応接室にて
…いやぁ、びっくりしちゃったよ、いきなり掴みかかってくるんだもの。暗殺でもされちゃうかと思ったよ。またまた、そんな物騒なことを言わないで。
しかし、あの時僕が君に気づいてガードマンを止めなかったら、今頃君はとっくに刑務所行きだよ?危なかったねえ。
君の事はテレビとかでよく拝見させてもらってるよ。確か欧州の方の国の軍隊の、エンジニアをしてるんだっけ?あそこの軍隊は強いよねえ、ほらジルバとかいう……ん?質問に答えろって?悪かった悪かった。で、何だっけ?
…そうそう、我が国は憲法を変えたんだ。戦争放棄から、戦争参加へ。そして自衛隊を、我が国の軍隊として認定した。まぁまぁ、僕の話を最後まで聞いてくれよ。
ある科学者によって新しい軍事用ロボットが開発されたんだ。名前は『A』。そこで我が国はその科学者を買い取ったんだ。発明を軍事に利用するために。その科学者は割とすんなり受け入れてくれたよ。技術を自衛隊に捧げることも誓約してくれた。
そのロボット?それがね、実に性能が良いんだ。体格的には普通の人間と変わらないんだけど、重さが1t強。でもジェットエンジンを搭載してるから、問題無く浮遊が可能。なんと海中の移動も可能。燃料は土に由来する成分から作られてて、フルに動かしても1週間は持つ。様々な種類のウエポンを積んでて、やっぱり決め手はレーザーかな。半径100メートル弱の距離のものならなんでも焼き払うよ。
何?ただの殺戮兵器じゃないかって?それがね、違うんだよ、このロボットには今までにないものがあるんだ。プログラムなんかじゃなくて、自らで考えて自らで行動を命令する器官だ。
そう、脳だよ。それも人間なんかのより何倍も優秀なね。
『A』は、人間を越えたんだ。ーーーーーそう、自らを生んだ、生みの親である人間をもね。
…って、どこに行くの?ちょっと待ってよ!待ってって!!!




