浮上せよ!! 飛空航行艦マナヰタ
両陣営は狭い洞窟内で岩や瓦礫を盾代わりに魔弾を撃ち合い、
何十発もの凄まじい光の矢が飛び交う。
ズトーーーーーン
ドカー―――――ン
魔弾の着弾により絶えまなく揺れ続ける洞窟内、白煙と炸裂音が鳴り響く。
まさに壮絶な戦いを演じる騎士団とゴーレム軍団。
AI知能のゴーレムと違い、人間としての魂を持つ騎士たちは、
凄まじい攻撃に、恐怖を感じた!!
そんな恐怖を和らげるかのように 魔弾の銃撃の中、ひそひそ話が聞こえる。
「俺! この任務が終わったら、あの子と結婚するんだ」
「やめろー フラグを立てるなぁ」
「・・・って!? あの子って?」
「ごめん 妄想でした!」
フラグが無事に折れました!!
「それより このポートレートを見てくれ。 俺の娘なんだ!!」
「どうして、お前らはそんなにフラグを立て・・・・
・・・・立てると思わせて、立てないってオチだろ!!」
ドキッ!!
「どうせ! 娘とかいって 猫の肖像画じゃないのか」
「・・・・・・・むっむむ」
「だからといって 今からポートレートに娘の顔を描くのじゃない!!」
「っていうか おまえ結婚してないだろ!! 隠し子か!?」
「10年後を予想(妄想)した娘の姿を描く!!」
このように、騎士団のごく一部には、錯乱をおこす騎士が ちらほら見かけるほどの
壮絶な戦いの様相を呈してきた。
ズド―――――ン
ドカー―――――ン
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ゴーレム軍団は数の差により徐々に、撃ち負かされ劣勢状態にあった。
ここを突破されると、飛空船建造広場にまで達してしまう!!
艦橋室でパネルを操作しつつディスプレイを眺めるサラ。
「ミレイユおねーさま! この飛空船を浮上させます!
ここから脱出して、いよいよ外界に出るので、船外にいるゴーレムやら機材の回収をしてちょうだい」
「うん!!」
ミレイユは魔具端末で指令を送り、ゴーレムたちは大慌てで機材を飛空船の倉庫に収納し始めた。
そして、騎士団と交戦中のゴーレム隊は、銃撃を中止して一斉に退却をするのだが・・・
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「 ラウリ副団長殿! ゴーレムたちが戦闘を停止し逃げ出し始めました」
「 ふむ! 急に逃げ出すとは・・・・!?」
罠?という単語をラウリは脳裏に浮かび上がらせた。
しかし、わずかに躊躇したが、決意した。
「追撃せよ!!」
騎士団は抜刀し、一斉に突撃を始めた。
副団長のラウリはもちろん、後方に備えていたユリティーナ姫もである。
いや、逃げるゴーレムを追い、恨みか!?、はたまた、
逃げる獲物を追ってしまうという野生の本能に目覚めたのか!? ユリティーナ姫は、
とてつもない速度で、飛び出してしまった。
この騎士団の追撃のため、逃げ遅れた何体かのゴーレムは、騎士団により粉砕されたのであるが・・・
この際、ユリティーナ姫は倒れたゴーレムにたいして、何度も剣を叩きつけてた様子が目撃された。
完全に理性が吹っ飛んでたのである。
飛空船の下部ハッチが開き、騎士団に追われたゴーレムたちが続々と飛空船に避難していく。
・・・と同時に船の側面に収納されていた3つの砲塔がせり出してきた。
そして この砲塔は、ゴーレムを追いかけ、
そのまま飛空船下部ハッチに侵入しようとした騎士たちにターゲットする。
ゴゴゴゴゴゴゴゴーーーーーーーゴゴゴゴゴゴーーーー
凄まじい炎と、轟音が周囲にとどろき、洞窟全体を揺らす振動!
追撃する騎士団は思わず足を止めてしまった。
騎士団に電磁砲が発射されたのであった。
前世の知識と魔法を組み合わせ 試行錯誤のすえサラが開発した最新兵器!
魔具によって発生した強力な磁場により 鉄弾を恐ろしい速度で前に押し出す超高速砲弾である。
騎士団の足元に激突した電磁砲は、その衝撃波一発で20人の騎士を吹き飛ばし、
岩の床に半径10mの円形のくぼみを作った。
「まずい いったん下がれ!! 」
ラウリは叫び、騎士団は電磁砲の視界からいったん離れ洞窟通路内へ逃げ込んだ。
「あれはいったいなんだ、白くて四角い巨大なマナ板の横から、大砲のようなものが・・・・!!!」
その間にも、もう一発の電磁砲が放たれ、騎士たちが隠れている洞窟通路の床を吹き飛ばし、
何人かの騎士が衝撃波のため壁にたたきつけられた。
このとき、ラウリはユリティーナ姫の安否が気になり、
騎士たちの後方で待機してるはずの姫を探す。
いない!!
