ユリティーナ姫説得作戦
ポルセン城壁都市解放祝いの祭りは深夜となっても続いていた。
花火が打ちあがり、人々の声が鳴り響く。
都市全体が市民たちの活気によって埋め尽くされていた。
都市中央にある城館の広いバルコニーで、市民たちの活気がみなぎる街並みと花火を見ながら、
ほろ酔い気分で酒をちびちび飲むサラ!!
なにかのCMのように格好をつけている。
実に気分が良さそうなサラであった。
もちろんサラだけではなく いつもの面々が椅子などに座りくつろいでいた。
エルノスティ国王やルナーリア王妃(仮)は 仲良く花火を見ながらイチゴジュースを飲んでいる。
エレオノーラ王女やパウネリア侍女大臣は このポルセン都市名物の菓子など食べて雑談などしていた。
ただし、ミレイユだけは さるぐつわを外されたユリティーナ姫を椅子にすわらせ、
体を密着し優しく語り掛けるように説得するのである。
「ユリティーナ姉上!! 私たちの・・・・・ セルーカ王国のために働いてくれませんか!?」
いままでの仕打ちのためか・・・・ ユリティーナ姫はまったく声を発しない。
白い目でミレイユを睨みつづけるのであった。
ヴィジャナル王国領内に潜入していたスパイ・メアの報告から
ユリティーナ姫は、きわめて誠実で良心的、実務能力のある人物だと判明した。
父親と違い真逆の性質である。
その報告書から、ミレイユは ユリティーナ姫を私たちの陣営に引き込みたいと考えた!!
私たち陣営には、まともな人材(普通の人ww)が必要なのだ。
ぜひとも ユリティーナ姫のような誠実な人物がほしい!! 仲間にしたい!!
血のつながる姉上ということもあるし・・・・
そのため・・・なんとか説得するミレイユだった。
「姉上! 血の繋がった妹の頼みをきいてほしいです!!」
涙目で訴えるミレイユ!!
でも、ユリティーナ姫には 涙作戦は通用せず黙ってミレイユを睨み続ける。
姫の周りに黒い瘴気も吐き出してきた!!
姫の心は荒み切っていたのである。
涙での説得は無理だ!! 次なる作戦は・・・・
・・・美味しい兎角料理の餌付け作戦である。
料理でユリティーナ姫の心をときほぐすのだ!!
メイドたちが 慌ただしくバルコニーと調理室を行き交う。
続々と運ばれる兎角料理がテーブルにずらりと並んだ。
実においしそうである。匂も刺激的である。
ユリティーナ姫の目が少し動揺してるようだ。
お腹も空いてるのだろう!!
こういうことがあろうかと サラの指示により姫には食事(餌)を与えてなかったのである。
そわそわ、そやそや ふわふわする姫・・・ 口からよだれが!?
そうです!! ユリティーナ姫は空腹に負けた!
ミレイユを睨みながらも、ユリティーナ姫は大口を開けて、料理を口に入れだした。
じつに見事な食いっぷりである。 令嬢とは思えない野生的な食いっぷりであった。
「おいしい!!」
ユリティーナ姫がやっと一言喋った!!!
おいしい料理効果により好感度がわずかにあがった +10
しかめっ面で睨むユリティーナ姫が わずかに笑顔となった。
機嫌もちょっとは良くなったのかもしれない!!
「妾は裏切り者とされているでしょうね。 でも!!この国のための協力なんてできない!」
「姉上・・・」
少しは会話してくれるようになってミレイユは、うれしくなった。
しかし、ユリティーナ姫はミレイユ陣営の参加を拒否するのである。
ユリティーナ姫は決してミレイユを嫌ってはいない。
地下牢に閉じ込められた可哀そうな妹。
お父様によって酷い仕打ちを受けた妹。助けてあげたい!!
・・・という思いはあったのだが、この妹はあまりにも傍若無人に暴れすぎた。
ユスティネス公爵家は潰された。
ヴィジャナル王国でさえ滅ぼしかねない!!
全てを破壊する傍若無人な妹の協力なんて出来るわけがない!!
「セシリアンナ!! 」
「あ うん」
ミレイユは本当の名前を呼ばれて ちょっと反応が遅れた。
「妾は国に戻れない! 戻ればきっと処刑。領地もなくなってるでしょう。
だからと言って セルーカ王国に協力できない。妾はどこか違う国に・・・
・・・・西方の国にでも行こうと思う」
「姉上! ちょっとまって」
「セシリアンナも・・・戦争なんてやめて・・・妾といっしょに西に行きましょう! 戦いのない地へ
そこで姉妹で幸せに暮らしましょう」
「えっ!」
ユリティーナ姫は妹のことを考えるやさしい発言をしたのだが・・・
まずい!! このままでは 私たち陣営に引き込むことに失敗する!!
