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傍若無人なる至高の聖女  作者: 抹茶な紅茶
忘れられた地下牢の姫君
16/93

恐怖の魔王は空から襲ってくる


公都トウレクのすこし離れた郊外にユスティネス公爵の屋敷が建っている。

この付近には、住宅は建っておらず、一般住民が立ち入ることがない地域である。

そんな地域に、ぼろぼろの姿でふらつきながら、屋敷に向かう女性の姿があった。


ライオネン=ユスティネス=ユリティーナことユリティーナ姫が、

一週間ぶりに、帰ってきたのである。



かなりの山岳地帯に降りたため、魔物退治をやりつつ、

付近の村で人助けと、盗賊退治、

ちょっとした女勇者物語を作り上げつつ、

やっと下山したのであった。


「思ったより、家に帰るのに時間はかかったけど・・・

妹のことについて、お父様に問いたださなければ!!」


ユリティーナ姫は、疲れてふらつきはしてるものの、確かな足取りで屋敷へと向かうのであるが・・・・


「・・・・・・どうして!!」


屋敷の門に近づく前に、巡回中の警備兵に不審者扱いされ、有無を言わせず追い払われた。

ユリティーナ姫の姿が、あまりにも ぼろぼろな姿だったからである!

「妾はユリティーナ姫! 分からぬか!!」


・・・と言ったが、兵士に無視されて、槍で追い返された。

魔法で強行突破もいいが、騒ぎは避けたいので、顔見知りでも探して助けてもらうことにした。


・・・・その後、外出中であった顔見知りのメイドを見つけ出し、

事情を話して、やっと屋敷に入れたのである。 


ちなみに、追い払おうとした警備兵は、平謝りとなった。



メイドに連れられて屋敷内の玄関ホールに入るユリティーナ姫。

この不審な ぼろぼろな姿の女を屋敷内にいれたメイドに警備兵が問いただそうとした時、



「ユリティーナ姫様が おもどりになられました!」

メイドの声が屋敷中にこだました。


警備兵は驚き、ぼろぼろな女の顔を確かめてみるや、ハッ! とした顔となり、

大きく礼をして、慌てて奥の部屋に駆け込んでいった。


しばらくすると、続々と公爵家家臣の者たちが玄関ホールへと集まってきた。



「姫! よくご無事で・・・」

「姫!」


ユリティーナ姫がマナヰタ型飛空船に連れ去られてしまってたため、

その対策に公爵の家臣が集まり 屋敷で対策会議をしていたところに、

ユリティーナ姫が帰ってきたのである!!


「皆の者に 心配をかけてすまない」

彼女は片手をあげて、健在であることをアピールした。


騎士団の副団長である大男のラウリは、床を揺らしながら、

喜びのあまりユリティーナ姫へと突進してきた。

まるで大熊が襲ってくるようで怖い!


「姫! 心配しましたぞー」

「ごめん ラウリ! 」


ラウリという名の大熊に肩をつかまれて揺らされる~

「ぐぁぁぁぁぁぁぁぁ」

 

そこへ 父親であるユスティネス公爵が、玄関ホールに駆けつけてきた。

「ユリティーナ  無事だったか!」

ユリティーナ姫を思わず抱き上げる公爵

「怪我はしてないか~  体は大丈夫か~」


「あ~  大丈夫です。  それより大事な話がありますので・・・」

彼女は周りに集まる人たちを見る。

「人のいないとこで・・・・」


と言ったものの・・・・彼女は風呂に入り、一週間ぶりの垢を洗い流して、

一息つけたあとで、父親の部屋に向かうのであった。

ユリティーナ姫は これでも乙女である!!

・・・・ においとか気になるし、服装も気になる!!



