魔導の司令官ナバーラル伯
ヴィジャナル王国飛空艦隊は 海面すれすれを飛行しつつ、高温の火の玉を海面に叩きつけ水蒸気爆発を発生させた。
この水蒸気爆発により、大量の霧が発生し辺り一面を白く染め、まったく視界がきかない状態となる。
高速移動している小型飛空船ハヤブサにとっては 視界がきかない中での戦闘は大変危険な状態であり、損害も増えつつあった。
小型飛空船ハヤブサ15機のうち 5機は海面に墜落、3機は敵飛空艦に激突してしまっている。
----------------------------------
この損害の報告をうけ 飛空円盤の艦橋のサラは、苦虫を噛んだ。
「ちっ!!」
「この損害は痛い サラちゃん どうする!?」
「このまま敵に進撃されると セルーカ本土に上陸される!! このまま攻撃続行だね」
「済まないなぁ サラ殿。 我が国に住む住民たちのためにも 上陸だけは避けたい! 」
エルノスティ国王は頭を下げてきた。
「エルノスティ国王殿、頭を下げないでください!!
見てください! サラちゃんのふんぞりかえりぶりを・・・ いい気にさせないように 」
ミレイユはサラに指をさした。
「あ~ サラ殿には気を付けないと・・・・」
エルノスティ国王も なんとなく納得したww
サラはコーヒーを飲みながら ふんぞりかえった姿勢をいきなり正座にかえたのであった。
「僕は・・・いつも検挙・・じゃなくて謙虚だよ」
「謙虚!?」
笑うミレイユとエルノスティ国王。
「そ・そ・・・・そんなことより 敵の大型飛空艦の奪取だ!! 僕の狙いはあの船をいただくこと! 降下開始せよ」
とりあえず気をとりなおしたサラは作戦開始を命じた。
その命令に従い、上空待機中であった大型輸送機フガク2型 3機がゆっくりと降下を始めた。
いよいよ奪取作戦の実行である。
フガク2型には赤外線サーチを搭載しているため霧の中でも、敵大型飛空艦シュレーゼンの位置を絶えず把握している。
目標は大型飛空艦シュレーゼン上層甲板!!
進路をそのまま衝突コースへ、
徐々に落下速度が増していく!!
フガク2型の乗組員が普通の人間なら死亡確定だが、
少々の衝撃でも耐えれるメア、キシたちだからこそできる強行激突作戦!!
フガク2型 3機は大型飛空艦シュレーゼンの上部構造物に今! 激突しようとしていた。
ズド――――ン
3回の大轟音と凄まじい揺れが大型飛行艦シュレーゼンに襲い掛かる。
乗組員のほとんどが、床に叩きつけられ転倒した。
艦橋にいた艦隊司令のナバ―ラル伯も再び尻もちをついてしまった。
「若いころだったら こんな程度の揺れで・・・」
しかし、そんな悠長なことを言ってる場合ではない。
大型飛空艦シュレーゼンの三か所から 炎が燃え上がっている。
「急げ! 消化だ! 」
「緊急事態発生、 敵兵の侵入との報告」
「なに!!」
艦隊司令のナバ―ラル伯は、敵の侵入という言葉を聞いて 目がキラリと光る。
「ふっ! どうやら久しぶりの白兵戦だな」
大型飛空船シュレーゼンの上部構造物に体当たりし、燃え上がる3機のフガク2型から、
次々と100名の戦闘員・・・・
・・・・ハルバートを片手に持ったメイド姿のメアたちが、立ちのぼる煙の中から次々と現れてきた。
なにかのヒーロー登場シーンのようだ!!
キシたちも負けてはおらず、炎の中から平然として姿を現し 歌舞伎役者のような決めポーズをとる!!
『 絶景かな! 絶景かな! 問われてもないが 名乗ってやろう! 我らは! ミレイユ聖女帝国軍キシ隊 』
だが・・・・その姿を目撃した敵兵はいなかった!!! ちょっと寂しい!!
そんな・・・中二病的感傷は置いといて~
『 第一目標は機関室 第二目標は艦橋 』
との指令であったのだが、全長800mの船体のどこに艦橋、機関室があるのかという情報がないため、
3箇所から突入した3班のそれぞれのメア、キシ隊は船内のあっちこっちと走り回ることになる。
艦内各所で 敵搭乗員との接敵による戦闘が発生もあるのだが 特質するべき点として・・・・
さすがの超古代遺産というべき大型飛空船シュレーゼンならではの罠や仕掛け!!!
艦内各所に罠や自動武装兵器などがてんこ盛り状態なのである。
超古代人は艦内に敵が侵入した際の対策も考慮にいれてたということなのか!!!
各通路には、シャッター設備で敵の侵入を阻止する仕組みがあったのだが、
このようなシャッターごときでメア、キシたちの動きは止まらない。
元来のゴーレムパワーでシャッターを突き破っていく。
各所にある毒ガス発生装置も 人間ではないメア、キシたちに通用しない!!