ついに ミレイユは奥の手を使うことを決断したのであった。
「あ~ そういえば 姉上の部屋から強奪してきた衣装があったね!!」
ユリティーナ姫を腹パンにしたうえに壁にめりこませ部屋の衣装を盗んだゴーレム襲撃事件!
ミレイユは思案した。 もはやこの方法を使うしかない!!
ユリティーナ姫の秘密の性癖をチラリと見せれば、なんとか説得(脅迫)できるのではないか!?
ご都合主義かのように、ゴーレムたちによって盗まれたユリティーナ姫の衣装を
ミレイユはどこからともなく取り出してきて、チラチラとユリティーナ姫に見せたのである。
そうです。 かなり露出度の高い衣装である。
スケスケだったり、見えてはいけないところが見えてたりするトンデモ衣装である。
それを見たユリティーナ姫は、またたくまに顔が赤くなる。
露出度の高い衣装を好み、よく着るユリティーナ姫であるが けっして人に見せる為ではなく部屋着として着てるのだが・・
さすがに こんなとこで披露されるとはずかしい。
そして・・・・エルノスティ国王は好物のイチゴジュースを口からおもっきり噴き出しむせている。
ゴホッゴホッ!!
おまけに、ちょっと顔が赤くなってるようだ。
絶世の男の娘であるエルノスティ国王でも この衣装は驚いたのである。
見た目は男の娘でも、ちゃんとした男だったと証明された瞬間であった。
ちなみに、そんな衣装をチラチラ見せたミレイユをルナーリア王妃(仮)は睨みつけている。
「やめて~ 妾の・・・ あ~ あ~」
動揺しまくるユリティーナ姫。
まわりを見渡すと、エルノスティ国王他、全員の目がスケスケ衣装に釘付けとなっていた。
「うっうう どうして、こんなとこで・・・」
涙顔になっている姫であった。
ちょっと罪悪感がつのるミレイユ。
「姉上・・えっと ごめん えっと、この衣装を返しますので・・・セルーカ王国のため・・いや、仲間になって!!」
「なかま・・・」
その横では、そのスケスケ衣装の一つを手に持ち、その場で着替えようとするサラ。
もちろん、見た目は女性でも本物の男であるエルノスティ国王が目の前にいるため、
パウネリア侍女大臣によってサラの着替えは止められた。
ちょっと残念そうなエルノスティ国王!! やっぱし男であったようだ!!
もちろん、そばにいるルナーリア王妃(仮)はサラに対して睨みつけていた。
ルナーリア王妃(仮)の気苦労もたいへんである!!
「そうだ! 姉上が仲間になってくれたら、このような衣装を私たち聖女帝国直販店で販売して、
世間的に恥ずかしくない風潮をつくりましょう そして手に入りやすくしますよ!!」
もちろん ミレイユの口先だけの言葉で、こんな衣装を売るつもりはないが、
サラの目が少し光ったような気がした。
売らないでよ!! サラちゃん!!
いや! あの目は売るつもりね!
ユリティーナ姫は少し考えた。
あのスケスケ衣装は特注品で、普通に売られていない。
手に入れるには かなりの偽装工作を行った!!
注文主が妾であると特定されるなんてあってはならないのである。
・・・・って妾は なんてつまらないことを真剣に考えてるの!!
ばかばかしい!!
妾は こんなつまらないことで説得に応じるわけが・・・・・
・・・・説得に応じました!!!
「うっううう 妾は・・・けっして衣装で応じたのではないからね!!
妹のために仲間となって協力するのだからね! 妹のためだからね!! 」
ツンデレのような発言であったが、
その言葉を聞いたミレイユは ユリティーナ姫に抱きつき、頬を何度もスリスリした。
「ユリティーナ姉上!!! 大好き!!」
これを見たサラは、前世が男の子だったゆえか、
ユリティーナ姫の太ももに抱きつき何度もスリスリしたりした。
そして、すさまじい悪寒が姫の体内を走ったのであった。
「きゃぁぁぁ~ 太ももはやめて~」
ユリティーナ姫の叫びが城館のバルコニーに響き渡るのである。
こうして、このようなエロいトンデモ展開によってユリティーナ姫はミレイユの陣営に参加したのであったww
ちなみに、スケスケエロエロ衣装をユリティーナ姫に返却しました。
ちょっと サラが残念そうにしていたが・・・
その後 サラはスケスケ衣装のデザイン、量産、販売計画など計画するのだが、
{ 越後屋 }での販売は聖女帝国の威信を傷つけかねない恐れがあるため、
ダミー商店を立ち上げ、そこから販売することとなった。
普段着として町中を歩けば、警備兵に逮捕されるような衣装であるが、
寝着として大評判となり、セルーカ王国だけではなく他国に輸出されるようになった。
ちなみに ミレイユにとっては 恥ずかしすぎるので寝着としても使っていない。
ミレイユの寝着は、パンダ着ぐるみパジャマである。
けっこう可愛いくミレイユのお気に入りだったりする!!
