Fly Me into Space ミカサ発進せよ!
冒険者協会とは、いくつかの国家にまたがり魔物退治を主とする組織である。
協会は冒険者にライセンスを発行し、魔物の強さに応じて、魔物退治を依頼する。
初級からはじまり 準七級、七級とつづき、
一般的にベテランといわれるのは準四級からである。
ちなみに、エサイアスは三級にあたる。
そのエサイアスは へこんで、ぼろぼろになった鎧のかっこうのまま
公都トウレクの冒険者協会に駆け込んだ。
「ゴーレムを操る魔導士を見つけた」
「えっ!! 」
冒険者協会の受付嬢が 思わず声を出してしまった。
ゴーレム問題は、この冒険者協会では大変な問題になっており、
最重要クエストになっていたのである。
「しっ失礼、すぐに協会長に連絡します」
受付嬢は、あわてて協会長室へと駆け込むのだった。
エサイアスは、とりあえず兜を脱ぎ、最低限失礼のないように、髪を整える。
冒険者的な筋肉のしまったスリムな肉体と魔力を持ち、25歳ほどの若々しく見える青年である。
その後、受付嬢に案内され協会長室へと足を運ぶのであった。
白いひげを伸ばした、60過ぎほどの白髪の人物が椅子に座っている。
トウレク冒険者協会長サロモンである。
「エサイアスか!! ひさしぶりだな」
「協会長殿、お元気そうで なによりです」
「うむ。 まぁコーヒーでも飲みながら、ゴーレムについて話してほしい」
エサイアスは、ここで悩んでしまった。
ゴーレムを操り、強奪を繰り返していた魔導士が、まだ10代の少女だということを、
話して信用されるのか!?
それもゴーレム事件は2年前から発生してるなら、
あの少女は10台前半で ゴーレムを集団で操っていたことになる。
それは魔力的、魔術能力的にも荒唐無稽すぎる。
あのように ゴーレムを操れる人物は、魔術師協会の上位の人間でないと無理だ。
いや、上位ですら難しいかもしれない。
とりあえず少女の年齢のことは、避けて話すことにした。
「ゴーレムの調査をしてるうちに、人里離れた、まだ人に知られていないと思われるダンジョンを発見。
そして そのダンジョン内にて、ゴーレムの波状攻撃を受けました」
それから、エサイアスはダンジョン内での死闘について、細かく話したのである。
「・・・・・・何!!! よく無事で帰れたなぁ!!」
協会長サロモンは驚く。
「けっこう危なかったです。 ほら 鎧がこんなにボロボロにされました」
エサイアスは、ぼこぼこになった兜を見せる。
「おいおい、待てよ・・・ こ、これは・・・ よく命があったなぁ!!」
協会長は、兜を手渡されて、驚いたように兜の手触りやら消耗具合を見た。
「それで ゴーレムを操る犯罪者を見たのか?」
エサイアスは首を縦に振り答える。
「女でした。 おそらく二人!! 一人は黒髪で腰まで長かったです」
「年齢のほうは?」
10代の少女と言うわけにもいかず・・すこし躊躇したあと、
「そこまで、年齢を判別できませんでした」
「うむ・・・・」
「細かく事情を聴きたいが、今は疲れてるだろ、とりあえず帰って休んでくれ」
「でわ、おことばに甘えさせていただきます」
エサイアスは、出されたコーヒーを味わいながら、飲みほして、
ニコリとした顔で退出した。
その後、協会長サロモンは、魔術師協会を中心に黒髪の女性のリストアップすることになる。
「黒髪で強力な魔力持ちか!! これはかなり珍しい組み合わせだ
すぐにでも、見つけることができるなぁ」
・・・・・・・・・・・・・・見つかりませんでした!!!
黒髪は やっぱし魔力の相性がわるく、なかなか該当者がいない。
我が国でもあるヴィジャナル王国、宮廷魔導士に何人か黒髪の女性魔導士がいるのだが、
問い合わせたところ、王都チャイアから外にでてないことの確認が取れた。
あとは在野の魔導士を探すしかないか!!
まてよ!! その女! 髪を黒く染めてた可能性もあるのか・・・・
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ミレイユはゴーレムの影で座り込んで半泣きの状態である。
サラは大喜びではしゃいでいる!!
