地下牢の秘密
ユリティーナ姫の言っていた妹
あの娘のことか・・・・・
ユスティネス公爵は 毒殺したはずの娘が気になっていた。
名前はなんといったかな・・・・セシリアンナだったかな!?
------ ついに本名があきらかに!!!
親も忘れかけ、本人も知らない名前を、本名といえるかどうか!?
かつて娘を閉じ込めてた別宅の屋敷前へと馬車で到着した公爵。
この屋敷を管理しているメイド二人がすかさずやってきて、
頭を深々とおろす。
「あ~ 君たちは自分たちの仕事をしてくれたまえ
わしはすこし用事があったので 来ただけだ」
「はい 公爵様」
メイドに目撃されるのも面倒なので、さっさと追い払うことにした。
娘を毒殺したあと・・・
・・・・なにもせずに放置してたんだ!!
ならば地下牢に遺体ぐらいは残ってるはず!!
公爵はひとり地下に降りていき 数年の間、すっかり忘れてしまっていた牢屋の前に到着した。
「ふ~む。 地下牢特有の嫌な臭いがしないなぁ。 それどころか花の匂いがする!!」
どういうことだ!?
そんなことより、さっさと死体確認をして、ついでに遺体を始末しないとなぁ
鍵をとりだした公爵は牢のドアを開ける。
ガチャ!!
少し強い風が ドアの隙間から流れる。
涼しく柔らかい風。 まるで高原の風だ。 なぜ!?
公爵は、あきらかに普通でない現象が生じていることを知る。
・・・・・すこしドアを開けるのを躊躇した。
半分恐怖、半分興味!!
開けないわけにはいかない!
ここに来た理由は 娘の死体確認なのだから!!
公爵は、決心して牢屋のドアを開けた!!
ギッギギギギギ―
錆びたドアの音である。 7年ぶりにドアが開いたのだ。
地下牢であるはずなのに・・・・・・
・・・・・そこは地平線まで続く高原だった。 遠くには羊の鳴き声。
そして 高原の真ん中にベットが一つ!!!
「なんだこれは!!!!」
「これは幻影投影魔具だな! どうしてこんなとこに・・・」
公爵はベットで、何かが寝ているのに気づく。
ゴクリ!!
あ~ 死んだ娘か!
あまり見たくないが 遺体確認をしないと・・・・
公爵は恐る恐る近づく・・・・
どわーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん
ベットに寝てるはずの娘が、いや違う! 死んでるはずの娘が
空中に飛び上がり巨大な影が、公爵をつつんだ!!
「 ・・・ って これ娘じゃない ゴーレムだ!!!!」
ミレイユが、この牢屋の見張りのために一体だけのこした アドバンスゴーレムだった。
『 だれだ!? 私をおこしたやつは 』
「 娘がゴーレムになってしまった~ 」
あの恐るべきゴーレムが・・・・・ 手を触れるぐらい近くで・・・
なぜ死んだ娘が・・・・
どうしてゴーレムが・・・・
怪奇現象とは違うリアルで物理的な恐怖が公爵を襲う。
「ぐぅああああああああ」
高原の地下室で?? 叫び声が鳴り響く。
公爵は慌てふためき、足をすべらせ ふらつきながら通路を駆け上がり、あわてて馬車の中に逃げこむのである。
「にげろ!! 逃げるのだ」
馬車の中で騒ぎ続ける公爵に御者もあわてて、馬車を急発進、屋敷から一目散に飛び出したのであった。
慌てて逃げる公爵を唖然と見るメイド。
「えっ! 公爵様・・・ 」
二人のメイドは、うろうろするばかり。
どうしたらいいの!? そんな困り果てる中・・・・
ふと後ろを振り向くと、
「きゃああぁぁぁぁぁ」
「助けて~~」
女性とは思えない、切羽詰まった叫び声と、
床を転び、はいずり、再び転がり 服をぼろぼろにしながら逃げる二人のメイド!!
そうです!!
