8 家の怪
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「ただいま」
「にゃふ…」
今日は帰って早々のご飯の催促かと思ったが、何やら調子が悪そうか?
「大丈夫か、あんこ」
「にゃ…」
病院でも、そろそろ覚悟して下さいとは言われていた。
「あんこが好きなハマチを買って来たんだけど、捌いてしまっておこうか…」
「にゃふぅ…」
「そうか、食欲ないか…」
丸々買った方が経済的に良いからいつもお頭付きで買うのだが、…しょうがない。捌いて冷蔵庫だ。
「見てよ、あんこ。丸々太った油も乗ってるハマチだぞー」
早速肛門から包丁を入れて捌いていく。片身だけ下ろしてあとは冷蔵庫に。
「元気になったら、食べような」
「にゃ」
ふと、包丁を見てみる。さっきまで小太刀を持って降ったりしていたが、この包丁の方が凄くしっくりくる。
「おじいちゃんの包丁の方が武器になりそうだ。流石に無いか…」
「にゃふ」
「あんこもそう思うって?」
「にゃ」
「護身用に持っておくのも手か…?」
いつまた引き摺り込まれるか分からない。包丁なら、職質されても料理好きで押し通せるか?
そう言えば、別れ際、深山がステージ3は侵海を呼べると言った。…一応、武器である包丁。そして、目がある。それなら、
「リベンジはしないとしっくり来ないよな…」
思い立ったが吉日。
強めの灯りが出るスタンドを用意して。
影を映し出す。…いつもの影。幼少期から、気にしすぎていた、影。
ならば、その焦がれる想いを、影に。
ゴポポ…。
来たッ…。
ゴポポポ…。
おじいちゃんの柳刃包丁を握りしめて。
ゴポポポッ
あの時の仕返しを!
ザバァッ…!
「くらえやッ」
逆手に握りしめた包丁を奴の首筋に一撃ッ…チッ、浅いッ。
「ギョエッ」
「ぐっ…」
ザブンッ…。
また引き摺り込まれたッ。…だがッ
ゴポポ…。
ーリベンジならこっからだよなぁッ!
目に力を入れてヤツをッ!
ギシッ、メキメキッ、ボキッ!
「ギョエーッ!」
「はっはーッ!片足貰ったぞ!、ザマァねぇなぁッ!」
つい出てしまったが。
「あー。あー。うわ、気持ち悪ッ!何で喋れんだよ…」
自分の能力に流石に引く。…だが。
「あの時の借りは返したぞ。半魚人野郎。だから、さっさと3枚に下ろさせろッ」
今度こそ、奴の中心部を凝視ッ。
メキメキメキッ…。グジッベキッ。
咄嗟に刺した包丁を引き抜く。
ベコッ…。ギリギリ…。
「半魚人が玉に変わったな…。」
自分の能力でやった実感が薄いが、斃した。
玉を回収して、更に凝視しとくか。…ビー玉サイズまで縮んだ。
「戻って、明日深山さんに渡すか」
引き摺り込まれた場所まで帰る。
「はぁー。生きた実感がするな。…と言うかおかしいよなぁ。あの体積がここまでなるか?」
ビー玉サイズまでになった半魚人だった物を見つめる。…どう考えても物理法則を無視している。
「それも明日深山さんに見て貰えばいいか…」
「にゃふぅ」
「あんこ見てくれよ。綺麗だろー?。悪いお魚を退治したんだぜ」
「にゃふッ」
「無くさないでくれよー」
コロコロ転がして遊ぶなんて何年振りだろうか。
「気に入ったなら別の奴で補うか…」
斃せたんだ。次も行けるだろう。
事件は次の日に起きた。
「無い。一応見せようと思ったのに、無いッ」
「何がないのにゃ?」
「そんなの、あんこにあげたビー玉しかないだろっ」
「アレは貰ったのだから、私の物にゃ」
「なら、どうし、た?」
「食べたにゃ」
「……」
「何にゃ?」
…おじいちゃん。あんこはやっぱり、化け猫になったよ。
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