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影の守り人 〜影は魑魅魍魎が支配する世界でした。力で全てアメ玉にして斃します〜  作者: 佐野松 友
始まりの影

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22/31

22 しゃぶしゃぶ

宜しくお願い致します・:*+.\(( °ω° ))/.:+


 買い物を終えて、帰宅する途中。時刻は4時過ぎ。日がまだまだ高く、影もまた、大きさを増す。


「はぁ。買い物した後くらい、普通に帰りたいもんだ…」


ひた…ひた…。


「ギョギョッ」


 影から現れたのは、サハギン。昨日乱獲したから間違いない。


「サハギンかよ…。昨日アレだけヤラレても、まだ来るか」


 脳まで魚野郎に言っても無駄だと分かっても、つい、愚痴ってしまう。


「冷蔵庫にしまうモノがあるから、玉になっとけ」


「ギョーッ、?!」


ーメキメキ、ベキ、メギ、ギリギリ…。コロン。


「はぁ、コレがアメ玉ねぇ…。食べたいとは思わんな…」


 取り敢えず、買い物袋の中に入れておく。あんこが帰ってきたらオヤツにでもするだろう。




「せ、先輩が半魚人をアメ玉にした…。コレは夢?」


 買い物をしていた先輩の後を付けていた少女。名は白鳥、雫。偶然を装って声を掛けようとしたら、マンガやファンタジーに出て来る化け物を、先輩が一瞬で倒した。この前も様子がおかしかったけど、陰ながら悪の怪人を倒す、ヒーロー的な事をしているんだろうと思い、納得する。


 先輩。私は分かってますからねっ。


ひた…ひた…。


ブルブルッ…。


「突然悪寒が…。…早く帰って下ごしらえするか…」


 冷えてると言っても、真夏だ。生ものはすぐ痛む。


キャーッ!!


「ッ」


 悲鳴が聞こえた場所まで、走るっ。くそっ、買い過ぎた…。日陰に置いて、、悲鳴の元にッ。


ゴポポ…。


「…くそっ引き摺り込まれたか!?」


 勢いを付けて影に潜る。…見つけたっ!3匹のサハギンに掴まれて、下へ下へと沈んでいる。


 外れて仲間を煽ってる奴を先ずは遣るっ。勢いを付けて奴らの元へ。


「寄ってたかってやり方が汚いんだよッ!」

「ギョベッ…」


 良し、あと2匹っ。足を引っ張るヤツら。


「その手を、放しやがれ!」

「ギョッ…」


 立場が変わったのが分かったのか、足を離して逃げようとする、後1匹ッ。


メキメキ、ベキ、ギリギリ…。


「救助しねーと…。白鳥……。クソッ」


 白鳥を抱えて、急いで影からでる。…どうする。どうすれば良い…。人工呼吸とかするべきか…。


「う…ごほっげほっ、さ、流石です、ね…。先輩」

「黙って大人しくしてろ…」


 深山に電話を掛けないと。…こう言う時の緊張感はおじいちゃんが倒れて以来か。心臓が五月蝿い。


[はい、深山です。どうしましたか?]

「俺だ。景盛。知り合いが侵海に引き摺り込まれた。どうしたら良い?」


[…どのくらい飲んでます?]

「白鳥、どのくらい飲んだ?」

「え…。それ、なり、に?」

「それなりだと」


[…残念だけど、普通の人間がアレを飲んで生きれる可能性はかなり低い。…あ、ごめん、あんこさんに代わるよ]


[浚、取り敢えず、家に連れて帰るにゃ]


「家か、分かった」

「ちょ、な、なんです」


 白鳥を抱き上げて、家に、


[買い物は持って帰るにゃ]


 少し戻って、日陰に置いた袋を持って家に。


「先輩?…普通後輩がヤバそうなら無視する所ですよ?」


 無視して、玄関をあける。


[お風呂に入れとくにゃ]


「沸かして無いぞ?」


[塩抜きする様なもんにゃ]


 いつも出る時に洗う習慣があるので、浴槽は綺麗だ。……落ち着いて来たんだが。


「あんこ。聞きたいんだが、命に関わるんじゃ無いのか?」


[にゃ?そのままなら死ぬにゃ。娘は運が良いのにゃ〜。王様に吸ってもらえるなんて運命かにゃ?むふふ]


「…吸うって、どうやるんだよ…」


[そんなもん、手でも足でも、口でも丸めるにゃ]


