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傍若無人なる至高の聖女  作者: 抹茶な紅茶
忘れられた地下牢の姫君
17/93

聖女は空から舞い降りない!!


飛空船艦橋では、ディスプレイの映像からショックを受け、ミレイユは放心状態であった。


コントロールの効かないマナヰタ飛空船の衝突により、高層建築物のいくつかが倒壊していく。

ずどどとどどーーーーん


「もう ぶつからないで」

ミレイユの声にもならない心の叫びである。




サラは、ディスプレイに表示させた魔道プログラムを入念に調べていき、

不具合の箇所をなんとか見つけだそうとしている。

「おねーさま  あと、もう少しです。 耐えてください!!」



破壊されていく町の惨状をディスプレイで見ながらミレイユは、

以前、読んだ英雄物語を思い出した。


復活した魔王が、飛空船で町を破壊しつくす物語を・・・・


「私・・・・魔王になったのかも!!!    私は退治される側なのね! 」


彼女の悲し気な声が、艦橋に響いた。



サラはミレイユの座る艦長席をちらりと見る。

「僕がいる限り おねーさまを守ります」




防音のため外部の音が聞こえない艦橋は 不気味に静まりかえっている。

ただディスプレイの映像だけが映し出されるのだった。




----------------------------------------------------------------




しばらくしたあと・・・・

ここでサラは やっと不具合と思われる個所を見つけ出した。



「原因が分かった!   やはり、魔道コンピューターのプログラムミスだ。

上昇と下降がひっくり返っていた。

ここの数値を マイナスをプラスにいれてと・・・・

よし修理完了」



「おねーさま   修理終了です」

ミレイユは、艦長席で座ったまま、なにもしゃべらなかった。

ミレイユの目から涙がこぼれている。



飛空船をすぐ上昇させ、この町から離脱するように、サラはオペレーターゴーレムに指示した。

この町の惨状を見てショックをおこしているミレイユのことが気になる!!


サラは素早く、この町から去ることにしたのであった。



マナヰタ飛空船は・・・・ 公都トウレクを襲撃したあと、

何事もないかのように、雲の彼方へと去っていくのである。


しかし・・・・・!!


「サラちゃん待って! 私! 耐えられない!」

ミレイユの目がサラに訴えかける。


「ん!!」


「飛空船を町の真ん中に移動してほしい! 負傷者を広域ヒール魔法で、助けたい」


「・・・・・・おねーさま!!」


サラはうなずき、パネルを操作、

飛空船の進路を変更し 町の中央付近上空へと移動させた。




トウレクの住民は空を見上げ、

空の魔王が 再び町の中心地に向けて移動し始めたのに気付いた。


住民たちは、恐れおののく!!

つぎにいったい何が起こるというのか!?



「 おい! あれを見ろ! 」

道路から、または窓から、屋根から、住民たちは空を指さす。



その恐怖の飛空船下部ハッチが静かに開きだし、なにか黒いものが並んでるように見える。


住民たちの多くが目を凝らし、何が並んでいるのかを見ようとした。

そして彼らは・・・・・・戦慄する!!!


マナヰタの下部ハッチにずらりと並ぶゴーレム軍団を見たのだ!!

町を戦慄に陥れた恐るべき略奪ゴーレム軍団である


「ついにゴーレム軍団の直接攻撃!」

「本気で、この町を占領する気だ!!」

「逃げろ!!」



恐怖が町全体を覆う。 

子供は泣き、あきらめて座り込む者たち、人を押しのけてまで逃げようとする者たち・・・

兵士たちは、最後の時が来たと知り、武器を構える!!


兵士、住民が右往左往する中、 飛空船の開いたハッチから清らかな風が吹いてきた。


心休まる静かな風、そして音と声、

逃げ惑う住民は空を見上げる。

目には見えないが、心で感じる幻想的な花びらが空を舞ってるように見えた。


興奮していた住民は徐々に平静にもどり・・・・現状を把握しだす。


薄いピンク色の霧が、町全体覆い 住民たちは なにか優しいものに抱かれる感触を味わう。


「なんなのこれは・・・・」


「神! 、いや聖女様が上空にいるのを感じるわぁ」


「こんな匂い、こんな感触、はじめて!!」


町の建物が破壊されたにも関わらず、住民は空を見上げ、歓喜の声をあげた。


その上、この霧は負傷者たちの傷をも癒していくのである。


瀕死の重症者は、たちまち傷が治っていき、

瓦礫で埋もれてる者は、たちまち傷が回復し、驚異的腕力で自力で脱出。

心臓が止まった者も 再び息を吹き返した。


死んだと思い悲嘆に暮れ悲しんでいた親族、友人は、いきなりの蘇生で喜び抱きしめあう。

清らかで やさしさが町全体を包み込むのであった。


しばらくすると・・・・


マナヰタの下部ハッチは閉まり、静かにマナヰタは上空へ浮上していく。


そして上空から、女性の声が響き渡る。


==== われわれは 背徳に染まった町に天罰を与えるために来た。

 しかし、死は望まない。  悔い改めよ!!! ====




公都トウレクの住民は、なんらかの心あたりがあるのか、

空を呆然として見上げていた。

聖職者の何人かは、空に祈りをささげる者もいる。



-------------------------------------------



「よっしゃゃゃぁぁー   なんとか隠蔽工作成功だ!」

叫んだのはサラである!