「え!」
なにかいやな予感をしたラウリは、前方を見た!!
黒い影が走っていく姿だった。
「行くな!! もどれーーーー」
その黒い影は、ラウリの叫びも聞かず、ゴーレムたちが収納されるハッチへと走っていく。
「このまま 逃がさないよ!!」
逃げる獲物を捕らえようとしてしまう野生の本能だったのか!? それとも、
怒りか!? 恨みか!? 理性が半分ぐらい吹き飛んだユリティーナ姫は、ハッチへと突入していった。
「姫様だめでーーーーーーーーーす!!!」
ラウリは叫んだが・・・・遅かった!!
「ひめさーま」
ユリティーナ姫は飛空船ハッチに飛び込むと同時に、ハッチは閉じていき。
姫の姿は消えていったのであった。
そして、マナ板の形をした飛空船は、ゆっくりと浮上をはじめた。
もはやラウリには、どうすることも出来なくなってしまったのである。
艦橋にいるサラは、ディスプレイを見ながら慎重にパネルを操作をしている。
各種システムの試験などをせずに、いきなり浮上、発進ということで、
どこで不具合がでるのか、わからない状態である。
艦橋の前面に並ぶ席には、ゴーレムたちも座り忙しそうに、各種操作をしている。
・・・・ゴーレムもオペレーターができるんだ!!
それにひきかえ・・・ミレイユは することがないので椅子にふんぞり返って艦長をしている。
「マナヰタ船 発進せよ!」
ミレイユは艦長となり のりのりである。
「とうとう 船の名前がマナイタになっちゃった!」
悲しい顔になるサラであった。
さよなら私の異空戦艦ミカサ!! あなたはとうとうマナ板になってしまったのよ!!
ゴゴゴゴゴゴッッゴゴゴゴゴ
マナ板になってしまったことを嘆くがごとく、轟音をあげる飛空船!!
この大広間の洞窟の天井には サラが仕掛けていた水蒸気爆薬を いくつもしかけており、
この爆薬が一斉に爆発した。
スド――――――――――――――ン
飛空船の上から 多くの岩と砂が落ちてくるが、
この飛空船には強力な魔法防御がはられており、簡単には傷がつかない。
サラの操作により、そのまま浮上していく。
爆薬の力だけでは、地上にまで穴をあけることができないため、
そのあとは 飛空船の側面、上面に収納されていた電磁砲10門が、
せり上がってきた。
「 アニメ通りに 主砲で、天井に穴を開けます! 一斉発射!!」
電磁砲10門による一斉射撃で、マッハ6に迫る弾頭は貫通力と衝撃波を、
まき散らしながら、天井に大穴をあけるべく挑戦状をたたきつける!!
ドッドドドドドドッドドドトド
凄まじい轟音と破壊力で、岩を削り、砂が舞い散り、飛空船の周りは
白い霧に覆われる。
艦橋室にいる二人も、白い霧で何も見えないディスプレイを眺めていた。
『 ディスプレイ表示を赤外線表示にかえます 』
オペレーターゴーレムの発言により、ディスプレイには赤外線色に染まる外部の景色が表示された。
その景色には、ものすごい量の岩や砂が天井から降ってきており、
ときおり飛空船自体も大きく、揺れ動いている。
「サラちゃん・・・ 本当に地上にでれるの!?」
「う・・うん アニメでは、主砲で外にでれたはずだけど」
「アニメ!?」
サラの前世知識発言の意味がわからないミレイユだった。
そして電磁砲と魔法防御をたよりに、洞窟の天井を つぎつぎと崩していき、
ついに地上へ達したのである。
飛空船の強力な魔法防御のため、周囲の砂や岩は、吹き飛ばされ、
つむじ風が多数発生、地上は台風の直撃をくらったような、
突風があれ狂っていた。
その突風のなか、飛空船はゆっくりと浮上していき、その全貌があきらかとなる。
地上100m上空に マナ板の形をした白い飛空船!
150m * 100m 高さ30m の四角形なマナ板である!!!
映画やアニメで もしも、こんな形の宇宙船が登場したら、
手抜きといわれるぐらいの形態である。
でも・・・電磁砲がせり出してたら、ちょっとは ましになるかもしれない!
ラウリ率いる騎士団は洞窟から あわてて外に出て、冒険者たちとともに、
空を見上げた。
そこには 白いマナ板が浮かんでいた。
「あそこにユリティーナ姫が・・・・」
大男のラウリが地面へと座り込んでしまい愕然としていた。
「ひめーーーーーーーーーーー」
ラウリは大空に向かって叫ぶしかなかった。
そして、 マナ板飛空船は 空高くへと浮上していく。
雲の上へと・・・・・・
これが、ユリティーナ姫を見た最後の姿で・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・はなかった!!!
-------------------- To Be Continued \(・ω・\) 危うし!! 我らのユリティーナ姫