現在! 崩落した洞窟の復旧作業は停止して・・別の作業をしているのである。
ズドーーーーーーーーーーーーーーーーーーン
洞窟ダンジョンで爆発音が響く。
軽い地響きが地面を揺らし、天井から砂粒が落ちてくる。
ミレイユは耳を手で塞ぎ、周りをゴーレムで守られていた。
サラは洞窟ダンジョンの壁に小さい穴を開け、そこに水を入れる。
そして、魔法詠唱して高圧火球弾をその穴に当てると、水が蒸発膨張し、
壁が爆発する。
ズドーーーーーーーーン
「あっはははは 大爆発! うひぉぉぉぉぉ」
前世が男の子だけあって、楽しいらしい。
「きゃ~~~~~~」
手で耳をふさぎ 座り込みながら半泣きをするミレイユ。
なぜゴーレムの力で掘らず、爆薬もどきで、
洞窟ダンジョンの壁を掘っているかというと・・・・・・・・
・・・・・・・サラの趣味ではなく効率性なのだが、
・・・・やっぱしサラの趣味である!!
サラはドラゴンの魔石とミレイユの遺伝子をもとに作られたホムンクルスであり、
体内にドラゴン由来の能力が備わっている。
そして ドラゴンの感知能力により、
この壁には、特別な鉱石が含まれてることが分かったのである。
強力な魔力の放出と、平衡感覚を失わせ めまいを引き起こす謎の力。
サラには、体内に眠るドラゴンの知識により、
この鉱石の正体をある程度分かっていた。
ドラゴンは巨大で体重が重いのに反して、羽は小さい!
なぜそんな形態で空を飛べるのか!?
ドラゴンはこの鉱石を食べ、体内で保管することにより
飛べるようになったからである。
すなわち飛空石!!!
簡単にいうと反重力の性質を持っている。
「ふっふふふふふ おねーさま、この鉱石を使って、自由に空を飛びましょう」
サラは大量に掘り出した飛空石を、手に一杯もって力説する。
「・・・・・・・・空???」
良くわかっていないミレイユだった。
「天空の町とか 巨大飛空船とか ロマンが・・・・ 夢が・・・・
そうだ!!!! 異空戦艦ミカサを再現するのだ!!!!!」
ミレイユの傍らで 転げまわりロマンをかたるサラであった。
とにかく、この壁に埋まっている飛空石を採掘するのだ~とサラは張り切るのであった!!
どかーーーーん どかーーーーん
発破の音が洞窟で響き渡る。
ミレイユは 耳を塞ぎ、ゴーレムの影に隠れ震えるのだった。
・・・・・・・・
サラの言う飛空船( 異空戦艦ミカサもどき )を どこで造るべきかというと、
洞窟の下層の大広間しか思いつかない
100M四方はあり天井の広さもかなりある。
床面もある程度平面であり凹凸も少ない。
ここで、飛空船を造れと言わんばかりの広場・・いや作業場である。
「 アニメの再現だ! ロマンだ! あの広い洞窟空間は 僕に戦艦を作れと 語りかけてくる!」
完全にサラは オタクに染まった!!
「でもサラちゃん、そんな洞窟下層の広場で飛空船を建造して、どうやって外に出すのやら!?」
ミレイユの ごもっともな質問である。
「 アニメでは 洞窟を主砲で吹き飛ばして浮上しました 」
「えっ 本気でやるの!?」
ミレイユはあきれ顔!!
とにかく サラの大ロマン、飛空船づくりを語る。
「 飛空船で旅する方が楽だよ。 二人の寝室も作れるし、 作業場もつくれる。 ゴーレムも収納できる。
大空を見ながら食事ができる。 それに・・・・船の中で露天風呂を・・・」
ミレイユは 露天風呂という単語に反応した。
「露天風呂!!」
「吹き抜けにして、本物の空の下に露天風呂を造ろう!」
「うっふふふ」
「ふっふふふ」
サラとミレイユはハイタッチした。
「作りますか!!」
「ちょっと不安だけど 作ってみる!!」
今! 飛空船・異空戦艦ミカサ(仮称)の建造が始まった。
洞窟内広場には いたるところで照明魔具を設置した。
その照明魔具のきらきら光る明かりによって昼間のように洞窟は照らし出されている。
これで 洞窟内でも、外にいるかのように作業ができる。
温度が適温になるように、空気清浄魔具も設置した。これで快適に過ごせるようになった。
あまりにも快適すぎて眠たくなるほどだ。
護衛ゴーレム隊は 付近から襲ってきそうな魔物の警戒!