地下室から階段を上がり、地上にゴーレムが出現したからである。
「ゴーレムが・・・・ゴーレムが出た!!」
その後 公爵は屋敷に逃げ帰り、騎士団に命ずる。
別宅の屋敷に急行しゴーレムを退治せよと!!
その騎士団出動に不信を感じたユリティーナ姫は、
父親であるユスティネス公爵の部屋に尋ね入り、何が起こったのかを問いただした。
はじめは地下室にゴーレムが出現したという話だったのだが・・・
話に矛盾があるところを ユリティーナ姫に付かれ慌てる公爵。
「地下に降りた理由が矛盾してるよね 」
「そんなことは どうでもいい とにかく地下に降りたのだ!!」
公爵は なんとか誤魔化したい!!!
「よく分からないけど、お父様は何に襲われたの?」
「死んだはずの娘がゴーレムになって襲ってきたのだ!!」
父親が何を言ってるのか分からないユリティーナ姫。
「妾の妹のことか・・・???」
「あああっそうだ! 毒殺したはずの娘が・・・・」
公爵は焦ってしまい思わず 口を滑らしてしまった!!
「毒殺・・・・!!」
姫の声が震える。
「い・・・や いや違う」
「・・・・・毒殺・・・おとうさま」
「毒殺したかも・・・ いや ゴーレムになってたので・・・死んでないから・・・」
声が小さくなっていく公爵だった。
「なんですって!!!!!」
姫は声を荒げた。
「いや・・・理由があって・・・」
「そんな理由は 認めません!!!」
「いや・・あ・・ちょっと待て!!」
「妹を毒殺したって!!」
「おい! 声が大きい・・」
「お・・おとうさま!!」
震えるユリティーナ姫。
妹を毒殺!? なんてことを・・・
毒殺から逃れた・・妾と同じ顔の妹が・・・恨みと怨念で!!!
あっあああ・・・・ それでは復讐されても仕方がない!!
ユリティーナ姫は 父親であるユスティネス公爵を睨む!!
そして、パンチの一撃が公爵の腹にめり込んだ。
腹パンを一発をくらい、転げまわる父親を眺めたあと、
ユリティーナ姫は騎士団を引き連れゴーレム討伐に向かったのである。
ミレイユの指示を勝手に独自解釈したアドバンストゴーレムは 地下牢に立てこもり、絶対防衛の体制で、
騎士団の攻撃を跳ね返していた。
狭い地下室通路のため、騎士団の数の優位を生かしきれなく、攻めあぐねていたのである。
ましてや、相手はアドバンストゴーレム!
普通の騎士では、歯がたたない強さ。
ユリティーナ姫の魔法も跳ね返していたのである。
普通の方法では撃破できない!!
「あれを使うしかないか!?」
一旦、ユリティーナ姫は屋敷に戻り、とある強力な兵器を取りに行った。
公爵家の秘密魔道兵器である、超魔力磁力砲である。
かつての超古代兵器!?と伝わる一品。
公爵家の家宝でもある。
魔力によって磁場を発生させて、鉄の弾丸を打ち込む兵器であり、
ユリティーナ姫が魔力を一時間こめてやっと一発を打てるという、使いどころの難しい兵器であった。
まず ユリティーナ姫は 40mm口径、全長3mのライフル銃の形態をした超魔力磁力砲をかつぎ、
牢屋に立てこもるアドバンストゴーレムに対して、
一発を撃ったのだが、撃った瞬間、あまりの反動で姫の体は後ろに吹き飛ばされ、
壁にたたきつけられたのであった。
そして、姫の放った弾丸は 反動によって目標とは全く違う方向へと 飛んで行った。
アドバンストゴーレムには 傷一つもついていない。
ちなみに この弾丸は 牢屋の天井をぶち抜き、その後 いろいろなものを貫通、
なおかつ、威力もほとんど落とさず地面から飛び出し、
そして、大木を倒壊させ、上空へと飛んで行った。
外れたとはいえ、あまりの威力に、顔を青ざめる姫である。
『 けっけけけけけけけ 』
アドバンスゴーレムは、余裕のドヤ顔で笑った。