「化け物じゃねーか…」


[ステージ3は人外だって何度も言ってるにゃッ。私も今から帰るから、その娘を塩抜きならぬ侵抜きしておくにゃ]


プツン…。ぷー、ぷー…。


「あの。先輩?」


「はぁ……。風呂を沸かすから待ってろ」


「あの、えっと…」


「白鳥。」

「はいっ」

「落ち着け。お前はこのままだと死ぬかもしれない」

「いや、落ち着けませんけどっ?!」

「知り合いに対処法を聞いたら、塩抜きみたいな感じで風呂にぶち込んでおけと言われた」

「信頼できます!?それ?!」

「俺より長生きしてるおばあちゃんの金言だ。」

「医者でも何でも無いじゃないですか!?」


ーお風呂がワキマシタ。


「取り敢えず沈んでこい」

「ちょ、…もうッこんな事なら勝負…」


 白鳥を風呂場に置いて来た。勢いで連れて来たが、普通に不味いのではないだろうか?


「……しゃぶしゃぶの準備でもするか…」


 流石に煮えるまで放置はしてなかったから大丈夫だと思いたい。


 鰤しゃぶ。白鳥も食べるなら2パックで足りるだろうか?…ツミレと野菜で傘増しか…?鰤カマも追加で焼けばあんこも文句は無いだろう。


「ただいまにゃー」

「ああ、おかえり」

「お邪魔します〜。色々持って来ました」

「助かるよ」 


 流石に女性用のアレやコレは俺には無理だ。


「鰤を買ったら浚君がしゃぶしゃぶにしてくれるって聞きまして」


「色々って食材か?」

「一応女性用の物も」

「マジで助かる」


「追加の鰤が4パックにゃ〜っ!」

「買い過ぎだぞ」

「正当な報酬にゃ〜」

「…そうか。それなら今日は鰤しゃぶパーティーだな」

「ひゃっふーっ」

「浚君、兄さんも来るけど、いい?」

「4パックも気が引けるから助かる」

「ぶっりしゃぶっ、ぶっりしゃぶ〜」


「元気なおばあちゃんだね。外からまで聞こえてたよ?」

「昼間も貰ったんだろ?」

「生の鰤と鰤しゃぶは別にゃ〜ッ!」


 俺、あんこ、深山兄妹、白鳥。5人前なら、久しぶりの大鍋。使う事は無いと思っていたが、出番だ。


 先ずは出汁から。鰤しゃぶ用に濃過ぎない様に調整して、漬けダレはポン酢、お好みでゴマダレと鰹出汁のタレも。後はしゃぶしゃぶ後の雑炊の支度で準備完了。


「あの、先輩、上がりました…。何だか凄い騒がしかったんですけど、ご家族が?」

「にゃ?塩抜きが甘いにゃ。もう1時間抜いて来るにゃ〜」

「その前に飯だ」

「え、猫が喋ってしゃぶしゃぶで、…もう1時間ですか!?」

「鰤しゃぶなんだよ。…白鳥も席に座れ」

「あ、はい」

「どうせ、眷属になるのにゃ〜。しゃぶしゃぶはポン酢でお願いするにゃ」

「興味深いね。僕達もなれるのかな?」

「まっさらな状態じゃないと無理にゃ。うみゃうみゃ…」

「美味しい…この出汁が決め手なの?」

「鰤はクセがあるから出汁で抜くんだ。染み込んだ鰤と出汁で漬けダレを付ければ間違いないと思う」

「先輩主夫さんなんですね〜」

「料理は美味しく食べる物。おじいちゃんが良く言ってたよ」


「耳が痛くなる言葉だね」

「最近はお弁当ばっかりだから…」


 少し鰤を残して、洗ったご飯を投入。少し塩と醤油で味を整えて、卵とネギとゴマを入れて。


「鰤しゃぶ雑炊だ」

「うみゃうみゃ…」

「猫ちゃんに大丈夫なんですか?!」

「小娘、私はそこら辺の猫とは違うのにゃッ。うみゃうみゃ…」

「見ての通り、化け猫だからな」

「あ、ほんとだ。尻尾が2つ」

「コレからもっと増える予定にゃ〜」


 …おじいちゃん。久しぶりに大鍋を出して、あんこと食べたよ。それと、あんこは尻尾がもっと増えるらしいよ。


鰤しゃぶ雑炊。美味しいですよね…。(゜∀゜)

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