ユリティーナ姫は、入念に父親の部屋を見渡し、

人払いは確実であることを確認したあと、


「人に聞かれてはならない事案があります!」


「う!」


ユスティネス公爵は娘の一言で気構えた。

何かあったのではないのかと・・・


ユリティーナ姫は、長椅子に座る公爵たる父親を睨み尋ねるのである。

「妾の妹。 遠くにあずけたという妹はどうしてるのですか?」


「妹!?」


公爵は、地下の牢屋に閉じ込めた娘のことを 毒殺したことから安心して

元々、存在すらしてなかったように、すっかり忘れていた。


「・・・・・・・妹?」



「妾の三歳下ぐらいの黒髪の妹・・・」


ここで、やっと思い出す公爵。

「あ~ たしか病死したと聞いたが・・・」

娘を毒殺したことは、もちろん隠すのである。



「今、ここでそんな質問するということは どういうことだ?」


「妾が飛空船で囚われてた時、見たのです! ゴーレムに命令していた人物を・・」


「我が公爵領をあらす盗賊の頭を見たのか!?」


「見ました!! 驚くべきごとに、 妾とそっくりの顔をした黒髪の女の子 

そして 同じ顔をした猫耳の青い髪の女の子。   二人です」


「え・・・・・!!!」

公爵は驚く!!


「お父様・・・・・・・  黒髪は魔力がないといって嫌ってたわよね」


「まさか・・・・ いや! 死んだはずだが・・・」

だが、公爵はこの時、思い出した。  確実に娘の死体を確認してないことを・・・

もしかすると!!!


「それから 青い猫耳少女! お父様の浮気相手に獣人はいなかったの!?」


・・・・・・・まずい! 獣人の女と何人かは・・・

十数人ぐらい!?  いちいち顔や名前なんて覚えてないぞ!!


まさか、娘に浮気相手を聞かれるとは、思わなかった。

かなりうろたえる公爵!


「えっええ・・・うっうう、  しかし・・だな・・・   あ~  男というものは・・・う・・」


「ここで妾は、浮気相手のことは・・・どうでもいいことではないけど・・

・・そんなことより!! 浮気相手との間に 子供はできなかったの!?」


「・・・・・・・・し・・しらない!」


しどろもどろで答えてしまったが、実際は知らない!

子供が できたなんて話は聞いたことがない。     

相手の女が 子供を身ごもったことを隠してはいないという前提だが・・・


ちょっと 気まずい雰囲気が流れる・・・・



「お父様、なにか知ってますよね! このゴーレム騒動は、仕返し、いや復讐かもしれませんよ

妹たちは 強力な兵器を搭載した飛空船をもって暴れようとしてます!!

そんなことになれば・・・・・」




どどどどど゛どどどどど どと-----------------------------ん

地響きが屋敷全体をゆらした。  


地震!?


そして、部屋全体を凄まじい光で包み込み、その光に耐え切れず、

公爵も姫も目をつむってしまった。


「なにがおこったの!!」


公爵とユリティーナ姫は、振り向き、カーテンをしている窓からの凄まじい光源を見た。

二人は、窓際に駆け寄り、外の様子をうかがう。


遠くには公都トウレクが見える・・・・・


「なんてことなの!!」

ユリティーナ姫は叫んだ。


公都トウレクで最も高い塔に マナヰタ飛空船が衝突し、

塔が崩壊していく光景が見えたのである。


そして 崩壊した塔から白い砂埃が舞い上がり、町全体を白く覆い、遠く離れたこの屋敷にまで、

白い粉が飛んできた。




「ついに復讐を始めるつもり!?」

公爵とユリティーナ姫は 愕然とした。


「いや すぐに騎士団を出動しなければ!!!」





-------------------------------------------------



これより少し前、


飛空船は雲上にて浮遊するものの、前進するための魔道エンジンが非力すぎるため、

亀なみの速度しか出なかった。



「遅い! 遅い!  兎が油断でもしないと勝てないレベルぐらい遅い!! 」

サラは決意する!!

新世代のエンジン開発へと。   打倒! 兎君。



そして、まもなく、サラは、改良型ロータリー魔道エンジン・亀2.0スーパーチャージャー!?を開発し

3基ほど並べて設置したら・・・・・


見事に降下し始めました!