とりあえず、うちらは天罰を与える神の代理人ぽいことで済ませそうだ!


・・・・・かなり詐欺というか マッチポンプ!?

最後には、危ない薬で町の住民をマヒさせたような・・・・


まぁ・・・・いいか!!!




下部ハッチで、ミレイユはゴーレムに抱かれながら 

ありったけの魔力を駆使して 広範囲ヒール魔法を唱えた。

心臓が止まっても、再び蘇生できる強力なヒール魔法を町の隅々にまで

放ったため歩けないほど疲れてしまった。


聖女を越えるヒール魔法を保有するミレイユだからこそできる荒業である。


ゴーレムに抱かれながら ミレイユは艦橋に戻ってきたので、

サラは畳の上に布団をひいて、寝かせることにした。


「おねーさま! おつかれさま! おそらく町の住民は みな助かったはずだよ」


「よかった・・・  私、魔王になりたくないもん」


「うんうん、おねーさまは魔王じゃないよ! 聖女様だよ!」


「聖女ね・・  私はあまりいいことしたことないから無理よ 」


「いいえ! おねーさまは聖女です。   すくなくとも僕には聖女です」


「う・・うん  サラちゃん」


ミレイユは、かなりの魔力を消費したためか、すぐに寝てしまった。






地上から見えないように雲上に出て、西の大陸に向かうように・・・

サラは、オペレーターゴーレムに命じた。


この国から去るのは おねーさまにとっても、いいことだろうと考えたからである。




----- --------- ----------




だが!! 去れないのである。   



なにやら ナレーションのような声を聴いた気がしたサラであった。

・・・・と思ったらミレイユの寝言だった。




-----------------------------------------------





白い砂埃を上げた100騎の騎馬隊が公都トウレクへと向かう姿があった。

ユリティーナ姫を率いる騎士団である。


なんてことなの この騒ぎが身内のもめごとが発端とは・・・


副団長のラウリと騎士団の人たちを彼女はちらりと見る。

 

身内が騒ぎの発端であることは 絶体に外部に漏れてはいけない。

そんなことが王都に伝われば、まちがいなく我が公爵家はつぶされる!!

妾が絶体に あの二人を始末しなければ・・・・


「とにかく今は、トウレクの救援よ」

「はっ  姫様!!」




そして・・・・・・

・・・城壁やら、塔、建物が倒壊し 逃げる住民で混乱、収拾がつかない状態に、

なっているだろうと予想していた公都トウレクに到着した。


ユリティーナ姫の予想は違い、建造物は破壊されていたが、住民は穏やかであった。


一部住民は、空を見上げて、祈る人たちも・・・・


「なにがあったのじゃ?」

ユリティーナ姫は トウレク防衛司令官に尋ねると。


トウレクで起きたことを一通り話したのであった。


ユリティーナ姫は苦虫をかんだ。

妹たちは、完全にマッチポンプをしてる。

町を破壊した理由を正当化して、いつのまにか住民をまるめこみ、神のごとく振舞う!!


「うっぬぬぬぬ」


「治安は保たれてるようだが、とりあえず我が騎士団は、町の復興に助力をしましょう」




その後、ユリティーナ姫の父親に当たるユスティネス公爵は、

町の復興に資金をだすのを渋ったが、

姫は、むりやり書類にサインさせて、復興資金を吐き出させた。



妹たちが 町の住民に告げた言葉、


=== 背徳に染まった町に天罰を与えるために来た ===

 

公爵が背徳に染まったから、町が襲われたなどという噂が流れないためにも、

住民の福祉、復興に気を配らなくてはならない!


妹たちの目的が、暴動や内乱を誘発させるものとしたら、

身震いするぐらい恐ろしい事だ!!



だが・・このまま手をこまねいて見ているわけにはいかない!

浮遊するマナヰタ飛空船への直接攻撃の方法を見つけないと・・・

なにか強力な兵器がほしい・・・

我が公爵家で使える飛空船の調達はできないのだろうか!?



このヴィジャナル王国で飛空船を保有しているのは国王直轄部隊のみ。

我が公爵家の招いた災いを国王直轄部隊に頼むなんてことはできない。

妹のことが知れたら、公爵家は潰される!!


ユリティーナ姫は思案するのであった。






--------------------  To Be Continued \(・ω・\) 聖女! なんておそろしい子!


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