しかし 突如として床の底が抜ける落とし穴!! これはまずい!!!
落とし穴により船外に放り出されるメアやキシたち、
落ちたら海の底へ真っ逆さまです。
ちなみに、海に落ちたメアやキシたちは、重量が重すぎて水に浮かばない構造である。
残念だが・・・・機能停止するのであった!!!
落とし穴以外の罠や仕掛けでは・・・・
強力な槍ぶすま、人をとらえる投げ網、ただたんに足をひっかけるだけのロープなどで
機能停止をするメア、キシたちはいないものの かなり手間取る状態になっている。
罠や仕掛けで手間取るメアやキシたちだが、この飛空船シュレーゼンの乗組員や兵士たち相手には、
圧倒的戦力差で追い詰めつつあった。
生身の人間が、メアやキシを相手にするのは ちょっと無理ゲーぽいのである。
「やはり 私が出ねばならないか!? 剣を振るのは何年ぶりかの~ 」
ナバ―ラル伯は剣を鞘から抜く。
しかし高齢であるがゆえに 重い鎧を着るのは断念。
「指令官殿! ナバ―ラル伯様 なりません! 戦闘は我らに・・・」
「いや! 敵はかなりの強敵だ。 わしの魔導でないと排除は難しい」
「司令官殿の魔導!! 私も見てみたいのですが・・ さすがに危険すぎです」
「危険か・・・ ここにいてもいずれ敵が来る どこにいても危険ではないのか!?」
参謀であるマリウスの静止もきかず、敵のいる方向にむかって
軍務相であり艦隊司令のナバ―ラル伯は廊下をすすむのであった。
-------------------------------------
飛空円盤の艦橋室。
ミレイユやサラ、エルノスティ国王他、閣僚たち面々は、コーヒーやイチゴジュースを飲みながら、
敵の飛空艦シュレーゼンに突入したメアからの映像をディスプレイに映して眺めていた。
実に気楽である。
そんな、閣僚たちのお気楽の中、オペレーターの声が艦橋内で響いた。
『 敵、ヴィジャナル飛空艦隊が 我が艦の電磁砲最大射程内に入りました。 しかし命中率は5%以下です 』
「 電磁砲の射程に入ったということは200km圏内まで近づいたということだね
飛空円盤の強力な攻撃力を・・・・敵に見せつける時がきました!! 電磁砲の発射準備!!」
サラの発言に首をかしげるミレイユ。
「命中率が低いのだから もう少し敵艦隊に接近をしてみては!?」
「現地では かなり苦戦をしている!! 敵艦隊をセルーカ本土への上陸阻止するためにも、
数うちゃ当たる方式で 海面に電磁砲の水柱をつくり脅かすべきだ。 当たらなくてもいいのです」
「なるほど! セルーカ王国の安全のため お願いします」
エルノスティ国王は頭を下げずに・・・・・・頭を上げた。
瞬間! サラは正座姿勢になった! 謙虚アピールらしい!?
飛空円盤の側面、背面から船内に収納されていた電磁砲塔がゆっくりとせり出し、その砲塔を北方方面に向けた。
いよいよ射撃開始である。
------------------------------------------------
大型飛空艦シュレーゼンの通路で 艦隊司令であるナバ―ラル伯を先頭に進むヴィジャナル兵士と
ハルバートを持つメア隊と鉢合わせした。
「女・・・メイド・・・ハルバート・・・敵なのか!?」
ナバーラル伯は息を呑んだが理解した。
メアの目が死んだ目・いや戦闘狂の目をしていることを理解したと同時に、
高齢とはおもえぬ速さで、ナバーラル伯が突風のごとく突進した。
「おっららららー」
ナバーラル伯の巻き起こした疾風が船内通路に吹き荒れた。
それも恐ろしいことに その突風は透明な空気であるはずなのに 赤く輝くのだ!
その・・・凄まじすぎる突風のため、摩擦で火がついたのだろうか!?
そのナバーラル伯の突進攻撃の一撃で、
先頭にいたメアの10体が 後方へとはじけ飛んだ!
それも豪快に! まるでボーリングのように!!
吹き飛ばされたメアは 天井や壁に叩きつけられてしまった!
しかし、メアたちは その程度では壊れない。
「これが・・・疾風魔導」
艦隊司令のうしろから付いてきていた参謀のマリウスは叫んだ。
そして 飛空円盤の艦橋で、メアからおくられた映像を見て驚く者がいた。
「・・・ヴィジャナル王国版の流血パンダがいる」
サラの叫びとともに イチゴジュースを吹き出すエルノスティ国王!!
「あの老人 かなりの老齢だが・・・俺の魔導チェンソーとやりあいたかった。 戦いたかった!!」
「うぬっぬぬ~ いかせなくてよかったよ! あの老人は危険すぎる。 もしかしたら、国王陛下より強いかもしれない!」
サラの額に汗が流れた。
-------------------- To Be Continued 奴はやばい! あの老人が帰ってきた。真の魔導をたずさえて!!