危機です!

墜落です!

マナヰタの危機です!





マナヰタ飛行船の艦橋で 艦長席に座り事態の推移を見守るミレイユ!

実際には 何をしていいのか分かっていないミレイユである!!!

「船が降下しているわよ。 落ちないわよね??」



サラはパネルを操作し なんとか、船を浮上させようと試みる。

「あああっ  各種設備のテストもせずに、いきなり設置したのが不味かった!!!

予想外の動作をして コントロールが・・・・・」


「サラちゃん・・・・ テストぐらいしてから設置してよ!!」


「でも・・・墜落しても、反重力と魔法防御幕で、うちらは怪我をしないはず・・・・

船は壊れるけどね!!!」


艦橋内のオペレーターゴーレムたちも パネルの操作をするために右往左往をしている。


船の動力原理が わからないミレイユは、

艦橋の四方に設置しているディスプレイを見るだけしかできなかった。

表示される数値がものすごい勢いで減っていく。あの数値は高度計なのである。


そのディスプレイには、大きな町のど真ん中に向かって、

ものすごい勢いで町が拡大表示されていく。


そうです! マナヰタ飛空船が町のど真ん中に墜落しようとしていたのであった。


そして、ついに、目の前に巨大な塔が立ちふさがる。


音はしなかったが、飛空船は、わずかに揺れた。



ミレイユは事態の重大さを認識し恐怖する。


「町の方へむかっている・・・・

あああ~~   なにかとぶつかっちゃった!」



「大丈夫だ! この船は魔法防御幕で守られてる。

現在 損傷なしだ」

サラは パネルのディスプレイを見て、損傷状況を確かめる。

「なんとかして 浮上させるわよ!

地上になんか落ちたら  あの騎士団が襲ってくる!!」




しかし ミレイユはサラの言葉なんて聞いてなかった。

ディスプレイに映し出される塔の崩壊、逃げ惑う人々、そして 泣き叫ぶ子供!!

たいへんな事故になってしまったことに、彼女の顔は蒼白になっていた。

とくに、泣き叫ぶ子供を見たときには、ミレイユの手が震えた。



「サラちゃん・・・・・わたしは・・」





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公都トウレクの町の上空を かろうじて浮遊しゆっくりと進むマナヰタ飛空船。


サラの必死な、魔道コンピュータープログラムの書き換えによって、

何とか墜落は免れたが、いまだ不安定な動作のため、

飛空船は上下に激しく揺れていた。



すでに、高層建築物である塔のいくつかに衝突してしまい、すでに倒壊させてしまっている。


「やめてくれ~  塔を破壊するのはやめてくれ~」


「娘が~ 娘が~」

「おかあさん どこ~」

「ふぇ~~~ん」


「なにもかも、破壊されてしまう」

「地下壕に避難するんだ!!」


「ノロイラダムスの予言通りになってしまった! 」

「あれが! 恐怖の魔王に違いない 」


「魔王! あれは魔王  ついに魔王の魔の手が」


予言書を持った神官が 空を仰ぎ見て悲観にくれる。




町は逃げ惑う人々で 道路は混雑し救出に向かう兵士と住民で大混乱となっていた。

まさに地獄絵図である。



公都防衛隊はマナヰタ飛空船にたいして、反撃を試みるが

まったく歯が立たなかった。


城壁にある備え付けの大砲での一斉砲撃、

飛空船の壁面が白い煙でおおわれる程度で、まったく傷もつかなかった。


魔導士たちの一斉魔法攻撃も、飛空船周辺のバリアのようなものに、弾かれて、

光が四散し打撃を与えることができない!


飛空船の魔法防御幕の硬さに兵士たちは驚愕した!


これでは、攻撃する手立てがない!

公都防衛隊隊長は、空を見上げ、マナヰタ飛空船を睨むことしかできなかったのである。









--------------------  To Be Continued \(・ω・\) 予言集・恐世記20巻、恐怖の魔王は空から襲来。





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