他のゴーレムは ミレイユやサラの指示に従って 建造を手伝うことになっている。
船体の外装構造は洞窟内の資源を利用!! ・・・・現地調達!!!!
ミレイユの担当は船体外装つくりとなった。
ミレイユの指示によりゴーレムは資源を採掘・精錬して、ブロック型に加工、
この加工したブロックを組み立てることにより、船の船体を建造していく。
ミレイユは適当に設計図を描き、その設計図どおりにゴーレムが作業していくのであった。
重労働を汗だく?で働くゴーレム。
その横で、気楽そうに魔具端末で進捗状況を見つつ応援だけするミレイユ・・・
「ゴーレムさんたち! がんばれ~~」
ドカーン ドーン ガシャン
ドカーン ドーン ガシャン
ブロックの組み立てによって飛空船の船体を形づくっていくのであった。
一方・・・・・
サラは、オタク知識によるオタクパワーをフル活用して、船体内部の魔道機械機構を作っていた。
まずはエネルギーを供給するための飛空石核融合炉の設置。
とにかく・・・飛空石から染み出すパワーをエネルギーに変換する装置である。
時空間パワーの三段活用により反物質が以下略・・・詳細は省くwww
そして・・・生み出したエネルギー(電気!?)を活用した各種装置の開発。
Not回路、OR回路、NOTor回路、 おっとと回路 、集積回路・・・
ミレイユには、サラが何をしてるのか分からなかったが、
前世における異世界の魔道技術に違いないと思い、
期待をふくませるのであった。
ときおり、うまく動作をしないのか、半泣きするサラの姿を見れた。
髪を振り乱し、猫耳が逆立つ姿も見られた。
怖い・・・・!!
サラは3日に及ぶ悪戦苦闘を演じたのである。
「まだまだ、完全に完成してないけど・・・ ある程度の基礎システムは完成した」
サラは、船内機関室の魔具動力システムを見ながら感慨にふける。
半径5M程の赤く点滅する飛空石の周りをコイルでまかれ、
その周りを円筒形のものがクルクルと回転する。
そして 安全性のためか、その周りをガラスで二重に覆われ、
危険という札を貼っている。
これはこの飛空船の動力にあたる部分。
飛空石の力を倍増させ、強力な浮遊力と駆動力を生み出す!!
「 ロータリー魔道エンジンだ 」
サラは前世で見た色々なあれあれの影響をかなり受けている。
「そろそろ おねーさまのほうも、船の構造が完成したころかな」
サラは船外に出てゴーレムたちに指示しているミレイユのもとに、
走っていった。
「 おねーさま 」
「 サラちゃん 」
おもわずハイタッチをする二人。
「飛空反重力装置が完成するめどが立ったよ!!」
サラはうれしそうにしゃべりつつ、飛空船の全体像を見た。
「お・・・おねーさま。 この船の形って・・・」
長方形の四角!!
どちらが前でどっちが後ろか分からないぐらいの長方形。
ずばり言いますと、まな板です。 空飛ぶまな板です。
姉妹船に包丁がほしいぐらいの まな板です。
ミレイユは とりあえず艦橋と 二人の私室のほか、作業部屋、露天風呂、ゴーレム待機室など、
内部構造ばかり考えて、外見なんて気にしなかった。
船体を形作る加工ブロックが四角形のために、自然と飛空船が、四角形になってしまったのである。
とりあえず ミレイユは四角系でいいだろうと安易におもっていた。
「見た目が・・・ まな板」
異空戦艦ミカサのイメージが、まったくないというか 飛空船ですらない。
と、とりあえずミレイユは なんとか言い訳することにした。
「 見た目はあれだけど・・・
内部は露天風呂に・・・広い自室に・・・
いろいろな施設をつくったのよ!」
「おねーさま・・・・・ 」
「サラちゃん・・・・・ 」
・・・・沈黙が流れる。
外観は、そのうち付け足して改造するしかないよね!
