「メアちゃんたち、あのパンダ―借面を捕縛しなさい!!」
『 はっ 』
店内にいるメアたちに加え、サラによって動員されたメアたちが喫茶店内に乱入、一斉にパンダ―借面に襲い掛かる。
ミレイユは魔法詠唱をおこない、数十の魔方陣が展開され いつでも火弾を撃てる準備にはいる。
「おい! ねーちゃん! なんだその同時詠唱の数は!! まさか・・・ねーちゃんは聖女か!? 」
「ちがうよ! ただの通りすがりの町娘よ!」
「そんなわけがあるか~」
メアと大格闘戦をしつつ・・パンダ―借面の叫びが店内にこだまする。
パンダ―借面が繰り出す連打パンチは広範囲に旋風を巻き起こしメアたちを怯ませる。
しかし・・・メアたちも 負けず劣らず連打パンチを撃ち返し、こちらも旋風を巻き起こす。
パンダ―借面とメアたちの凄まじい連打に 店内はまるで台風のような有様。
「 ぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱんだ 」
『 めいめいめいめいめいめいめいめいど 』
なにかの 某場面のようなパンチの連打がつづく・・・
テーブルや椅子が飛んでくる! ガラスが割れた!!
「ちょっと・・・ちょっと あぶない!!」
あまりの暴風にミレイユは 周囲に展開していた火弾の魔方陣をキャンセルして・・かわりに防御幕魔法を詠唱した。
ミレイユの周囲に薄青い透明の壁をつくりわが身だけは守るつもりである!! わが身がかわいい!!
安全だけは確保したので、それから ミレイユは椅子に座り、ケーキでも食べて、戦いの推移を眺めることにした。
多数(20人)のメアたちと互角に勝負するって あのパンダ―借面の実力は・・・・
・・・・あの、ナバ―ラル伯級の強さなのね!!
あの体の体系で!? どう見てもメタボなのに!! あげくにかなり息を切らしている。
しんどそうにしているが・・・ほぼ互角で戦っている!!
「もしかして・・・パンダ―借面ってすごい人!? ちょっと見直したり・・・したくないけど! すごいのかな!?」
喫茶店内での連打パンチ攻撃は長時間におよび・・・・こともあろうにメア側が押されだしたのだ!!
パンダ―借面・・・おそるべし!!
ミレイユはメアたちを助けるために、何発かの熱風魔法をパンダ―借面にむけて放つことにした!!
この魔法はサウナ風呂なみの熱風であり、コントロールをはずれメアに当てたとしても、
メアにとってたいしたことではない!! もとはゴーレムですから。
ミレイユは詠唱をとなえ、サウロ風呂なみの熱気がパンダ―借面に向かって放出された。
「こ・・・これは暑い!!」
ミレイユもびっくりな暑さである。
それは、ちょっと小太りで、息を切らすパンダ―借面とっては地獄のような魔法攻撃であった。
メアたちとの連戦でかなりの汗が出ているというのに‥‥ここで こんな強烈な熱風魔法をあてられてしまったため・・・
パンダ―借面から湯気が立ち上り 物凄い量の汗が飛び散りだした。
「ぐぅぇぇぇ」
外側から見たのでは分からないが・・ 顔を覆うパンダ仮面によって 内側は汗で とんでもないことになってるに違いない。
おそらく・・・ナイヤガラなみの水流!で汗が流れ・・前が見えない状態になっているのではないか!?
そういう理由もあったのか・・・・
パンダ―借面の放つ連打パンチも徐々に雑になり メアたちの攻勢が優勢に傾きつつあった。
それでも圧倒するほどではなかったのである!!
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「そろそろかな 捕縛作戦開始!!」
ミレイユが発言すると同時に、メアたちが隠し持っていた投げ網を一斉にパンダ―借面へと投げ始めた。
この投げ網には強力な接着剤を縫っており、一度絡みつくと なかなか抜け出すことが出来ない。
大量の投げ網が宙を飛びパンダ―借面に襲ってくる!!
「これは まずい!!」
熱風魔法による汗のためか 動きは鈍く上手く避けきれない!!
そして・・・ついにパンダ―借面は投げ網によって からめとられてしまった!
ついに勝った! とミレイユは思ったが・・・・
ここでパンダ―借面は余裕な顔をしながらミレイユを指さし にやりと笑う。
「んん!?」
ミレイユは けげんそうにパンダ―借面を見ると・・・
なんと!! パンダ―借面は風船のように膨らみ始めたのである!!
ドドドドドドドド~
どんどん膨らみ巨大化するパンダ―借面!
店内の天井を突き破り壁を破壊して なおも巨大化する!!
「ちょっと やめなさい!! 店が壊れるじゃないの!!」
ミレイユは叫ぶが・・・ミレイユ自身に危機が迫る!!
天井が崩壊を始めたのだ。
メアの一人が ミレイユを抱きかかえ、お姫様だっこをした状態でガラスを蹴破って店外へと脱出した。
そして、ミレイユが後ろを振り向くと・・・
おしゃれで、お菓子の家をモチーフとした喫茶店は 巨大怪獣映画と化したパンダ―借面によって踏み潰されたのであった。
どんな物理現象なのか不明だが・・・魔法の世界なので何でもありです!!
今や! パンダ―借面は身長20m、重さ110トン
地面が重さに耐えきれず陥没、歩くだけで大きな振動をふりまき町が壊されていく!!
こんな歩く災害・大怪獣(大おじさん)が南海海上都市に突如としてあらわれたのだ!!
「まず~~い あんなのに暴れられると! 私の町が~」
ミレイユをお姫様だっこしながらメアは安全と思われる町の外へと駆け走るのであった。
メアの任務の一つにミレイユ女帝の安全確保があったからである。
-------------------- To Be Continued ヾ(^Д^ヾ) ついに怪獣映画もどきになってしまった!!!