これは、エルノスティ国王からプレゼントされたものであった。
噂では エルノスティ国王やルナーリア王妃(仮)の寝着も おなじくパンダ着ぐるみパジャマらしい。
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次の日・・・・
ラファーエル王子は エルノスティ国王との手短な会談とポルセン城壁都市の返還手続きを済ませた後、
ホールン伯と世話係兼護衛の4人と共に 本国であるヴィジャナル王国へと戻ることになった。
帰国の安全を考え、サラは大型輸送機・フガク2型で送ることにした。
零式フガクとは違い、安全性を高くした改良型である。
そして、聖女・セルーカ同盟の技術力の高さをヴィジャナル王国本土の人たちに見せつけ、
これ以上の戦闘を避ける思惑もある。
かくして ラファーエル王子・ホールン伯と世話係兼護衛を載せたフガク2型が飛び立つ。
もちろん1機だけではなく、護衛のために同型機10機も飛び立った。
数時間後・・・・
ヴィジャナル王国の港町タマラ―ト。
紅茶海に面した貿易港であり、ヴィジャナル王国にとって、重要な町の一つでもある。
その港町タマラ―トの上空を 謎の物体・大型航空機11機が何度も行き交い、町に住む住民を恐れさせていた。
これは サラの指示による無言の圧力・または砲艦外交ともいう(すでに交戦状態なのだが・・・)
町の警報が鳴り響き、兵士たちは路上を行き交い、住民たちは店を閉め家に籠る。
町の経済活動は完全に止まり戦時体制となった。
住民たちは不安そうに 窓の隙間から 妙な物体が飛び交う空を眺める。
散々、町の上空を飛び交った後、
このうちの1機、すなわち ラファーエル王子たちを載せたフガク2型は
着水用フロートを機体の下部からせり出し 無事に港町の沖合に着水したのであった。
今回は事故も起こさず無事に到着できたのであった!!!
零式フガクとは違いエンジン故障は・・・なかったわけではないが墜落するほどでもなかった。
事故だったとはいえないが、飛行中にエンジンから火を噴き出し、機内に煙があふれた程度である。
某21世紀の異世界では 旅客機内で煙が充満したら 間違いなくニュースになるのだが、この世界では・・・
・・・・・マスコミなんて この世界にないのでニュースにもならなかった。
ただし ラファーエル王子の顔が真っ青になってたらしい。
あと世話係兼護衛のひとりが 泣きながら叫んでいたとか・・・・・ ちょっとかわいそうかも。
港町タマラ―トの住民たちは 謎の大型飛行物体が空で舞っていることで恐怖と驚きとなってた上に、
その謎の物体が 沖合で着水したことから いよいよ戦争が始まるのではないかと大騒ぎとなった。
タマラ―ト都市防衛隊の兵士たちも、港の岸壁に集結し緊急の事態に備えている。
今までにない事態に困惑するタマラ―ト都市防衛隊長だが、
沖合で着水している機体から、ヴィジャナル王国国旗が振られているため
直接的攻撃はないだろうとは考えていた。
しばらくすると 飛空機体のハッチが開き、そこから船のようなものが出てきた。
その船は帆がないにもかかわらず、高速で移動し、またたくまに港に接近してきた。
そして その船が対岸に接すると、そこから6人の人物が上陸。
その後、船は海を高速のスピードで滑るように戻っていき、沖合の飛空機体に収納された。
上陸した6人の人物が 沖合の飛空機体に向かって 手を振ると、それを確認したかのように、
機体は轟音を響かせ、上空へと駆け上がり、上空で旋回していた他の飛空機体と共に雲のあいまへと消えていった。
タマラ―ト都市防衛隊長は 一連の様子を観察したあと、
手勢を率いて、上陸した6人の人物と接触したのである。
その後、
ヴィジャナル王国王都チャイアに ラファーエル王子の無事が報告されるとともに、
タマラ―ト上空に現れたセルーカ王国の恐るべき飛空船の目撃談も同時に報告された。
-------------------- To Be Continued ヾ(^Д^ヾ) ついに悪の手先になり果てたユリティーナ姫!!