「くっ くやしーーーーい」
姫の背後にいたラウリが 姫の肩を叩いて、
「次はわたしも協力しますから」
姫はうなずく。
一時間後、魔力充填をした超魔力磁力砲を 再びアドバンスゴーレムにむける。
姫、そして、ラウリや ほかの騎士団も 一緒に超魔力磁力砲をかかえこみ、
動かないように固定した。
発射の反動で ターゲットが外れないようにするためである。
「ゴーレム! これで終わりよ」
さすがにアドバンスゴーレムも、不味いとおもったのか、
立てこもりを放棄して、ユリティーナ姫へと 猛スピードへ突進してきた。
まさに超魔力磁力砲のゼロ距離射撃である。
轟音が鳴り響き、白い煙が もうもうと地下牢を覆う。
アドバンスゴーレムの腹に打たれた超魔力磁力砲の弾は・・・・
・・・見事に貫通しゴーレムの下半身を吹き飛ばしていた。
「やっ やったー 勝てた!」
姫とラウリの喜びは、束の間だった。
破壊されたはずのゴーレムから、何やら声がしてくる!!
『 起動不能! 起動不能! 自爆シークエンスにはいります。自爆30秒前、魔方陣消去・・・ 』
アドバンスゴーレムの仰向けになった目が赤い点滅を繰り返す。
「え・・・・自爆!!」
「逃げろ~~」
「とにかく逃げるんだ~」
姫とラウリと騎士団、あとは、この屋敷のメイドたちに声をかけ、
屋敷の外、敷地へと逃げこんでいく。
ドカーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン
ユリティーナ姫をはじめ、ほかの人たちも地面に伏せ、爆風を避けつつ耳をふさぐ。
巨大な火の玉が、浮かび上がるのを見た!!
凄まじい音、爆風!! そして あらゆる破片が空から落ちてきた。
ミレイユが使っていた地下の自室や露天風呂、そして子供のころから過ごした屋敷は、
跡形もなく吹き飛んだのであった。
「 みごとに吹き飛んだわね! 」
「 姫! 危ないとこでした」
「これって・・・・・もしかして証拠隠滅!?」
ユリティーナ姫は 白い煙をあげ、残骸だけとなった、元屋敷を眺めるのであった。
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「可愛そうに! 逃げてもよかったのにね」
マナヰタ飛空船の艦橋で、
ミレイユとサラは、牢屋に残したアドバンスゴーレムからの最後映像を
ディスプレイに写して見ていた。
「・・・・どうやら 私のことはバレたみたいね!」
「おねーさまって、やっぱし 公爵の娘だったの!?」
「あんまり親族のことを知らないけど、映像を見るとそうらしいね」
「じゃ 僕は遺伝的に、あの男! 牢屋の鍵を初めて開けたあの男が僕の父親ってことなんだ!」
「そうなるのかな!? わかんないや」
ドラゴンの魔石を使ってるとはいえ、ミレイユの遺伝子を使ったホムンクルス。
ということはミレイユとは双子ということになる。
ならば、あの男の子供と言えなくもない。
しかし、造ったのはミレイユだとすると爺さんにあたるとも言える。
「ユリティーナ姫の使ってた武器は、ぼくらにとってたいへん危険なものになりますよ」
サラは、ユリティーナ姫の使っていた超魔力磁力砲の映像を何度も再生して解析していた。
「あの武器をつかわれると、この飛空船に穴が開いちゃいますね」
サラは兵器に夢中であったが、
ミレイユは、破壊された屋敷に思いを馳せていた。
「あの屋敷・・・私の思い出もあったのよね。 ミルヤとも・・」
「・・・・・・」
「ミルヤはどうしてるんだろ!! 探しにいこうかな?」
-------------------- To Be Continued ヾ(^Д^ヾ) そして、屋敷は瓦礫となった。 証拠隠滅!




