27 一夜明けて
宜しくお願い致します・:*+.\(( °ω° ))/.:+
美冬の運転で景盛家から白鳥家へと車が走る。
「すみません、送って貰って…」
「…良いのよ。アナタも今日は大変な目にあった被害者でしょ?運が良かったわね。浚水君に助けられて」
運?…心配で後を付けた結構ギリギリの判定だと思う。
「そ、そうですね…。あの、先輩の彼女さんでは無い、ですよね?」
「私?…残念ながら、彼にとっては家族のみが心を許す存在なのでしょうね」
「家族…」
確かに、先輩の穏やかな、そして、安心した顔は学校では見た事が無かった。あんこ。猫の大先輩。先輩の唯一。勝てない…。
「アナタもその一部になれたのよ?」
「え?」
「眷属って言っていたでしょう?」
「…眷属ってなんです?」
「あまりアニメとかマンガとか見ないのね…。そうね…。例えば、浚君が吸血鬼だとします。アナタは首を浚水君に噛まれました。…はい、眷属」
「私って先輩に噛まれましたっけ?」
「例えばよ。浚水君の力でアナタは助かった。謂わば、噛まれたより、吸われた、なのかしらね」
「そ、そんなセンシティブだったんですね!?」
いきなりテンション上げて来た。そう言えば、あんこちゃんもスケベってこの子の事言ってたわね…。
「そっか〜。先輩は旦那様になるんですね〜…。うへへ…」
「…女の子の笑い方じゃ無いわよー」
夢みがちなスポーツ女子なのだろう。若干ポンコツっぽいけど。浚水との相性も悪くはない。力も、あんこちゃん曰く、鍛えればそのうちビームになるかもって言ってたし。
「青田買いかしら…。兄さんに相談ね」
夜の闇も影はある。光ある所影あり。
「イヤー、参ったねどうも。雑魚が減ってるなんていつもの事ジャナイカ」
「ぶぶぶ…。王が目覚めたとのウワサ」
「所詮は噂。大量に死人が出てないとおかしい。」
黒い塊が月明かりに照らされて顕になる。
「イヤー、参ったねどうも。管理人はツライヨ」
普通に太った用務員に擬態したナニカ。
「ぶぶぶ…。確かめるのもイッキョウ」
巨大な蜻蛉の様なナニカ。
「私の巣に寄ったら消すから。」
おかっぱ頭に赤い着物。しかし、顔は真っ黒なナニカ。
「ステージ2なんて雑魚。一斉に飛び込んで来たクセに呼吸器なんか付けて。舐められたモノよね。」
そう言うナニカの足元には、復讐をしようと集まり、飛び込んだ者たち。そう、北の支部の残り。
影から影へ。
移動を出来る事はある程度の人間なら知っている。その技を駆使して誘拐などを行なってきたのだ。
しかし、小さな波紋ならば見逃そう。…だが、大勢で飛び込んだら。…主が居るということを忘れていたのだ。
調子に乗った高校生が反撃した。その意趣返しに更に投入するという愚行。
つい、集団心理は動きを乱れさせ、大きくさせた。
穏やかに眠っていた主を叩き起こす程に。
「やったのは、北側か。よ=む。思い知らせてきて。」
「何人ぐらいです?」
「そうね。お任せで。」
黒くて見えない顔なのに、邪悪に嗤う笑みを残して。影は消える。
「水底に眠る我らを起こしたのは貴様らぞ。」
ゾッとするほどの暗い、黒い声。
その日、とある北の都市にて大量集団失踪が起きた。
シリアスなのよね( ˘ω˘ )