サラは心の中で考えるのであった。
「と とりあえず、露天風呂でも入りましょう」
気を取り直し、二人は初風呂に入りに行くのだった。
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飛空船の上層部に露天風呂を設置しました。
露天風呂の壁は、マジックミラーになっており、
外からは見えないが、中から外の景色が見えるようになっている。
そして・・・・
天井は吹きさらしで 地下牢の露天風呂と違い、
本物の空が見れるようにしたのである。
でも、ここは洞窟なので空は見えず、洞窟の天井しか見えない・・・・
カポー――ン
40M四方は あるかという広い露天風呂である。
この飛空船のけっこうな面積を露天風呂にあてていたのである。
「ひろ・・・い!!!」
二人は、ひろーーい露天風呂の中で、作業の疲れを癒していた。
心地よいお湯の温度が、体全体をリラックスさせていく。
風呂の湯気が、空へと立ち登る。
二人は、湯気の方向である天井方向を見た、
「洞窟の天井を見てもなぁ」
「うん ただの岩ですね」
「上から虫とか落ちてきそうだ」
「キャー それはいや!!」
「あと 誰かに覗き見されないか心配だ」
「天井を開閉式にしたほうがよいかな」
「うんうん 開閉式でお願いね」
「さっそく ゴーレムに命じて作らせることにするよ」
カポー――ン
石像で作ったゴーレム頭の口からお湯が湯舟に流れ込む。
ジャバジャバジャバ
湯煙で視界が悪くなり二人の姿がシルエットになったところで、R18規制にひっかからないように
サラが湯舟から立ち上がり風呂から出るのであった。
「おねーさま、そろそろ眠いので お先にしつれいしま~すね!!」
「サラちゃん 皮鎧やら下着やら色々と洗濯したので 脱衣所のタンスから好きな服を着てもいいよ」
「はーい おねーさま!!」
ミレイユは湯風呂につかりながら、サラがガラス張りになっている脱衣所で、
どの寝間着を着ようかと悩む姿が見れた。
「はやく着ないと 風邪をひくよ~」
結局、サラは決心したかのように、ひとつの寝間着を選んだようだった。
・・・・ピンク色のひらひら付きメイド衣装!!!
「あら サラちゃんの猫耳にはメイド服はあうよね~~」
・・・・・じゃなくて!!!
それにしても、ピンクの派手な服を選んだわよね・・・
・・・あれ! 寝間着にはならないでしょうに!!
あの子は あんな衣装が好きなのかしら?
町に行くことがあったら、メイド服を買ってあげようかな~
飛空艇の自室にむかう メイド服を着たサラの後ろ姿を見るミレイユだった。
サラちゃんが満足するなら それでよし! と・・・
さて、さて!!
私も なにを着ようかな・・
タンスの中を色々と漁る。
最低限の布地しかない寝巻というか水着 ・・・・・パス
尻が丸出し寝巻 ・・・・・・パス
これすけすけじゃない!! ・・・・パス
上半身が~ ・・・・ パス
下半身が~ ・・・・ パス
全身が~ ・・・・ パス
っていうかまともなのがない!
風邪をひいてしまう衣装ばかり!!
サラちゃんは 仕方がなくメイド服を選んだのね。
他に まともなのがなかったのか!!!
というか・・いままで来てた服を全部洗濯したのは まずかったわぁ!
まともな服がありそうな予感がしない。
あっ・・・・ タンスの一番下に まともなのがあった!
白いウェディングドレス・・・・ うっっっ!!
・・・・このタンスの中で最も布地がある服だった。
一番まとも・・・・なのかな!?
他のはエロすぎる衣装ばかり!!!
この服を寝巻として着ることにしたミレイユだった。
眠れる森の美女になってしまう・・・
どうせ目覚めのキスはゴーレムなのだろうけど・・・
ちなみに タンスに入ってた服は全て ユリティーナ姫の部屋から強奪した服である。
ユリティーナ姫はどうしてこのような衣装が・・・・・
-------------------- To Be Continued \(・ω・\) 頂上決戦 白いウェディングドレス VS ピンクのメイド衣装
かつて少年だった少女は、あの頃の夢を追い運命という名のまな板船へ乗り込む。
そして、少女は気づく。 ピンク色のメイド服姿になっていたことを・・・
さようなら、異空戦艦ミカサ! さよなら、少年のころの夢よ




